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2026年7月24日

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令和8年5月の山口県有効求人倍率1.27倍

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令和8年5月の山口県有効求人倍率1.27倍を中小企業はどう読むべきか

令和8年6月30日、山口労働局は令和8年5月分の山口県の雇用情勢を公表しました。県内の有効求人倍率は受理地別、季節調整値で1.27倍となり、前月より0.05ポイント低下しました。2か月ぶりの低下であり、求人が求職を上回る状態は続いているものの、求人の一部に弱さがみられるとの判断が示されています。あわせて、物価上昇などが雇用に与える影響にも注意が必要とされています。中小企業の採用担当者にとって、この1.27倍という数字は、単に「人手不足が続いている」という意味だけではありません。求職者1人に対して求人が1件以上ある環境である一方、求人そのものは減少傾向にあり、採用市場が強いまま安定しているというより、企業が採用に慎重になりながらも必要な人材を探している局面と見ることができます。

令和8年5月の山口県では、有効求職者数が19,642人となり、前月比0.9%増加しました。2か月ぶりの増加です。一方、有効求人数は24,945人で、前月比2.8%減少し、3か月連続の減少となりました。有効求人倍率が下がった背景には、求職者が増えたことに加え、求人が減ったことが大きく関係しています。採用担当者は、倍率だけを見て「まだ1倍を大きく超えているから採用は難しい」と考えるのではなく、求人が減っている今だからこそ、競合企業の動きが鈍る可能性にも目を向ける必要があります。採用市場では、企業が求人を控える時期に、条件や情報発信を丁寧に整えた企業が応募者の目に留まりやすくなることがあります。特に中小企業は、大手企業のように大量採用や高額な広告投資をしにくい分、求人内容の具体性と応募後の対応力で差をつけることが重要です。

新規求人の動きにも注意が必要です。令和8年5月の新規求人数は7,923人で、前年同月比14.7%減少しました。前月比でも14.6%減っており、採用を新たに始める企業の動きが弱まっていることがわかります。新規求人倍率は季節調整値で1.92倍となり、前月より0.22ポイント低下しました。新規求職者数は季節調整値で4,524人となり、前月比3.9%増加しています。これは、求人が減る一方で新たに仕事を探す人は増えている状態を示しています。中小企業にとっては、応募者と出会う余地が少し広がる可能性がある一方、求職者は複数の求人を比較しながら慎重に応募先を選ぶため、求人票の内容が曖昧なままでは選ばれにくくなります。給与、勤務時間、休日、残業、仕事内容、教育体制、職場の雰囲気など、求職者が不安に感じやすい情報をできるだけ具体的に示すことが大切です。

産業別に見ると、令和8年5月の新規求人は主要産業の多くで前年同月を下回りました。建設業は990人で前年同月比22.9%減、製造業は804人で5.6%減、運輸業、郵便業は515人で41.5%減、卸売業、小売業は805人で29.4%減、医療、福祉は2,314人で3.8%減、サービス業は765人で11.7%減となっています。特に運輸業、郵便業や卸売業、小売業の減少幅は大きく、事業環境の変化やコスト上昇、人員計画の見直しが採用に影響している可能性があります。一方で、宿泊業、飲食サービス業は453人で前年同月と同水準、生活関連サービス業、娯楽業は478人で23.2%増となりました。業種ごとに求人意欲の強弱が分かれており、同じ山口県内でも採用の難しさは一律ではありません。採用担当者は県全体の倍率だけで判断せず、自社の業種と職種に近い市場を見ながら、募集条件を調整する必要があります。

前年同月より100人以上減少した産業を見ると、建設業が294人減、運輸業、郵便業が366人減、卸売業、小売業が336人減、サービス業が101人減となっています。前年同月より100人以上増加した産業はありませんでした。この点は、採用市場の温度感を考えるうえで大きな材料です。多くの企業が採用に慎重になると、求人件数は減りますが、求職者がすぐに増えるとは限りません。むしろ、物価上昇や生活費の増加を背景に、転職に慎重になる在職者も出てきます。そのため、今後の採用活動では、転職を急いでいない潜在層に向けて「この会社なら安心して働けそうだ」と感じてもらう情報発信が重要になります。中小企業の場合、知名度では大企業に劣ることが多いため、会社の安定性、地域での実績、未経験者へのフォロー、社員の定着状況、柔軟な働き方を丁寧に伝えることが信頼につながります。

事業所規模別では、5人から29人規模の新規求人が3,792人で前年同月比18.8%減、30人から99人規模が2,011人で4.1%減、4人以下が1,274人で4.1%減となりました。100人から299人規模は537人で28.6%減、300人から499人規模は141人で18.5%減、500人から999人規模は66人で27.5%減、1000人以上は102人で43.6%減です。山口県では、比較的小規模な事業所でも求人の減少がみられますが、特に大きな規模の事業所で減少幅が目立ちます。これは中小企業にとって、必ずしも不利な材料ばかりではありません。大きな企業が採用を絞る時期には、地域密着型の中小企業が、働きやすさや通勤しやすさ、転勤の少なさ、経営者との距離の近さを打ち出すことで、応募者に選ばれる可能性があります。ただし、こうした魅力は自然に伝わるものではないため、求人票や採用ページで具体的に表現する必要があります。

求職者側の動きでは、令和8年5月の新規求職申込件数は4,326件で、前年同月比1.6%減でした。全体として大きく減ったわけではありませんが、前月比では29.1%減となっており、月ごとの変動も大きい状況です。常用の新規求職者を態様別に見ると、在職者は1,205人で前年同月比1.2%減、離職者は2,624人で10.8%増、無業者は485人で5.8%減となっています。離職者のうち、事業主都合は585人で5.8%減、自己都合は1,885人で10.7%増となりました。自己都合による離職者が増えている点は、採用担当者にとって見逃せません。より良い条件や働き方を求めて動く人が一定数いると考えられるため、求人情報では「なぜ自社で働く価値があるのか」を明確に示すことが大切です。賃金だけでなく、休日、勤務時間、キャリア形成、職場の人間関係、評価の透明性など、転職希望者が比較する項目を整える必要があります。

正社員採用についても慎重な分析が必要です。令和8年5月の正社員有効求人倍率は1.19倍で、前年同月より0.11ポイント低下しました。正社員の月間有効求人数は13,775人で前年同月比8.4%減、新規求人数は4,465人で10.1%減となっています。正社員求人が減っている一方で、正社員として安定して働きたい求職者は一定数存在します。中小企業が正社員を募集する場合、単に「正社員」「未経験歓迎」と書くだけでは応募につながりにくくなっています。入社後にどのような仕事を任せるのか、最初の1か月から3か月で何を覚えるのか、誰が教育するのか、昇給や賞与はどのような考え方なのかを具体的に示すことで、求職者は安心して応募しやすくなります。特に未経験者を採用したい企業は、経験よりも人柄や意欲を重視する理由を明確に伝え、選考で見るポイントをわかりやすくすることが有効です。

地域別の職業紹介主要指標を見ると、県内でも有効求人倍率に差があります。令和8年5月の全数では、山口が1.08倍、下関が1.43倍、宇部が1.22倍、防府が1.00倍、萩が1.17倍、徳山が1.26倍、下松が1.19倍、岩国が0.91倍、柳井が0.94倍となっています。県全体では1.27倍ですが、地域ごとに見ると1倍を下回る地域もあり、採用環境は場所によって大きく異なります。下関のように倍率が高い地域では、求人を出しても競合が多く、応募者の取り合いになりやすいと考えられます。一方、岩国や柳井のように1倍を下回る地域でも、職種や条件が合わなければ採用が簡単になるわけではありません。採用担当者は、勤務地ごとの通勤事情、給与水準、地元で働きたい人のニーズ、家庭との両立希望などを踏まえ、地域に合った求人内容に作り替えることが求められます。

都道府県別に見ると、令和8年5月の山口県の有効求人倍率1.27倍は、全国平均の1.17倍を上回っています。全国平均よりも求人が求職を上回る傾向が強い地域であるため、山口県内の中小企業は「求人を出せば自然に応募が来る」という考えから離れる必要があります。特に人材不足を感じている企業ほど、採用活動を単発の求人掲載で終わらせず、継続的な情報発信として捉えるべきです。採用ページを整備し、求人票では伝えきれない会社の雰囲気や働く人の姿を見せることは、応募前の不安を減らす効果があります。また、応募後の連絡が遅い企業は、せっかくの候補者を他社に奪われやすくなります。応募が入ったら早く連絡し、面接日程を柔軟に調整し、選考結果もできるだけ速やかに伝えることが、採用成功の基本になります。

令和8年5月の山口県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。まず、有効求人倍率1.27倍という数字を、人材確保が引き続き簡単ではないという警戒材料として受け止めることです。次に、新規求人が前年同月比14.7%減少している事実を踏まえ、競合が採用を抑えている間に自社の求人内容を見直すことが重要になります。そして、正社員有効求人倍率1.19倍という数字から、安定雇用を求める人に向けて、仕事内容と待遇、育成体制をわかりやすく伝える必要があります。中小企業は大手企業と同じ土俵で条件だけを競うのではなく、地域で長く働ける安心感、柔軟な勤務相談、職場の近さ、経営者や上司との距離感、仕事の裁量といった独自の魅力を言語化することが大切です。採用競争が続く中で、求人募集を効果的に行うには、求人情報の発信に加えて応募者対応や採用管理の仕組みづくりも欠かせません。求人募集や採用サイト(ATS)の活用をお考えの企業の方は、当社までお気軽にご相談ください。

⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ

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