2026年3月20日
労務・人事ニュース
令和8年1月山梨県有効求人倍率1.32倍と医療福祉7.9%増
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最終更新: 2026年3月19日 21:02
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最終更新: 2026年3月20日 01:10
令和8年1月山梨県有効求人倍率1.32倍と求職者減少
山梨労働局が令和8年3月3日に公表した「山梨県の労働市場の動き(令和8年1月分)」によると、県内の雇用情勢は求人が求職を上回る状況を維持しながらも、業種によっては増減が分かれる構造となっている。季節調整値でみた有効求人倍率は1.32倍で、前月と同水準となった。全国の同月の有効求人倍率は1.18倍であり、山梨県は全国平均を上回る水準を保っている。有効求人倍率は求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す指標であり、1.32倍という数値は、求職者数を上回る求人が存在していることを意味する。
季節調整値での月間有効求人数は16,516人で、前月比0.5%増加し79人増えた。一方、月間有効求職者数は12,505人で、前月比0.4%増加し55人増加している。求人、求職ともにわずかに増加したが、倍率は横ばいで推移した。原数値でみると、月間有効求人数は16,883人で前年同月比1.0%減少、月間有効求職者数は12,232人で前年同月比5.0%減少している。前年同月と比べると求職者の減少幅が大きく、労働供給側の縮小が続いていることがうかがえる。
新規求人の動向をみると、原数値で6,866人となり、前年同月比1.8%減少した。新規求職者は3,352人で、前年同月比2.4%減少している。新規求人倍率は季節調整値で2.15倍となり、前月より0.14ポイント上昇した。新規求人倍率が2倍を超える水準は、企業の採用意欲が一定程度強いことを示している。短期的な人材需要は底堅いものの、求人の中身を見ると産業間で明暗が分かれている。
産業別の新規求人では、建設業が539人で前年同月比13.0%増加し62人増加した。運輸業・郵便業は196人で7.1%増加、学術研究・専門技術サービス業は146人で46.0%増加、教育・学習支援業は310人で40.3%増加、医療・福祉は1,389人で7.9%増加している。生活関連サービス業・娯楽業も302人で5.2%増加した。一方で、製造業は971人で4.6%減少し47人減少している。特に食料品製造業は82人で58.2%減少、金属製品製造業は20.8%減少、生産用機械器具製造業は28.7%減少、業務用機械器具製造業は32.4%減少となった。情報通信業は49人で33.8%減少、卸売業・小売業は741人で8.3%減少、宿泊業・飲食サービス業は350人で25.5%減少、サービス業全体も4.4%減少している。
山梨県の主要産業である製造業が減少傾向にある一方、電子部品・デバイス・電子回路製造業は58.3%増加、輸送用機械器具製造業は335.7%増加するなど、同じ製造業内でも分野によって動きが大きく異なる。この点は、採用活動を考えるうえで極めて重要である。業界全体が厳しいという一言では片付けられず、個別分野の需要動向を把握することが不可欠である。
就職件数は608件で前年同月比5.4%減少、紹介件数は2,823件で3.4%減少している。就職率は18.1%で前年同月より0.6ポイント低下し、充足率は8.9%で0.3ポイント低下した。求人が存在しても、必ずしも就職に結びついていない実態が浮かび上がる。
こうした状況の中で、中小企業の採用担当者は有効求人倍率1.32倍という数値をどう受け止めるべきだろうか。まず理解すべきは、1倍を上回る市場では企業間競争が存在するという事実である。求職者が減少傾向にある以上、待ちの姿勢では応募数の確保は難しい。求人票の内容を見直し、仕事内容を具体的に示すこと、教育体制やキャリア形成の道筋を明確にすることが重要となる。
また、製造業の中でも分野により求人動向が異なるように、自社の属する細分化された市場を正確に把握する必要がある。例えば輸送用機械器具製造業のように求人が大幅に増加している分野では、他社との競争が激化している可能性が高い。その場合、給与水準の適正化や福利厚生の充実、職場環境の改善を通じて差別化を図ることが求められる。一方、宿泊業・飲食サービス業のように求人が減少している分野では、採用時期や雇用形態を柔軟に設計することで効率的な人材確保が可能となる場合もある。
さらに、求職者数が前年同月比で減少している点を踏まえれば、既存社員の定着率向上も採用戦略の一部として位置づけるべきである。離職防止策や職場環境の改善は、新規採用コストの抑制にもつながる。企業規模別では29人以下の事業所が59.5%を占めており、小規模事業所が県内雇用の大きな割合を担っている。中小企業こそが地域の雇用基盤を支えている現実を踏まえ、持続可能な人材戦略を構築することが求められる。
山梨県の有効求人倍率1.32倍という数値は、単なる統計ではなく、16,516人分の求人に対し12,505人の求職者が存在するという具体的な需給構造を示している。この差をどう埋めるかは企業の取り組みにかかっている。公的機関が公表する信頼性の高いデータを基に、自社の立ち位置を客観的に把握し、数値に裏付けられた戦略を立てることが、今後の採用活動の成果を左右する。労働市場の動きを継続的に分析し、柔軟に対応する姿勢が、地域に根ざす中小企業の成長を支える基盤となる。
⇒ 詳しくは山梨労働局のWEBサイトへ


