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2026年8月9日

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2026年7月成立、公布後9か月以内に施行される電気事業法改正で送電網整備と電力人材の採用需要に注目

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「電気事業法の一部を改正する法律案」が成立しました(経産省)

2026年7月21日、電力の安定供給やエネルギー安全保障の強化を目的とする「電気事業法の一部を改正する法律」が成立したことが発表されました。改正法案は2026年7月17日に参議院本会議で可決され、大規模な送電線や発電設備の整備促進、電力取引の環境整備、太陽電池発電設備の安全性向上などを進めるための新たな制度が盛り込まれています。

今回の法改正の背景には、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化に伴う国際的なエネルギー情勢の変化があります。海外からの燃料調達を取り巻く不確実性が高まる一方、国内ではデジタル化や脱炭素化の進展によって、今後の電力需要が増加すると見込まれています。こうした状況に対応し、必要な電力を安定的に確保できる体制を整えることが改正の大きな狙いです。

改正法では、大規模な発電設備や地域内送電線の整備を資金面から支援する仕組みが新たに設けられます。大規模発電事業者が作成する発電設備の整備計画や、送配電事業者などが作成する地域内送電線の整備計画を国が認定し、必要な資金を貸し付けられる制度とする方針です。財政投融資などを活用することで、長期かつ大規模な設備投資を後押しします。

地域をまたいで電力を送る地域間送電線についても、整備資金の供給を拡充します。これまで実施されてきた認定計画に基づく資金貸付制度の原資を、財政投融資などによって増やす仕組みです。電力需要の増加や発電地域の変化に対応するには、必要な場所へ電力を届ける送電網の整備が欠かせないため、発電設備と送電線の双方を一体的に強化していく内容となっています。

広域的な電力取引で生じる値差収益については、国庫へ納付したうえで、地域間送電線や地域内送電線の整備などに活用する制度が導入されます。値差収益とは、北海道や東京など異なる供給区域を越えて電力を売買する際、区域ごとの取引価格の違いによって生じる差額です。この資金を送電網の整備へ充てることで、広域的な電力融通を支える設備の拡充につなげます。

大規模な発電設備の休止や廃止に関する手続きも見直されます。大規模発電事業者が設備を休廃止する際には、送配電事業者などと事前に協議することが求められます。大規模電源の停止は地域の供給力や送電網の運用に影響を及ぼす可能性があるため、関係者間で早い段階から情報を共有し、安定供給に必要な対応を検討できるようにします。

小売電気事業を適正に運営するための規定も強化されます。小売電気事業者の登録を取り消すことができる事由として、一定期間にわたる事業の休止などが追加される予定です。登録だけを維持して実質的な事業活動を行っていない事業者などに対応し、小売電気事業の安定的かつ持続的な運営環境を整えることが目的となります。

電力取引市場に関する監督制度も拡充されます。現在の翌日市場に加え、将来の安定供給を確保するうえで重要となる中長期市場や、電力の需要と供給の差を調整する需給調整市場について、各取引所を国が指定し、監督できるようにします。取引市場の信頼性や透明性を確保しながら、電力の売買を円滑にするための制度整備が進められます。

太陽電池発電設備の安全対策では、設備を支える構造物などについて、第三者機関による工事前の適合性確認を受ける仕組みが導入されます。設計の不備による事故を防ぐため、工事に着手する前の段階で技術基準を満たしているかを確認する制度です。設備の設置後に問題が判明するリスクを抑え、安全性を高める措置として位置付けられています。

製品や施工の不良などにより、設備の設置者だけでは事故原因の究明や再発防止が難しい場合に備えた規定も設けられます。製造、輸入販売、工事に関わる事業者へ必要な協力を求められるようにし、事故の原因調査や改善策の検討を進めやすくします。関係する事業者が情報を共有し、設備の安全確保に取り組める体制を整える内容です。

今回成立した改正法は、一部の規定を除き、公布後9か月以内に施行されます。具体的な施行日は今後定められますが、対象となる発電事業者や送配電事業者、小売電気事業者、太陽電池発電設備の製造や施工に関わる事業者は、新制度への対応が必要になります。設備投資や安全確認、事業運営の手続きに関する準備を進めることが重要です。

電力需要の増加が見込まれる中、安定供給を維持するには、発電能力の確保だけでなく、地域を越えて電力を運ぶ送電網、適正な取引市場、安全な発電設備を総合的に整える必要があります。今回の改正は、資金支援、事前協議、市場監督、安全確認という複数の仕組みを通じて、電気事業の安定的で持続可能な発展を支える制度改正となります。

企業にとっては、電力インフラの整備や設備の安全管理に関わる技術者、施工管理、保守点検、市場運営、法令対応など、幅広い業務への影響が想定されます。採用担当者には、公布後9か月以内の施行を見据え、新たな制度に対応できる専門知識や実務経験を持つ人材の確保、既存社員への教育体制の整備などを検討することが求められそうです。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ

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