2026年7月4日
労務・人事ニュース
2026年5月先行き 北海道の求人市場、新規求人数0.5%増でも有効求人数6か月連続減少が示す採用課題
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最終更新: 2026年7月3日 12:00
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最終更新: 2026年7月3日 10:05
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最終更新: 2026年7月3日 10:05
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最終更新: 2026年7月3日 15:32
景気ウォッチャー調査(令和8年5月調査)― 北海道(先行き)―(内閣府)
内閣府が公表した令和8年5月の景気ウォッチャー調査によると、北海道地域の先行き景況感は観光需要やイベント需要への期待がある一方で、中東情勢の長期化による物価上昇や資材不足への懸念が強く、業種によって見通しが大きく分かれる状況となっている。観光業やサービス業では今後の需要拡大を見込む声が多く聞かれる一方で、小売業や住宅関連業界、建設業では厳しい見方が目立っており、地域経済全体としては慎重な見通しが広がっている。
北海道ではこれから本格的な観光シーズンを迎えることから、観光需要への期待が高まっている。フェリー業界ではツアー予約が順調に推移しており、訪日外国人旅行者も引き続き増加傾向にあることから、今後の景気は改善すると予想されている。観光名所でも北海道人気は依然として高く、多くの旅行者が訪れる状況が続いている。観光関連事業者からは予想を上回る好材料が続いているとの声もあり、地域経済を支える重要な原動力となっている。
夏のイベント開催も地域経済にとって大きな追い風となりそうだ。商店街や百貨店では6月から8月にかけて各種イベントが予定されており、来街者や来店客の増加に期待が集まっている。通信業界でもイベント開催による人流増加が見込まれており、店舗利用やサービス需要の拡大が予想されている。高級レストランからも、全国的な猛暑が続けば涼しい北海道への旅行需要が高まり、利用客増加につながるとの見方が示されている。
タクシー業界でも観光需要やイベント需要への期待が強い。大規模イベントの開催によって利用者増加が見込まれているほか、観光シーズン本格化による乗車機会の増加も予想されている。運賃改定の効果によって売上向上を期待する声もあり、観光関連サービスを中心に一定の回復基調が続く見通しとなっている。
一方で、観光関連業界の全てが楽観視しているわけではない。旅行代理店からは、中国路線の減便によってインバウンド需要の伸びが鈍化する可能性が指摘されている。また、原油価格上昇や物価高騰の影響による旅行控えも懸念されており、旅行需要そのものが今後どの程度維持されるかは不透明な部分も残っている。観光型ホテルのなかには夏場の予約状況が低調であるとする声もあり、地域や施設によって温度差がみられる。
消費市場では物価上昇への警戒感が強まっている。スーパーやコンビニでは商品価格の上昇が続いており、消費者が必要最低限の商品しか購入しない傾向が強くなっている。食品や日用品の値上げが続くなか、節約意識はさらに高まりつつある。コンビニ業界ではおにぎりや弁当の販売減少を懸念する声もあり、消費者の購買行動が慎重になっていることがうかがえる。
小売業界では中東情勢の影響による石油化学製品の価格上昇が大きな課題となっている。包装資材や物流コストの上昇によって商品価格への転嫁が避けられない状況となっており、今後さらに消費者負担が増加する可能性がある。スーパー関係者からは、今後あらゆる商品で値上げが進むことで節約志向が一段と強まるとの見方が示されている。
自動車関連業界でも慎重な見方が目立つ。環境性能割終了後の販売増加を期待していたものの、物価上昇への不安から新車購入を見送る消費者が増えている。また、エンジンオイルや溶剤などの供給にも影響が出始めており、整備事業や販売事業の収益悪化を懸念する声も上がっている。部材供給の減少や調達難への警戒感も広がっており、先行きへの不安は大きい。
住宅市場や建設業界も厳しい状況が続いている。住宅販売会社では住宅着工件数の増加を見込めないとの見方が強く、建築コストの高止まりが大きな課題となっている。建築資材の価格上昇や供給不安に加え、長期金利上昇も住宅需要を抑制する要因となっている。分譲マンション市場では販売価格が高騰し、購入しやすい価格設定が難しくなっているとの指摘もある。
建設業界では案件そのものは存在するものの、人手不足によって受注を見送らざるを得ないケースも発生している。現場は高稼働状態を維持しているが、資材価格の上昇や調達難が利益を圧迫するリスクとして認識されている。さらに中東情勢が長引けば工期延長や原価上昇につながる可能性もあり、企業経営への影響が懸念されている。
企業活動では半導体関連分野に期待が集まっている。通信業界では今夏から本格稼働を予定している半導体関連企業が複数存在しており、地域経済への波及効果が期待されている。また、建設機械リース業界では国内建設投資が底堅く推移していることから、一定の需要維持が見込まれている。ただし、物価上昇や人手不足といった課題は依然として解消されていない。
雇用市場では人材不足が継続している。人材派遣会社によると、企業は引き続きスキルの高い人材を求めており、人材獲得競争は今後も続く見通しである。企業側の採用意欲は一定水準を維持しているものの、人材確保は容易ではなく、求職者を企業同士で奪い合う状況が続いている。人手不足が地域経済全体の成長を制約する要因となっている。
職業安定所によると、新規求人数は前年比0.5%増となり2か月ぶりに前年を上回った。しかし月間有効求人数は6か月連続で前年を下回っている。有効求人倍率に関連する需給環境は業種によって差がみられるものの、求人市場全体としては拡大と縮小が混在する状態にある。今後の物価上昇が企業の採用活動に影響を与える可能性もあり、採用担当者にとっては慎重な判断が求められる局面となっている。
また、新卒採用市場では新たな課題も浮上している。合同企業説明会への参加者数が大幅に減少しており、若年層の道外流出も続いている。学生は人材紹介サービスや就職活動アプリを活用する傾向を強めており、従来型の採用活動だけでは十分な接点を確保できなくなっている。企業にとっては採用手法の見直しが急務となっている。
大学の就職担当者からは、人手不足が続いているにもかかわらず求職者とのミスマッチが解消されていないとの指摘もある。求人があっても応募が集まらない、あるいは企業と求職者の希望条件が一致しない状況が続いており、短期間での景気回復は難しいとの見方が示されている。採用担当者にとっては、給与水準や福利厚生だけでなく、働き方やキャリア形成支援など総合的な魅力発信が求められる時代になっている。
北海道の先行き景況感は、観光需要や半導体関連投資といった成長要因が存在する一方で、物価上昇や資材不足、人手不足など多くの課題を抱えている。新規求人数は前年比0.5%増加したものの、有効求人数は減少傾向が続いており、雇用市場にも慎重な空気が広がっている。今後は観光需要の持続性に加え、企業の採用力強化や人材確保対策、さらには資材供給の安定化が北海道経済の行方を左右する重要なポイントとなりそうだ。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


