2026年3月22日
労務・人事ニュース
兵庫県で外国人労働者77,016人に拡大した令和7年10月末の最新雇用状況と神戸地域31,717人が示す企業採用戦略の重要ポイント
「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)(兵庫労働局)
兵庫県内における外国人雇用の状況は、近年大きく変化している。令和7年10月末時点でまとめられた外国人雇用状況の届出によると、県内で働く外国人労働者数は77,016人となり、前年と比べて10,851人増加した。増加率は16.4%となっており、これまでで最も多い人数となっている。外国人労働者を雇用する事業所数についても12,204か所となり、前年より969か所増加した。こちらも過去最高の水準となっており、県内の企業活動において外国人材が重要な役割を担っている状況が読み取れる。
外国人雇用状況の届出制度は、事業主が外国人を雇用した場合や離職した場合に、氏名や在留資格、在留期間などを確認したうえで届け出ることを義務付けた制度である。この制度は外国人労働者の適正な雇用管理や就労環境の改善、再就職支援などを目的として設けられている。すべての事業主に届出義務が課されており、制度によって収集された情報をもとに行政機関が雇用状況の把握や支援施策を行っている。
外国人労働者の国籍別の状況を見ると、最も多いのはベトナムで27,730人となっており、全体の36.0%を占めている。次いでネパールが9,594人で12.5%、中国が8,943人で11.6%となっている。さらにミャンマーが6,586人、フィリピンが4,644人と続いており、アジア地域を中心とした人材が兵庫県内で多く就労していることが特徴となっている。特にネパールやミャンマーなどは前年からの増加率が高く、外国人労働者の国籍構成も変化しながら拡大している。
在留資格別に見ると、最も多いのは専門的・技術的分野の在留資格で24,195人となり、全体の31.4%を占めている。次いで資格外活動が21,303人で27.7%、技能実習が15,277人で19.8%、身分に基づく在留資格が13,373人で17.4%となっている。専門的・技術的分野の在留資格には技術・人文知識・国際業務などが含まれており、企業の人材不足を補う形で高度な専門分野の外国人材が増えていることが分かる。また資格外活動の中では留学生のアルバイトが多く、17,574人が該当している。
地域別に外国人労働者数を見ると、神戸地域が31,717人で最も多く、全体の41.2%を占めている。次いで阪神地域が18,836人で24.5%、西播磨地域が11,190人で14.5%、東播磨地域が10,857人で14.1%となっている。都市部を中心に外国人労働者が集中している一方で、県内の各地域でも一定数の外国人が働いており、県全体に外国人雇用が広がっている状況が確認できる。
産業別の状況を見ると、外国人労働者が最も多いのは製造業で22,912人となり、全体の29.7%を占めている。次いでサービス業が13,178人で17.1%、卸売業・小売業が10,194人で13.2%、宿泊業・飲食サービス業が8,752人で11.4%となっている。製造業が最も高い割合を占めている点は兵庫県の産業構造を反映しており、製造現場で外国人材が重要な役割を担っていることが分かる。
外国人を雇用する事業所の規模を見ると、30人未満の事業所が最も多く、全体の53.3%を占めている。外国人労働者数で見ても30人未満の事業所で働く人が32.8%となっており、中小規模の企業で外国人雇用が広く行われていることが特徴となっている。この結果は、人材確保に課題を抱える中小企業が外国人材を積極的に活用している状況を示している。
企業の採用担当者にとって注目すべき点は、外国人労働者数の増加だけではなく、外国人を雇用する事業所数も同時に増えていることである。令和7年10月末時点で12,204事業所が外国人を雇用しており、前年より8.6%増加している。この数字は、外国人材の活用が特定の企業に限られたものではなく、多くの企業で一般的な採用手段となりつつあることを示している。
特に採用戦略の観点では、外国人材の在留資格の違いを理解することが重要となる。専門的・技術的分野の人材は長期的なキャリア形成を前提とした採用が可能である一方、技能実習や資格外活動の人材は制度の目的や在留期間が異なるため、企業は制度を理解したうえで雇用管理を行う必要がある。制度の違いを正しく理解することが、安定した雇用環境の整備につながる。
また、地域別の分布を踏まえると、都市部だけでなく地方部でも外国人材の活用が広がっている。製造業が集積する地域では技能実習や特定技能の人材が多く、都市部では留学生アルバイトや専門人材の採用が進んでいる。企業が採用戦略を検討する際には、地域ごとの産業構造と外国人材の在留資格の特徴を理解することが重要となる。
さらに、中小企業にとっては外国人雇用の拡大が人材確保の現実的な選択肢になりつつある。30人未満の事業所が半数以上を占めているという事実は、多くの中小企業がすでに外国人雇用に取り組んでいることを示している。採用競争が激化する中で、人材確保の視野を広げることは企業の持続的な成長にも直結する。
今後、外国人労働者数の増加はさらに続く可能性が高い。特に専門的・技術的分野や特定技能などの制度を活用した人材の増加は、企業の人材戦略にも大きな影響を与えると考えられる。採用担当者は制度の仕組みや地域ごとの雇用状況を把握しながら、自社に適した採用方法を検討していくことが求められている。外国人雇用は単なる人手不足対策ではなく、企業の人材戦略の一つとして重要性を増している。
⇒ 詳しくは兵庫労働局のWEBサイトへ


