2026年7月30日
労務・人事ニュース
令和8年6月の東北景気調査で判明、求人数16%減と有効求人倍率1.1倍台でも採用再開企業が増える最新動向
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最終更新: 2026年7月29日 21:02
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最終更新: 2026年7月29日 21:01
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最終更新: 2026年7月29日 15:41
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最終更新: 2026年7月29日 15:41
景気ウォッチャー調査(令和8年6月調査)― 東北(現状)―(内閣府)
令和8年6月に実施された東北地域の景気ウォッチャー調査では、地域経済は回復の兆しがみられる業種がある一方で、物価高や資材価格の上昇、消費者の節約志向などが幅広い分野へ影響を及ぼしており、業種によって景況感に大きな差が生じていることが明らかになりました。観光や一部の小売業では改善を実感する声がある一方、飲食業や衣料品販売、住宅関連では依然として厳しい状況が続いており、地域経済全体では慎重な見方が根強く残っています。
小売業では、医薬品販売店やスーパー、コンビニなどで比較的前向きな声が聞かれました。医薬品を扱う店舗では来客数や販売量が前年を上回り、売上は前年同期比113.2%と好調に推移しています。また、コンビニでは前年同期比118%まで来客数が回復した店舗もあり、プレミアム付商品券やセール施策が販売を後押ししている状況です。スーパーでも来客数や販売点数が増加し、価格上昇が続く中でも売上が前年を上回る店舗がみられました。
一方で、消費者の節約志向は依然として強く、物価高が日常生活へ与える影響は小さくありません。スーパーでは商品の価格上昇に対して消費者が敏感に反応しており、価格政策を実施しても買上点数が前年を下回る店舗がみられます。必要な商品だけを購入する傾向が続いており、高価格帯の商品よりも値頃感のある商品の需要が高まっています。衣料品専門店でもセール品や低価格商品の動きは比較的堅調である一方、高価格帯商品の販売は鈍化しており、来店を控える消費者も少なくありません。
商店街やショッピングセンターでも厳しい状況が続いています。ショッピングセンターでは売上が前年の93%、来客数が89%まで減少し、飲食店の改装による閉店店舗の増加や天候不順が来店客数に影響しました。さらに食品関連でも来店頻度が減少しており、節約志向の高まりが幅広い消費行動に及んでいます。商店街からも値上げが続く中で販売量が減少しているとの声が寄せられ、生活必需品以外への支出を抑える動きが広がっています。
観光関連では地域ごとに明暗が分かれました。自治体が発行する宿泊クーポンの効果により県内宿泊者数が増加し、観光名所でも入場者数が前年を上回る施設があるなど、一定の回復がみられています。観光土産店では地域特産品や菓子類の販売が好調との報告もあり、観光需要が地域経済を支える場面も見受けられました。しかしその一方で、都市型ホテルでは閑散期に入り国内旅行客やインバウンド需要が落ち着いているとの声もあり、観光型ホテルや旅館では客単価や来客数の減少を指摘する意見も目立っています。円安や燃油サーチャージの高騰によって海外旅行需要も低迷しており、旅行会社では販売が苦戦しています。
飲食業では消費者の外食控えが続いています。レストランでは予約状況が悪化し、来客数がゼロの日もあったとの報告がありました。賃上げが物価上昇に追い付かないことで家計の負担感が強まり、外食を控える家庭が増えています。来店客数だけでなく客単価も低下する店舗があり、飲食業界全体では厳しい経営環境が続いています。
自動車販売業界では、新型車発売による一定の受注はあるものの、金利上昇による自動車ローン利用の減少が販売の重しとなっています。来店目的は点検や整備が中心となり、新車購入を検討する来店客は減少しています。配車の遅れによって受注が売上へ結び付かないケースもあり、販売店では受注環境の改善を待つ状況が続いています。
住宅関連では住宅市場の停滞感が続いています。住宅販売は弱含みで推移する一方、非住宅案件が支えとなっているとの見方もあります。リフォーム市場では資材価格の高騰や調達遅延が工事スケジュールへ影響を与えていますが、省エネ基準改正を控えたエアコン需要は引き続き堅調に推移しています。
企業活動では一部の製造業や建設業で明るい材料もみられました。半導体関連の需要拡大を背景に輸送用機械器具製造業では受注が増加しており、建設業でも大型工事の受注が進んでいます。しかし、人手不足の影響から受注を増やしたくても対応できない企業も存在します。資材価格の高騰や部材供給の遅れも続いており、中小企業を中心に利益率の低下や工事着手の遅れが課題となっています。
物流や食品製造業では、物価高や原材料価格の上昇が収益を圧迫しています。販売価格へ十分に転嫁できず利益が減少している企業も多く、輸送業では燃料費や人件費、車両費の上昇に運賃改定が追い付いていない状況です。出版・印刷関連や窯業などでは受注減少が続いており、地域によって企業活動の温度差が大きくなっています。
雇用情勢では採用市場にも変化がみられています。一時は先行き不透明感から採用活動を停止していた製造業や飲食業、卸売業などでは、事業環境の見通しが改善したことで採用を再開する企業が増えています。しかし全国的に採用者数は前年を下回る状況が続いており、人手不足があっても不足分をすべて採用で補うのではなく、業務効率化やITツールの活用によって対応する企業が増えています。その結果、採用基準は以前より厳格になり、求職者とのマッチングにも変化が生じています。
求人市場では厳しい数字も確認されています。職業安定機関では求人数が前年を下回る状況が続き、3か月前と比較しても16%減少しています。また、新規求人数は前年同月比で3か月連続の減少となり、有効求人倍率も1.1倍台へ低下しました。有効求人倍率は6か月連続で前年を下回り、全体として弱含みで推移しています。有効求職者数は微増している一方で、有効求人数は減少しており、採用市場には慎重な姿勢が広がっています。
求人広告市場でも変化が現れています。企業広告や求人広告の掲載件数は減少傾向が続いており、原材料価格や人件費の上昇によって広告予算を削減する企業が増えています。また、専門学校にも前年より求人数が減少しているとの報告があり、新卒採用市場にも一定の影響が及び始めています。卸売・小売業では採用意欲の低下がみられる一方、製造業では半導体関連を中心に採用需要が維持されるなど、業種による違いも鮮明になっています。
今回の調査からは、東北地域では観光や一部の小売業、半導体関連産業などで改善の動きがみられる一方、物価高や資材価格の上昇、消費者の節約志向が地域経済全体へ幅広く影響していることが確認されました。企業の採用活動についても、人材不足という課題は変わらないものの、求人数や有効求人倍率は弱含みで推移しており、企業は採用人数だけでなく採用の質や業務効率化を重視する局面へ移行しています。今後は物価や国際情勢、半導体関連産業の動向が東北地域の景気や雇用環境にどのような影響を与えるのかが引き続き注目されます。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


