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2026年6月21日

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2026年4月岩手県の有効求人倍率1.10倍で中小企業が見直すべき採用活動

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2026年4月岩手県の有効求人倍率1.10倍と業種別求人動向

岩手労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月の一般職業紹介状況によると、岩手県内の有効求人倍率は1.10倍となり、前月と同水準を維持しました。求人が求職を上回る状況は継続しているものの、岩手労働局は県内の雇用情勢について「求人が求職を上回って推移しているものの、弱さがみられる」と判断しています。この評価は、単純に有効求人倍率だけでは見えない雇用市場の変化を示しており、企業の採用担当者にとっても重要な意味を持つ内容となっています。

2026年4月の有効求人数は23,641人となり、前月比で174人減少しました。一方、有効求職者数は21,541人となり、前月比で105人減少しています。求人と求職の双方が減少するなかで有効求人倍率は1.10倍を維持しましたが、企業の採用需要が大きく拡大している状況ではなく、求職者側の動きも活発とは言えない状況が続いています。

新規求人倍率は1.74倍となり、前月の1.79倍から0.05ポイント低下しました。新規求人数は8,539人で前月比4.0%減少し、新規求職者数は4,910人で前月比1.2%減少しています。企業が新たに募集する求人の数は減少傾向にあり、景気や事業環境への慎重な姿勢が採用計画にも反映されていることがうかがえます。

全国との比較では、全国平均の有効求人倍率は1.18倍、東北平均は1.15倍となりました。岩手県の1.10倍は全国平均を下回り、東北平均も下回る水準です。東北各県では山形県が1.29倍、福島県と京都府が1.22倍、宮城県が1.11倍となっており、岩手県は東北6県の中では中位に位置しています。全国47都道府県ランキングでは34位となっており、全国的に見ると人材需給は比較的落ち着いた状況にあると考えられます。

しかし、県内を詳しく見ると地域による差が非常に大きいことが特徴です。2026年4月の有効求人倍率は北上が1.51倍で県内最高となりました。花巻は1.31倍、水沢は1.19倍、一関は1.00倍でした。一方で、釜石は0.73倍、宮古は0.79倍、大船渡は0.78倍、久慈は0.67倍となっています。内陸部全体では1.08倍であるのに対し、沿岸部は0.75倍にとどまっています。県内全域で同じ採用環境ではなく、地域ごとにまったく異なる労働市場が形成されていることがわかります。

企業の採用担当者が注目すべきなのは、この地域差が採用難易度に直接影響する点です。北上や花巻など求人倍率が高い地域では企業間の人材獲得競争が激しくなります。求人を掲載するだけでは応募が集まりにくく、待遇や働き方、キャリア形成の魅力を具体的に示さなければ人材確保は困難になります。一方で沿岸部では求職者数が比較的多いため、応募獲得の可能性はあるものの、企業側が求める人材とのマッチング精度が重要になります。

正社員採用の状況を見ると、正社員有効求人倍率は0.86倍となりました。前年同月からは0.03ポイント低下しています。全国の正社員有効求人倍率は0.95倍であり、岩手県は全国平均を下回る状況です。しかし、新規求人に占める正社員割合は50.4%となっており、半数以上の企業が正社員採用を前提とした募集を行っています。

産業別に見ると、建設業では新規求人に占める正社員割合が94.5%と極めて高い水準でした。運輸業・郵便業も78.4%、学術研究・専門技術サービス業は74.6%、不動産業・物品賃貸業は72.4%となっています。人材不足が深刻な業界ほど正社員採用への意欲が高い傾向が見られます。

産業別の新規求人数では、医療・福祉が1,593人で最も多くなりました。次いでサービス業が1,295人、製造業が1,068人、卸売業・小売業が1,041人となっています。岩手県の雇用を支える主要産業である医療・福祉分野では引き続き大きな採用需要が存在しています。

一方で前年同月との比較では、多くの業界で求人減少が見られました。建設業は13.6%減少、運輸業・郵便業は19.0%減少、卸売業・小売業は14.1%減少、宿泊業・飲食サービス業は28.2%減少、医療・福祉も14.9%減少しています。採用需要そのものは依然として高いものの、企業が採用計画を慎重に見直している様子が数字から読み取れます。

そのなかで製造業は9.7%増加しました。情報通信業も32.2%増加、学術研究・専門技術サービス業は49.4%増加しています。特にデジタル分野や高度専門職分野への人材需要は拡大傾向にあり、企業の人材投資が続いていることがわかります。

求職者の動向にも注目が必要です。2026年4月の新規求職者数は4,910人で、前年同月比では1.2%減少しました。しかし原数値で見ると新規求職者数は6,472人となり、依然として多くの人が仕事を探しています。有効求職者数は23,417人で前年同月比2.9%増加しました。つまり求職者数は一定数存在しているものの、企業と求職者の希望条件が一致していない可能性があります。

態様別に見ると、離職者は2,370人でした。そのうち自己都合離職者は1,494人で前年同月比4.0%増加しています。自己都合退職者の増加は、より良い待遇や働き方を求めて転職を検討する人が増えていることを示しています。企業にとっては採用だけではなく、既存社員の定着対策も重要な経営課題になっていることがわかります。

また、企業整備届による離職者数は2026年4月に379人となりました。産業別では製造業が164人で全体の43.3%を占めています。運輸業・郵便業が66人、医療・福祉が50人、情報通信業が41人となっています。事業再編や経営環境の変化による人材流動化も進んでおり、採用市場に新たな人材が流入する要因になっています。

ここで中小企業の採用担当者が考えるべきことがあります。有効求人倍率1.10倍という数字を見ると、求職者より求人のほうが多い状況であるため、人材確保は引き続き簡単ではありません。しかし重要なのは倍率そのものではなく、その背景にある求職者の価値観の変化です。

現在の求職者は給与だけで企業を選ぶわけではありません。休日数や残業時間、育成制度、福利厚生、職場環境、キャリア形成支援などを総合的に比較しています。特に若年層は働きやすさや成長機会を重視する傾向が強くなっています。そのため中小企業は給与競争だけに頼るのではなく、自社ならではの魅力を具体的に発信することが重要です。

また、岩手県では人口減少や若年層流出が続いています。そのため県内人材だけを対象とした採用活動では限界があります。UIターン人材の獲得や県外人材への情報発信、オンライン採用の活用など採用エリアを広げる戦略も必要です。特に有効求人倍率が高い地域では、地域内での競争だけではなく全国規模での人材獲得競争を意識する必要があります。

さらに、採用成功の鍵は定着率向上にあります。採用コストが高騰するなか、入社後の早期離職は企業経営に大きな負担を与えます。入社後の教育体制やキャリア面談制度、働きやすい職場づくりを強化し、社員が長く活躍できる環境を整備することが重要です。

2026年4月の岩手県の有効求人倍率1.10倍は、求人超過の状態が続いていることを示す一方で、求人減少や地域格差、求職者ニーズの変化など複数の課題も浮き彫りにしています。企業の採用担当者は単純な倍率の高低だけを見るのではなく、業界動向や地域特性、求職者心理まで踏まえた採用戦略を構築することが求められています。これからの採用活動では、企業が人材を選ぶ時代から、人材に選ばれる企業になるための取り組みがますます重要になるでしょう。

⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ

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