2026年8月3日
労務・人事ニュース
2024年4月開始の熱中症特別警戒アラートとは 死亡者数2,160人を受け命を守る最新対策を詳しく解説
熱中症特別警戒アラートとは?発表時の対策と熱中症予防のポイント(政府広報オンライン)
2024年4月から、従来の熱中症警戒アラートよりもさらに危険性が高い状況を知らせる「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まりました。気温の上昇が続く中、命に関わる熱中症への備えを一層強化するための新たな仕組みとして導入されたもので、過去に例のない危険な暑さが予測される場合に発表されます。熱中症は毎年多くの救急搬送や死亡事例が発生していることから、日頃から予防方法を理解し、アラート発表時には普段以上に適切な行動を取ることが重要になります。
熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が高まると予測された日の前日午後5時頃、または当日午前5時頃に発表されます。一方、熱中症特別警戒アラートは、その危険性をさらに上回る極めて深刻な暑さが予測される場合に発表され、人の健康に重大な被害が生じるおそれがある状況として警戒が呼びかけられます。発表された際には、最新の気象情報を確認するとともに、暑さを避けるための対策を徹底することが求められます。
熱中症を防ぐためには、何よりも暑い環境を避けることが基本です。屋外だけでなく室内でも熱中症は発生するため、冷房設備を適切に使用し、快適な室温を維持することが欠かせません。エアコンを使用する際には、扇風機やサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させることで冷房効率が高まり、より快適な環境を保ちやすくなります。また、フィルターの汚れは冷房能力の低下につながるため、暑い時期を迎える前の試運転や、月に1回から2回程度の清掃も大切です。
特に注意が必要とされるのは、高齢者や子ども、持病のある人、身体に障害のある人、肥満傾向の人など、熱中症のリスクが高い人たちです。高齢者は暑さを感じにくく、体温調節機能や発汗機能も低下しやすいため、気付かないうちに症状が進行する場合があります。そのため、家族や周囲の人が積極的に声を掛け、昼夜を問わず冷房を使用しているか、水分や塩分を十分に補給しているかを確認することが大切になります。
水分補給は喉が渇いてからではなく、喉の渇きを感じる前からこまめに行うことが重要です。1日の水分補給量の目安は約1.2リットルとされ、400ミリリットルの水筒なら3本分、コップなら約6杯分に相当します。暑い日は運動をしていなくても汗をかき続けるため、水だけではなく、失われた塩分も補えるスポーツドリンクや塩分を含む食品などを状況に応じて取り入れることが勧められています。
熱中症特別警戒アラートが発表された場合には、通常の熱中症対策だけでは十分とはいえない可能性があります。このため、一人ひとりが予防行動を徹底するだけでなく、家族や近隣住民などが互いに見守りや声掛けを行うことが重要になります。また、危険な暑さを避けるため、市区町村長が指定する「クーリングシェルター」が一般開放される仕組みも整備されました。対象施設や利用できる期間は各市区町村が公表しており、暑さを避けるための避難場所として活用できます。
熱中症に関する情報は、通知サービスを利用することで見逃しを防ぐことができます。熱中症警戒アラートや熱中症特別警戒アラートの発表は無料のメール配信サービスや公式LINEによる通知でも受け取ることが可能です。外出予定がある日や高齢者がいる家庭では、こうしたサービスを活用することで早めの対策につなげられます。
暑さ対策では、暑さ指数であるWBGTを確認することも重要です。WBGTは気温だけではなく、湿度や日射、風などを含めて熱中症の危険度を示す指標です。WBGTが28以上になると熱中症による救急搬送の発生率が高まるとされ、厳重な警戒が必要になります。31以上では危険な暑さとなるため、炎天下での活動や激しい運動はできるだけ避けることが望まれます。時間帯や場所によって数値は変化するため、外出前には最新情報を確認することが大切です。
近年は熱中症による被害も深刻化しています。熱中症による死亡者数は2020年が1,528人、2021年が755人、2022年が1,477人、2023年が1,651人となり、2024年には2,160人に達しました。救急搬送者数も毎年数万人を超える状況が続いており、命に関わる重大な健康被害として社会全体で対策を進める必要があります。
万が一、熱中症が疑われる人を見かけた場合には、速やかに涼しい場所へ移動させることが重要です。衣服を緩め、体に水をかけたり、濡れたタオルを当てたりしながら体温を下げます。冷たいペットボトルや氷のうなどを首の両側や脇の下、足の付け根に当てて血液を冷やす方法も有効とされています。本人の意識がはっきりしている場合は、自分で冷たい飲み物を飲んでもらい、水分と塩分を補給します。
一方で、呼び掛けへの反応がおかしい場合や意識がない場合、自力で水分を飲めない状態では、無理に飲み物を与えてはいけません。誤って気道に入る危険があるため、速やかに救急車を要請し、医療機関で適切な治療を受けられるよう対応することが必要です。熱中症は短時間で重症化する場合があるため、早期の判断と迅速な対応が命を守ることにつながります。
子どもを車内に残すことも極めて危険です。比較的過ごしやすい最高気温27度前後の日でも、日差しが当たる車内は約48度まで上昇し、ダッシュボードは65度を超える場合があります。さらに、エアコンで車内を約25度に保っていても、エンジンを停止して約1時間放置すると車内は50度以上まで上昇することが確認されています。短時間であっても子どもを車内へ残すことは避けなければなりません。
犬や猫などのペットも熱中症になる危険があります。室内では冷房や換気を活用して暑くなりすぎないよう管理し、いつでも水が飲める環境を整えることが大切です。散歩は気温が高い時間帯を避け、夕方でも路面温度が十分下がっているか確認する必要があります。また、車内への放置は短時間であっても危険であり、十分な注意が求められます。
熱中症は正しい知識と早めの対策によって予防できる可能性が高い健康障害です。熱中症警戒アラートや熱中症特別警戒アラートが発表された際には、暑さを避ける行動や適切な水分・塩分補給を徹底し、自分自身だけでなく家族や周囲の人への声掛けや見守りも積極的に行うことが重要です。危険な暑さが予想される日は最新情報を確認しながら、命を守る行動を心掛けることが求められます。
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