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2025年10月20日

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病床数が前年比11,338床減、地方勤務希望者に求められる医療インフラ(令和6年 医療施設(動態)調査・病院報告)

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令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚労省)


この記事の概要

厚生労働省が令和6年の「医療施設(動態)調査」と「病院報告」の年次結果を発表しました。調査では、全国の病院・診療所の施設数や病床数、診療科の変化、そして患者数や病床利用状況が明らかにされました。病院数の減少傾向や外来患者数の減少、平均在院日数の短縮など、医療提供体制に関する最新の実態が詳しく示されています。


厚生労働省が公表した令和6年の「医療施設(動態)調査」および「病院報告」の年次結果によると、日本国内の医療提供体制には依然として大きな変化が見られています。調査は、病院や診療所といった医療施設から毎月提出される開設・廃止の申請・届出に基づき、全国の都道府県や保健所設置市、特別区からの報告を集計することで実施されました。この調査により、医療施設数や病床数、診療科目ごとの変化、さらには患者数や平均在院日数といった実態が詳細に分析されています。

まず、全国の病院数は8,060施設となり、前年と比べて62施設の減少が確認されました。病床数も1,469,845床で、こちらも11,338床減少しています。これに対し、一般診療所は105,207施設となり、前年より313施設増加しましたが、病床数は72,451床で3,329床の減少が見られました。歯科診療所は66,378施設で、前年から440施設の減少となりましたが、病床数はわずかに4床増加しています。

診療科目別では、小児科を標ぼうする一般病院が2,427施設で、前年から29施設減少しており、少子化の影響や小児医療の再編が進んでいる可能性が考えられます。また、産婦人科または産科を掲げる病院は1,245施設となり、9施設減少しました。こうした診療科の減少傾向は、地域医療の偏在や人材確保の難しさとも関連しており、将来的な医療アクセスの格差が懸念されます。

病院における患者数に関する報告では、1日平均の在院患者数が1,133,196人と、前年と比べて9,542人の増加が確認されました。これは0.8%の上昇に相当し、入院需要の高まりが継続していることを示しています。一方で、1日平均の外来患者数は1,212,243人で、前年より21,460人減少し、1.7%の減少となりました。外来患者数の減少は、オンライン診療や地域医療への分散、予防医療の浸透など複数の要因が影響している可能性があります。

平均在院日数は25.6日で、前年と比べて0.7日短縮されました。これは医療の効率化や回復期医療への転院促進、または在宅医療への移行が進んでいることを反映していると考えられます。医療の質の維持と効率性を両立させる施策が一定の成果を上げていることがうかがえます。

こうした医療体制の変化は、企業の採用活動にも間接的に影響を及ぼします。例えば、産婦人科や小児科の減少は、若い世代が安心して子育てできる環境の整備に課題があることを示唆しており、企業においても育児支援制度の強化や、子育てと仕事の両立を支援する体制が求められます。また、外来患者数の減少や在院日数の短縮が進む中で、健康経営の観点からも予防医療や定期健康診断の充実、従業員の健康意識を高める取り組みが今後さらに重要になります。

さらに、医療施設の偏在や病院数の減少は、地域間での医療格差を生む可能性があり、地方での事業展開や拠点配置においても、医療体制の充実度が人材確保や職場定着率に直結する重要な要素となるでしょう。企業はこのような社会的背景を理解し、医療・福祉インフラとの連携を強めることで、より持続可能で働きやすい職場環境を実現することが期待されます。

この記事の要点

  • 病院の施設数は前年より62施設減の8,060施設
  • 病床数は11,338床減少し、1,469,845床となった
  • 小児科の病院は前年から29施設減少して2,427施設に
  • 産婦人科・産科の病院は1,245施設で、9施設減少
  • 1日平均在院患者数は1,133,196人で0.8%増加
  • 1日平均外来患者数は1,212,243人で1.7%減少
  • 平均在院日数は前年より0.7日短くなり25.6日

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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