2026年3月24日
労務・人事ニュース
令和7年12月から令和8年1月に実施された鹿児島県128現場の建設業一斉立入調査で54.7%の70現場に労働安全衛生法違反が確認された結果
年末年始建設業一斉集中立入調査結果を公表します(鹿児島労働局)
鹿児島県内の建設業における労働災害の防止を目的として、年末年始の期間に建設現場を対象とした一斉集中立入調査が実施され、その結果が取りまとめられた。年末年始は作業工程の変化や生活リズムの乱れなどにより労働災害が発生しやすい時期とされており、安全対策の徹底を図るために重点的な監督指導が行われた。今回の調査は令和7年12月1日から令和8年1月31日までの期間に実施され、管内の5つの労働基準監督署が連携して建設現場の安全管理状況を確認した。
調査では建設現場128現場を対象に監督が行われ、土木工事や建築工事など合計200の事業場に対して安全衛生の状況が確認された。その結果、70現場で労働安全衛生法に関する違反が認められ、全体の54.7%に該当する結果となった。建設現場では多くの関係事業者が関わりながら作業が進められるため、安全管理体制の整備や作業手順の徹底が重要であり、今回の調査結果からも継続的な安全対策の必要性が示されている。
違反内容をみると、墜落や転落を防止するための措置に関する違反が最も多く99件確認された。具体的には、作業床の端部や開口部からの墜落防止措置が十分に講じられていない事例や、足場の安全対策が適切に整備されていない事例などが確認されている。建設業においては高所作業が多く、墜落や転落は重大災害につながる可能性が高いため、設備の設置や安全設備の使用を含めた対策の徹底が重要となる。
また、建設機械などに関する違反も41件確認されている。これには、作業に必要な資格の確認や作業方法の適正な管理、機械設備の点検などに関する問題が含まれている。建設機械は作業効率を高める一方で、操作方法や管理体制が不十分な場合には重大な事故につながる可能性があるため、事業場ごとに安全管理を徹底することが求められている。
さらに、元請事業者による統括安全衛生管理に関する違反も32件確認された。建設現場では複数の事業者が関わるため、元請事業者が中心となって関係事業者の安全管理を統括し、作業計画や安全対策を共有することが重要となる。適切な指導や調整が行われない場合、現場全体の安全水準が低下する可能性があることから、統括管理体制の強化が重要な課題となっている。
鹿児島県内における労働災害の状況を見ると、令和7年の休業4日以上の死傷者数は298人となっている。前年の314人と比較すると16人減少しているが、依然として一定数の災害が発生している状況である。事故の種類別では、墜落や転落による災害が110人で全体の36.9%を占めており、最も多い事故の型となっている。次いで転倒による災害が40人で13.4%、はさまれや巻き込まれによる災害が29人で9.7%、切れやこすれによる災害が23人で7.7%、道路交通事故による災害が21人で7.0%となっている。
死亡災害については3人が確認されており、いずれも土木工事に関連する作業で発生している。具体的には、建設機械と構造物の間に挟まれる事故や、建設機械による作業中に転落する事故などが発生しており、機械作業と人の作業が同時に行われる現場における安全確保の重要性が改めて示されている。こうした災害の多くは作業手順や安全確認の徹底によって防ぐことが可能であるため、現場ごとのリスク管理が求められている。
被災者の年齢構成を見ると、60歳以上の労働者が98人で全体の32.9%を占めており、他の年代と比べて最も多い割合となっている。建設業をはじめとした多くの産業では高年齢労働者の就業が増加しており、身体機能の変化や作業環境への配慮を踏まえた安全対策が重要となっている。こうした状況を踏まえ、高年齢者の労働災害防止を目的とした指針が令和8年2月10日に公示され、事業者に対して職場環境の改善や作業管理の見直しなどの取り組みが求められている。
今回の調査結果は、建設業における安全対策の重要性を改めて示す内容となっている。特に高所作業や建設機械を使用する作業では、適切な安全設備の設置や作業手順の遵守が不可欠であり、事業者は労働安全衛生法に基づいた管理体制の整備を進める必要がある。安全対策は労働者の命と健康を守るだけでなく、安定した事業運営にもつながるため、継続的な取り組みが重要とされている。
⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ


