2026年9月23日
労務・人事ニュース
日本の実質賃金2.6%増 2026年7月、アメリカ時給は0.2%減
毎月勤労統計調査 2026(令和8)年7月分結果速報 各国公表による主要国の実質賃金(厚労省)
2026年7月分の主要国の実質賃金をみると、日本は前年同月比2.6%増となりました。アメリカは時給ベースで0.2%減、週給ベースでは0.1%増となり、同じ7月でも国や賃金の捉え方によって異なる動きが表れています。
日本の実質賃金は2026年1月に前年同月比1.0%増となった後、2月2.1%増、3月1.6%増、4月2.2%増、5月1.8%増、6月2.3%増と推移し、7月は2.6%増まで伸びました。
2026年に入ってから日本の実質賃金は7月まで7か月連続で前年同月を上回っています。2025年12月も0.3%増だったため、今回示された時系列では2025年12月から8か月続けてプラスとなりました。
前年の2025年7月は、日本の実質賃金が0.3%増でした。2026年7月の2.6%増は前年同月よりプラス幅が大きくなっており、2026年前半の中でも7月が最も高い伸び率となっています。
年平均で見ると、日本は2022年に0.5%減、2023年に2.0%減、2024年は前年と同水準、2025年は0.8%減でした。年単位では伸び悩む時期が続いていただけに、2026年の月次推移は異なる動きを示しています。
アメリカの2026年7月は、実質時給が前年同月比0.2%減となりました。一方、実質週給は0.1%増で、時給と週給の方向が分かれています。賃金を比較する際には、どの指標を使っているかを確認する必要があります。
アメリカの実質時給は1月1.2%増、2月1.2%増でしたが、3月は0.2%増まで縮小しました。4月は0.3%減、5月は0.8%減、6月は前年同月と同水準となり、7月は再び0.2%減です。
一方、実質週給は1月1.8%増、2月1.5%増、3月0.1%増と推移しました。4月0.2%減、5月0.5%減となった後、6月は0.2%増、7月も0.1%増となり、小幅ながらプラスを維持しています。
イギリスについては2026年7月の数値が示されておらず、確認できる最新値は6月の前年同月比1.1%増です。1月1.5%増、2月0.7%増、3月1.2%増、4月1.6%増、5月0.7%増と、2026年前半はプラスが続きました。
ドイツも2026年7月は数値が掲載されておらず、最新は6月の1.5%増となっています。1月1.9%増、2月1.7%増、3月1.8%増、4月1.6%増、5月0.8%増と、2026年は6月まで前年同月を上回りました。
2025年の年平均では、日本が0.8%減だったのに対し、アメリカは時給と週給がともに1.2%増でした。イギリスは0.9%増、ドイツは1.9%増となり、日本だけがマイナスだったことが分かります。
さらに2024年の年平均では、日本が前年と同水準、アメリカの時給が1.0%増、週給が0.6%増でした。イギリスは2.0%増、ドイツは2.9%増となっており、主要国の中でも実質賃金の動きには差があります。
ただし、各国の数字を単純に順位として比較することには注意が必要です。実質賃金を算出するための給与指標や物価指数、対象となる産業、季節調整の有無などが国によって異なっているためです。
日本は名目の現金給与総額を消費者物価指数の総合で除して実質化しています。この国際比較では物価指数に帰属家賃を含むため、別の賃金表で示される実質前年比とは数値が異なる場合があります。
アメリカは民間非農業部門を対象とし、実質時給と実質週給をそれぞれ示しています。消費者物価指数を用いて実質化した季節調整済みの数値であり、同じ国でも時給と週給で伸び率が一致するとは限りません。
イギリスは全産業の平均週給を用いた季節調整済みの指標です。一方、ドイツは全産業の平均月給をもとにしており、季節調整を行っていません。比較する給与の単位そのものにも違いがあります。
今回の数字は2026年8月28日18時時点で確認された各国公表値で、後から遡って改訂される場合があります。特にイギリスとドイツは7月分がまだ示されていないため、日本やアメリカと同じ月での比較はできません。
企業の採用担当者にとって、実質賃金は提示する給与額だけでは分からない労働者側の購買力を考える手掛かりになります。名目賃金が上昇していても、物価上昇がそれを上回れば実質的な賃金水準は低下するためです。
2026年7月の日本は実質賃金が2.6%増となり、少なくとも今回示された2026年1月以降では最も高い伸びでした。前年までの年平均とは異なる動きが続いている点は、賃金設定を考えるうえでも注目されます。
ただし、海外との待遇比較では伸び率だけを見るのではなく、各国で異なる賃金指標や物価指数の定義を踏まえることが重要です。今回の結果は、賃金の実質的な変化を時系列と国別の両面から確認する材料となります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


