2026年4月2日
労務・人事ニュース
2026年3月13日閣議決定、AIや半導体など重点産業技術を指定する産業技術力強化法改正案と研究開発税制40%控除の新制度
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最終更新: 2026年4月1日 04:13
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「産業技術力強化法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました(経産省)
2026年3月13日、産業技術の研究開発を一層促進するための「産業技術力強化法の一部を改正する法律案」が閣議決定された。この法律案は、現在開会中の第221回国会に提出される予定となっている。技術革新の重要性が高まる中で、革新的な産業技術の研究開発を後押しし、企業や研究機関の連携を強化する制度の整備が目的とされている。
近年、AIや半導体などの先端分野を中心に、国際的な技術競争が急速に進んでいる。こうした状況の中で、新しい技術を生み出し社会実装につなげるためには、研究開発の推進とともに、企業と研究機関が連携しやすい制度環境の整備が重要とされている。今回の法律案では、重点的に支援する産業技術を明確化し、それらの研究開発を行う企業や研究拠点を支援する仕組みが盛り込まれている。
法律案ではまず、支援の対象となる重点産業技術を指定する仕組みが導入される。対象となる技術は、革新的な技術分野として位置付けられるAIや先端ロボット、量子技術、半導体や通信などである。これらの分野は、産業競争力の強化や社会課題の解決に大きく関わる技術として注目されており、研究開発の加速が求められている。
また、企業が重点産業技術に関する研究開発を進める場合、その計画について認定を受けることができる制度が新たに設けられる。認定を受けた計画については、研究開発の推進を後押しする支援措置が適用される仕組みとなっている。これにより、企業が戦略的に研究開発を進めやすい環境の整備が図られる。
さらに、大学や研究機関などについても、重点産業技術の研究開発を行う拠点としての認定制度が創設される。認定を受けるためには、専門的な知識や技術を持つ人材が確保されていることや、研究開発を実施する体制、必要な設備などが整っていることが求められる。認定された研究拠点は公表される予定であり、企業との共同研究開発の促進につながることが期待されている。
研究開発を進める企業に対しては、税制面での支援も用意される。今回の制度では、研究開発税制の中に「戦略技術領域型」という新しい枠組みが設けられる。この制度では、認定を受けた企業が重点産業技術の研究開発を行う場合、その試験研究費の40%を法人税額から控除できる仕組みが導入される。
さらに、認定を受けた研究開発機関と共同研究や委託研究を実施する場合には、より高い支援が適用される。この場合、試験研究費の50%を法人税額から控除できる制度となっており、企業と研究機関の連携を促進する仕組みが強化される。こうした制度は、企業による研究開発投資を後押しし、先端技術の創出につなげる狙いがある。
研究開発の実施に伴う手続き面の負担軽減も図られる。補助金などを活用して取得した設備を別の研究開発に転用する場合、従来は転用の承認を申請する必要があった。今回の法律案では、この承認申請を研究開発計画の認定申請とまとめて行える仕組みが導入される予定であり、手続きの簡素化と研究開発の迅速な実施が期待されている。
新しい技術の社会実装を進めるための制度連携も盛り込まれている。実証実験などを通じて得られたデータを活用し、規制の見直しにつなげる仕組みとして知られる規制のサンドボックス制度について、認定された事業者が利用する際には、認定の過程で得られた情報が関係する行政機関に共有される仕組みが設けられる。これにより、制度判断に必要な情報が充実し、技術実証の円滑な実施が期待されている。
さらに、研究開発を進める企業に対しては、研究開発の進め方に関する助言や情報提供が行われる。研究開発に関する助言の提供や、重点産業技術に関する情報の共有を通じて、企業の研究開発活動を支える体制の整備が進められることになる。
加えて、政府資金を活用した委託研究の成果に関する特許の活用促進についても措置が盛り込まれている。政府の資金を用いた委託研究で得られた特許権などは、一定の条件のもとで受託者に帰属させることができる制度が設けられている。今回の法律案では、これらの特許権が重点産業技術に関するものである場合、受託者が正当な理由なく長期間利用していない場合に、迅速な利用を促す仕組みが整備される。
こうした制度整備により、重点産業技術に関する研究成果の活用を進め、研究開発の成果が社会や産業に広く活用されることが期待されている。技術開発から実用化までの流れを円滑にし、企業と研究機関が連携しながら革新的技術の創出を目指す制度として注目されている。
今回の法律案は、重点産業技術の指定から研究開発計画の認定、税制支援、制度連携までを一体的に整備するものである。技術革新を支える制度基盤を強化することで、産業技術の研究開発を加速させ、将来の産業競争力の強化につなげることが目的とされている。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ


