2026年5月5日
労務・人事ニュース
2026年3月四国の求人市場、販売108%増と求人数伸び悩みが示す採用環境の変化
景気ウォッチャー調査(令和8年3月調査)― 四国(現状)―(内閣府)
令和8年3月に公表された四国地域の景気動向調査では、年度末特有の需要や観光客の増加を背景に、一部で回復の兆しが見られる一方、物価上昇や燃料費の高騰が消費行動と企業活動の双方に影響を及ぼし、全体としては不安定な状況が続いていることが明らかとなった。短期的な需要の伸びと構造的な課題が交錯する局面にある。
小売やサービス分野では、新生活需要や季節イベントの影響により売上や来客数の増加が確認されている。家電量販店では販売が前年比108%と伸び、ショッピングセンターでも来客数が10%以上増加するなど、消費活動は一時的に活発化している。 また、観光需要も回復しており、商店街や宿泊施設では人出の増加が売上の押し上げ要因となっている。
一方で、消費の内実を見ると、物価上昇の影響は依然として大きく、来客数の減少や買上点数の低下が多くの業種で報告されている。コンビニでは売上が単価上昇に支えられているものの、来客数は減少傾向にあり、スーパーでも販売点数の減少が続いている。 消費者は必要な支出に絞る傾向を強めており、節約志向が広く浸透している。
また、購買行動の変化として、価格への敏感さが一層高まっている点が挙げられる。生活必需品においても購入を慎重に検討する動きが見られ、外食や嗜好品の需要は伸び悩んでいる。飲食業では歓送迎会シーズンにもかかわらず想定ほどの人出が見られず、売上回復には至っていないケースも確認されている。
企業活動においては、原材料費やエネルギーコストの上昇が引き続き大きな負担となっている。製造業では受注が堅調な分野もあるが、原油価格の高騰や供給不安が経営の不確実性を高めている。建設業や輸送業でもコスト増加が収益を圧迫し、価格転嫁の難しさが経営課題として浮上している。
さらに、中東情勢の不安定化による燃料費の変動は、地域経済全体に影響を及ぼしている。ガソリン価格の上昇は家計負担を増加させ、外出機会の減少や購買意欲の低下につながっている。地方では自動車利用が不可欠であるため、この影響は都市部以上に大きく、消費活動の抑制要因となっている。
雇用情勢に目を向けると、求人数は増加する時期であるにもかかわらず、その伸びは例年を下回っている。企業は人手不足を抱えながらも、コスト増加や先行き不透明感から採用に慎重な姿勢を見せている。 特に中小企業では採用計画を見直す動きが見られ、採用環境は厳しさを増している。
また、求職者の動向にも変化が見られる。物価高の影響から高齢者の就労意欲が高まる一方で、全体としての求職者数は減少傾向にあり、人材確保の難しさが一層顕著となっている。企業側では採用予定人数を満たせないケースも増えており、人材の確保と定着が重要な経営課題となっている。
さらに、新卒採用においても厳しい状況が続いている。地元企業では採用活動が終盤に差し掛かる中で、計画通りの人員確保が難しい状況が報告されており、地域間や企業規模による人材獲得競争の激化が進んでいる。こうした状況は今後の地域経済の持続性にも影響を与える可能性がある。
このように四国地域の経済は、短期的な需要回復と長期的な課題が同時に進行している。採用担当者にとっては、求人数の動向や人材不足の実態を踏まえたうえで、柔軟な雇用条件や働き方の提示が不可欠となる。今後は物価やエネルギー価格の動向を注視しながら、持続可能な採用戦略を構築することが企業の競争力を左右する重要な要素となる。
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