2026年3月23日
労務・人事ニュース
広島県で65歳までの雇用確保措置99.5%となった令和7年6月の高年齢者雇用状況と企業5,370社の実態
令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します(広島労働局)
広島県における高年齢者の雇用状況について、令和7年6月1日時点の企業からの報告を集計した結果が公表された。この集計は、高年齢者の安定した雇用確保を目的として定められている制度に基づき実施されたものであり、常時雇用する労働者が21人以上の企業から提出された報告をもとに整理されたものである。今回の集計では、広島県内の5,370社を対象としており、企業における高年齢者の雇用確保措置や就業確保措置の実施状況などが確認されている。
高年齢者の雇用については、法律により65歳までの安定した雇用の確保が企業に義務付けられている。企業は定年制の廃止、定年年齢の引き上げ、または継続雇用制度の導入のいずれかの措置を講じる必要がある。この制度は、高年齢者が安心して働き続けることができる環境を整備することを目的としており、企業にとっても経験や技能を持つ人材を活用できる仕組みとして重要な制度となっている。
令和7年6月1日時点において、広島県内で65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施している企業は5,342社となり、報告企業全体の99.5%を占めている。前年は99.9%であったため0.4ポイント減少しているものの、ほとんどの企業が制度に対応している状況である。企業規模別に見ると、中小企業では99.4%、大企業では100.0%となっており、大企業ではすべての企業が措置を実施している。
雇用確保措置を実施している企業の内容を見ると、最も多いのは継続雇用制度の導入であり、3,316社で全体の62.1%を占めている。これは定年後も希望する労働者を引き続き雇用する制度であり、高年齢者が長く働き続けることを可能にする仕組みである。次に多いのが定年の引き上げで1,818社、割合では34.0%となっている。定年制を廃止している企業は208社で3.9%となっている。
また、企業における定年年齢の状況を見ると、最も多いのは60歳定年の企業であり3,161社となり、全体の58.9%を占めている。一方で65歳定年としている企業は1,569社で29.2%となっており、前年の28.0%から1.2ポイント増加している。さらに66歳から69歳までを定年としている企業は61社で1.1%、70歳以上を定年としている企業は188社で3.5%となっている。定年制を廃止している企業は208社で3.9%となっている。
65歳以上の定年を設定している企業や定年制を廃止している企業を合計すると、広島県では37.7%の企業が65歳以上まで働くことができる制度を整備していることになる。この割合は前年の36.6%から1.1ポイント増加しており、企業における高年齢者の活躍の場が徐々に広がっている状況が確認できる。
さらに、65歳を超えて70歳まで働く機会を確保するための取り組みも進められている。70歳までの就業確保措置を実施している企業は1,727社であり、割合では32.2%となった。前年は29.1%であったため、3.1ポイント増加している。企業規模別に見ると、中小企業では32.6%、大企業では26.4%となっており、中小企業においても高年齢者の就業機会を確保する取り組みが広がっていることが分かる。
70歳までの就業確保措置の内容を見ると、最も多いのは継続雇用制度の導入であり24.7%となっている。定年制の廃止は3.9%、定年の引き上げは3.5%となっており、さらに業務委託契約の導入や社会貢献事業への参加などの措置も一部の企業で導入されている。企業が高年齢者の経験や技能を活用するための仕組みを整備していることが読み取れる。
このように広島県では、65歳までの雇用確保措置がほぼすべての企業で実施されており、さらに70歳までの就業機会の確保についても取り組みが進んでいる。高年齢者の就業環境の整備は、労働力人口が減少する中で企業にとっても重要な課題となっており、長年の経験や技能を持つ人材を活用することは、企業の持続的な成長にもつながる要素となっている。
また、今回の結果は、企業の雇用管理の実態を把握するうえで重要な統計であり、制度の理解と適切な運用を進めることが求められている。企業が制度の趣旨を理解し、継続雇用や定年制度の見直しなどを進めることで、高年齢者が安心して働き続けることができる環境づくりにつながる。こうした取り組みは、地域の雇用の安定と労働力の確保という観点からも重要な意味を持っている。
さらに、労働市場の変化に対応するためには、企業が客観的な統計データを基に雇用戦略を考えることが重要である。今回のような高年齢者雇用の実態データは、採用や人材活用の方向性を検討するうえで信頼性の高い情報として位置付けられる。企業が事実に基づいた判断を行い、制度を理解したうえで雇用管理を進めることは、信頼性の高い情報発信や適切な人材戦略につながり、結果として企業の持続的な発展にも寄与することになる。
⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ


