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2026年3月14日

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2026年2月公表、9,191社回答で見る女性活躍推進の産業別課題

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記者発表『女性活躍推進の取組状況に関する調査(2025年)〔女活パネル調査2025〕の結果速報』(JILPT)

2026年2月26日、女性活躍推進の取組状況に関する2025年調査の結果が公表された。本調査は、女性活躍推進法の改正を控えた時点での企業の実態を把握することを目的に実施されたもので、常用労働者101人以上を雇用する全国の民営企業を対象としている 。

女性活躍推進法は2015年に時限立法として制定され、その後2025年6月の改正により有効期限が2036年3月31日まで延長された。今回の調査は、改正前の状況を明らかにする基礎資料として位置付けられている 。

調査は2025年10月中旬から11月中旬にかけて実施され、総配布数39,552件のうち有効回答は9,191件、有効回収率は約23.2%であった。規模別では101~300人規模が約24.5%、301人以上規模が約21.1%となっている 。

分析対象は、2025年9月1日時点で常用労働者101人以上かつ正社員が1人以上いる8,044社である。産業は16大産業を基礎に、経済活動の性質や十分な回答数の確保を踏まえて再編され、産業ごとの課題を比較できるよう整理されている 。

まず採用の状況を見ると、社会福祉サービスや消費サービスでは常用労働者の女性比率が約6割と高い。一方で鉱業・建設業や運輸業・インフラでは2割程度にとどまり、産業による構造的な差が明確に表れている 。

正社員に限ると、消費サービスでは女性比率が4割程度であり、非正規雇用に女性が多い傾向が示唆される。男女均等からの乖離度をみても、鉱業・建設業や運輸業・インフラでは男女差が大きく、課題の大きさが浮き彫りとなった 。

定着面では、社会福祉サービスの離職率が男女ともに高い一方、製造業や鉱業・建設業では相対的に低い。多くの産業で女性の離職率が男性より高い傾向がみられ、特に301人以上規模の運輸業・インフラや消費サービスでは約3ポイントの差が確認された 。

平均勤続年数では、すべての産業で男性の方が長い。社会福祉サービスは男女とも勤続年数が短いが差は小さい。一方、鉱業・建設業や卸売・小売業では女性も比較的長く勤続しているものの、男女差は大きい結果となった 。

管理職登用に目を向けると、係長級では一部産業で女性比率が30%前後に達するものの、課長級以上では多くの産業で1割未満にとどまる。301人以上規模の製造業では、係長級登用率の男女差が5.5ポイントに及び、男性の登用率が女性の約1.8倍となっている 。

男女賃金差異では、正社員に限った場合、社会福祉サービスが約87%から89%と比較的小さい。一方、鉱業・建設業や資産関連産業では約70%前後と差が大きく、賃金面での課題が顕著であることが示された 。

行動計画の内容をみると、301人以上規模では「採用」「評価・登用」「働き方改革」「男女賃金差」に関する状況把握や課題分析が多く行われている。一方で「転換・再雇用」や「雇用管理区分」については、いずれの産業でも割合が低い傾向にある 。

101~300人規模では「採用」「継続就業」「働き方改革」が中心項目となっている。学術・専門技術サービスでは多くの項目で状況把握が進んでいるが、産業ごとに重視する課題は大きく異なる 。

今回の調査は速報値であり、今後詳細な分析結果が公表される予定である。さらに、同一企業を追跡する第2回調査が2026年9月頃に実施される計画であり、改正法施行後の変化を検証するための重要な資料となる見込みである 。

産業ごとに課題の性質が異なることが明確になった本調査は、画一的な施策ではなく、各産業の実情に応じた対策と継続的なモニタリングの重要性を示している。企業の採用戦略や人材育成方針を担う担当者にとっても、具体的な数値に基づく現状把握の必要性を再認識させる内容といえる。

⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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