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2025年9月18日

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令和8年3月卒予定 新潟県内の高卒求人が9,169人に増加、就職希望者減少で売り手市場に突入(令和7年6月末現在)

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令和8年3月 高等学校新規卒業予定者(令和7年6月末現在)(新潟労働局)


この記事の概要

新潟労働局は令和8年3月に高等学校を卒業する新規求職者の求人状況について、令和7年6月末時点の統計を発表しました。それによると、県内の就職希望者数は前年より219人減少し、2,349人となった一方で、県内の求人数は9,169人と前年比で190人増加しました。業種別では建設業や医療・福祉業などで求人が増加する一方、製造業や宿泊業では減少が見られ、地域経済と産業構造の変化が反映されています。


新潟労働局職業安定課が令和7年6月末現在で取りまとめた調査によると、令和8年3月に高等学校を卒業する予定の新規求職者に関する求人動向において、いくつかの注目すべき変化が明らかとなりました。まず、県内の就職希望者数は2,349人となり、前年同時期の2,568人と比較して219人の減少となりました。これは前年比で8.5%のマイナスであり、近年続いている若年人口の減少や進学希望の増加、地元以外への就職志向の高まりが背景にあると考えられます。一方で、県内における求人総数は9,169人で、前年の8,979人から190人増加しました。増加率は2.1%であり、求職者数が減る中でも県内企業の人材確保への意欲が引き続き強いことを示しています。

産業別に求人の傾向を詳しく見ると、建設業では前年比で131人増の2,506人となり、増加率は5.5%でした。高齢化が進む中で公共インフラの維持管理や地域開発の需要が高まっており、若年層の担い手確保が急務となっていることが伺えます。運輸業も前年の463人から569人へと求人が増加し、増加率は22.9%に達しました。物流業界では依然として人手不足が深刻であり、特に免許取得済みの若年層へのニーズが強まっています。

一方、製造業においては求人数が前年の3,058人から2,950人に減少し、108人のマイナスで3.5%の減少率となっています。とりわけ食品製造業では33人減少し632人となり、化学工業では42人の減少、金属製品では45人の減少が見られました。半面、汎用機械器具の分野では41人増の247人、電子部品などでも微増が見られ、分野によって需要にばらつきがある状況が確認されました。

卸売・小売業では前年から79人増加し、1,148人となり、7.4%の増加となりました。コロナ禍を経て経済活動が再開される中で、小売・流通分野の人材確保ニーズが回復基調にあることが示されています。医療・福祉業界も求人数が530人と、前年の455人から75人増加しており、16.5%の増加率となっています。高齢化社会の進行により、介護や医療現場での人材確保は依然として喫緊の課題です。

一方で、大きく減少が見られたのが宿泊業・飲食サービス業であり、前年の207人から149人へと58人の減少となりました。これは28%という非常に大きなマイナスであり、業界の不安定な労働環境や待遇への懸念が若年層に敬遠されている可能性があります。また、生活関連サービス・娯楽業でも求人が減少しており、産業構造の変化と雇用のミスマッチがより深刻になってきていることが浮き彫りとなっています。

このようなデータは、企業の採用担当者にとって重要な判断材料となります。まず、求人倍率が大きく上昇していることから、企業がより魅力的な条件を提示しなければ人材を確保しにくい状況にあるといえます。就職希望者の数が減少している以上、優秀な若年人材の争奪戦が激化することは避けられず、賃金や労働環境、キャリア支援体制などを見直す必要があります。

また、特定業種において求人が伸びている反面、別の業種では大幅な減少が見られるなど、産業全体の再編や地域経済の変化に企業は柔軟に対応する必要があります。製造業のように一部の分野で求人が落ち込む中でも、専門性の高い分野では堅調な需要が続いており、職種別やスキルレベル別の採用戦略が求められる時代に入っています。

さらに、求人が増加している業種の中には、労働環境の厳しさが課題とされている分野も多く、単に採用人数を増やすだけでなく、離職率の抑制や職場改善にも取り組む必要があります。特に医療・福祉や建設業では、長時間労働や肉体的負担の大きさが離職の原因となっており、労働条件の改善と職場環境の整備が不可欠です。

このような現状を踏まえると、企業は従来の採用活動を単なる人員補充から、組織全体の成長と発展を支える戦略的な人材獲得へとシフトする必要があります。採用活動は、単なる人材の確保ではなく、いかに将来を担う人材を自社に引き込むかという長期的視点が重要となってきます。若年層のキャリア意識は多様化しており、単に安定性や給与だけでなく、自己成長や社会貢献、職場の雰囲気などを重視する傾向があります。そのため、企業は自社の魅力を明確にし、それを的確に伝える努力が不可欠です。

また、学校や教育機関との連携強化も今後の鍵となります。高等学校側も、生徒のキャリア形成を支援する立場から、企業との情報交換を重視しており、インターンシップや職場見学などの機会を通じて、相互理解を深める取り組みが増えています。企業にとっても、早期からの接点構築が将来の採用に結びつく可能性があるため、積極的なアプローチが求められます。

令和8年3月卒の新卒者に関する求人状況は、単なる統計データにとどまらず、新潟県内の雇用環境と経済の動向を示す重要な指標です。就職希望者の減少と求人の増加という構図は、働く人の価値がますます高まっていることを意味し、今後の人材戦略においてもその点をしっかりと認識する必要があります。

この記事の要点

  • 新潟県内の高卒就職希望者数は前年比219人減の2,349人
  • 求人総数は9,169人で前年から190人増加、増加率は2.1%
  • 建設業や運輸業、医療・福祉業で求人が大きく増加
  • 製造業全体では求人が減少、業種内でばらつきがある
  • 宿泊業・飲食サービス業は前年比で28%の大幅減
  • 採用環境は売り手市場に移行しつつあり、企業は待遇改善が必要
  • 若年層の価値観変化に対応した人材戦略が求められている
  • 学校との連携強化が今後の採用成功の鍵となる

⇒ 詳しくは新潟労働局のWEBサイトへ

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