2026年3月21日
労務・人事ニュース
令和8年1月徳島県有効求人倍率1.17倍と医療福祉2,013人増加
令和8年1月徳島県有効求人倍率1.17倍と完全失業率2.6%
徳島労働局が令和8年3月2日に公表した令和8年1月分の雇用失業情勢によると、徳島県の有効求人倍率は季節調整値で1.17倍となり、前月を0.02ポイント下回りました。原数値では1.26倍であり、求人が求職を上回る構図は維持されていますが、直近ではやや弱含みの動きも見受けられます。全国の完全失業率は2.6%で前月と同水準、徳島県の完全失業率は直近で1.7%とされ、雇用情勢は緩やかに持ち直していると評価されています。ただし、物価上昇や外部経済の影響については引き続き注意が必要とされています。
有効求人数は原数値で15,609人となり、前年同月比1.3%減少しました。有効求職者数は12,376人で前年同月比3.8%減少しています。求職者の減少幅が求人の減少幅を上回ったことにより倍率は1倍超を維持していますが、求人自体が減少している点は見逃せません。新規求人は5,753人で前年同月比1.6%増、新規求職者は2,785人で前年同月比7.5%増となりました。新規求人倍率は季節調整値で2.15倍と前月より0.17ポイント上昇し、企業の採用意欲は一定程度保たれていることがうかがえます。
産業別にみると、医療・福祉は2,013人で前年同月比6.3%増、サービス業は945人で9.8%増、宿泊業・飲食サービス業は279人で24.6%増となっています。一方で卸売業・小売業は535人で17.3%減、公務・その他は46.0%減、不動産業・物品賃貸業も減少しており、業種間の差が明確です。製造業は477人で10.7%増、建設業は485人で0.4%減と、地域経済を支える分野でも動向にばらつきがあります。
職業別の有効求人倍率では、建設・採掘従事者が3.74倍、保安職業従事者が6.12倍、専門的・技術的職業従事者が2.36倍と高水準です。建築・土木・測量技術者は6.38倍、医師や薬剤師などは4.64倍となっており、専門人材の不足が続いています。対照的に事務従事者は0.60倍、運搬・清掃・包装等従事者は0.67倍と1倍を下回っています。職種ごとの需給差は顕著であり、県内の雇用市場は一様ではありません。
地域別では、徳島地域が1.51倍、三好が1.37倍、阿南が1.04倍で、県南地域平均は0.98倍と1倍を下回っています。同じ県内でもエリアごとに状況が異なるため、採用活動は地域特性を踏まえて設計する必要があります。
雇用保険関連では、受給資格決定件数が705件で前年同月比27.72%増、受給者実人員は2,382人で前年同月比7.30%増となりました。企業倒産は9件で前年同月比5件増、負債総額は6億1,500万円でした。販売不振が主な要因とされており、地域経済に一定の影響を及ぼしていることが推察されます。
中小企業の採用担当者にとって、有効求人倍率1.17倍という数値は「全体としては求人がやや優勢」という意味を持ちますが、実務ではその内訳こそが重要です。例えば建設関連職種で3倍を超える倍率が続く状況では、従来の条件提示では応募が集まりにくいと考えられます。建設躯体工事従事者は4.96倍、土木作業従事者は5.04倍といった水準で推移しており、採用難は構造的です。給与だけでなく、教育体制、資格取得支援、キャリアパスの明示など、求職者が将来像を描ける情報提供が不可欠です。
一方で事務職の倍率が0.60倍であることは、応募が相対的に多いことを示しています。この領域では選考基準を明確にしつつ、早期に意思決定を行うことが採用成功の鍵となります。選考期間が長引けば他社に人材を奪われる可能性が高まります。倍率の高低に応じて戦略を変える柔軟性が求められます。
また、新規求職者のうち自己都合離職者は726人で前年同月比15.2%増となっています。転職市場が活発化していることは、経験者採用の好機ともいえます。求人票には業務内容や評価制度を具体的に記載し、実際の労働条件を透明性高く示すことが信頼につながります。平均残業時間や有給休暇取得率など、客観的な数値を提示することで企業の実態が伝わりやすくなります。
公的機関が公表する統計は信頼性が高く、採用戦略を検討するうえでの基礎資料となります。令和8年1月の徳島県有効求人倍率1.17倍という結果は、単なる景気指標ではなく、企業が自社の立ち位置を確認するための羅針盤です。産業別、職種別、地域別のデータを読み解き、自社の強みと課題を整理することで、持続的な人材確保につながります。短期的な人員補充にとどまらず、育成と定着を見据えた計画を立てることが、今後の競争環境を乗り切るための現実的な選択といえるでしょう。
⇒ 詳しくは徳山労働局のWEBサイトへ


