2026年3月16日
労務・人事ニュース
令和8年2月公表の調査で判明、次年度成長率0.9%と回答1,468社の最新企業見通しを読み解く
令和7年度企業行動に関するアンケート調査(内閣府)
令和8年2月に公表された令和7年度の企業行動に関するアンケート調査結果の概要が明らかになった。本調査は、企業が今後の景気や需要動向をどのように見通し、どのような行動を予定しているのかを継続的に把握することを目的として実施されている。調査は令和8年1月に行われ、上場企業3,223社を対象に郵送またはオンライン方式で実施された。有効回答は1,468社で、回答率は45.5%となっている。
まず、我が国の実質経済成長率の見通しについては、次年度である令和8年度の成長率見通しが0.9%となった。前年度調査では1.2%であったことから、やや慎重な見方に転じている。今後3年間である令和8年度から令和10年度までの平均見通しは1.0%、今後5年間である令和8年度から令和12年度までの平均も1.0%とされ、中期的には安定的な成長を想定する結果となった。
業界需要の実質成長率見通しを見ると、次年度の全産業平均は1.5%で、前年度と同水準であった。内訳では製造業が1.3%、非製造業が1.6%となり、非製造業の方がやや高い水準にある。製造業では精密機器や電気機器などで高い伸びが見込まれ、非製造業ではその他金融業や情報・通信業が相対的に高い見通しとなっている。今後3年間および5年間の平均成長率はともに1.4%とされ、一定の需要拡大が続く前提で企業活動が計画されていることがうかがえる。
為替に関しては、輸出企業の採算円レートが132.2円/ドルとなった。前年度の130.1円/ドルからやや円安方向に修正されている。一方、調査直前月の実勢レートは155.9円/ドルであり、これと比べると23.7円の円高水準が採算ラインとなる。製造業の採算円レートは128.9円/ドル、非製造業は142.5円/ドルで、業種ごとに想定水準には差がある。医薬品や非鉄金属では比較的円高水準、情報・通信業やサービス業では円安水準が示されている。
設備投資の動向では、今後3年間に設備投資を増やすと見込む企業の割合が全産業で76.3%となり、前年度の75.8%からわずかに上昇した。製造業は75.5%、非製造業は77.0%で、いずれも高い水準を維持している。業種別ではパルプ・紙やゴム製品、水産・農林業、電気・ガス業などで増加を見込む割合が高い。企業の多くが中期的な成長や競争力維持を見据え、積極的な投資姿勢を続ける意向を示している。
雇用者数の見通しについては、今後3年間に増加を見込む企業の割合が全産業で72.8%となった。前年度の75.2%からは低下している。製造業は66.1%と前年度の71.0%から下がり、非製造業は77.8%で前年度の78.3%からわずかに減少した。ゴム製品や精密機器、その他金融業、情報・通信業では高い増加割合が示されているが、全体としては人員拡大の動きにやや慎重さが見られる。
海外現地生産の状況を見ると、製造業のうち海外で生産を行う企業の割合は令和6年度実績で65.3%、令和7年度実績見込みで64.4%、令和12年度見通しでは62.4%と、やや低下傾向が示されている。一方、海外現地生産比率は令和6年度実績で24.5%、令和7年度実績見込みも24.5%、令和12年度見通しでは24.7%と、ほぼ横ばいで推移する見込みとなっている。輸送用機器や精密機器で比率が高く、食料品やパルプ・紙では低い水準にある。
海外に生産拠点を置く主な理由としては、現地や進出先近隣国の需要が旺盛、または今後の拡大が見込まれることが最も多く挙げられている。次いで、現地の顧客ニーズに応じた対応が可能であることや、労働力コストが低いことが理由として選ばれている。市場の成長性や顧客対応力を重視する姿勢がうかがえる結果である。
今回の調査結果からは、成長率見通しに慎重さが見られる一方で、設備投資には前向きな姿勢が続いていることが読み取れる。雇用や海外展開については分野ごとに差があり、企業は事業環境や需要動向を踏まえた戦略的な判断を進めている状況といえる。継続的な調査に基づくデータは、企業行動を理解するうえで重要な基礎資料となる。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


