2025年10月25日
労務・人事ニュース
令和7年8月富山県の有効求人倍率1.50倍が示す長期的人材育成と定着の重要性
- 地元密着・福岡県北九州市内の訪問看護のお仕事/即日勤務可
最終更新: 2025年10月24日 10:03
- 診療放射線技師/福岡県/直方市
最終更新: 2025年10月24日 06:33
- 訪問看護業務/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年10月24日 10:03
- 非常勤・病院・クリニックの看護師/即日勤務可/週4日以下/シフト
最終更新: 2025年10月24日 10:03
富山労働市場ニュース(令和7年8月)(富山労働局)
この記事の概要
令和7年8月の富山県における有効求人倍率は1.50倍で、前月から0.02ポイント低下しました。新規求人倍率も2.40倍とやや減少し、求人が求職を上回る状況は続くものの、労働市場はやや落ち着きを見せています。産業別では製造業や宿泊業で求人減が見られる一方、医療・福祉やサービス業では求人増が続き、企業の採用戦略に柔軟な対応が求められています。
令和7年8月、富山労働局が公表した職業安定業務統計によれば、県内の有効求人倍率は1.50倍となり、前月の1.52倍からわずかに低下しました。12か月ぶりの低下であり、労働市場が持ち直し基調からやや足踏みしていることがうかがえます。有効求人数は23,138人で前月比1.5%減となり、6か月ぶりの減少となりました。一方、有効求職者数は15,474人で前月比0.1%増と微増にとどまりました。求人が求職を上回る状態は依然として続いているものの、需給バランスは変化の兆しを見せています。
新規求人倍率も2.40倍と前月比0.08ポイント低下し、2か月ぶりの減少となりました。新規求人数は前年同月比で2.8%増加したものの、新規求職者数は3.8%減少しており、求人意欲は維持されつつも求職側の動きが鈍化していることが読み取れます。
産業別に見ると、医療・福祉分野は前年同月比で117人増加し8%の増加、サービス業も139人増加し20.1%の増加と堅調でした。特に介護や福祉関連の求人は高齢化社会の進展を背景に安定的に増加しており、地域における雇用吸収力を高めています。一方、製造業は41人減少し3.4%の減少、宿泊業・飲食サービス業は41人減少し12.9%の減少となり、景気動向や観光需要の影響を受けやすい業種での雇用環境の弱さが浮き彫りとなりました。
正社員有効求人倍率は1.48倍で、前年同月より0.12ポイント上昇しており、10か月連続で改善が見られています。正社員の有効求人数は12,423人で前年同月比3.9%増加したのに対し、正社員の有効求職者数は8,398人で4.6%減少しました。これは安定雇用を求める人材よりも正社員求人の増加ペースが上回っていることを示しており、企業側の正社員採用ニーズが引き続き強いことを物語っています。
年齢別の新規求職者動向を見ると、24歳以下の若年層は前年同月比で7.5%減少し、35歳から44歳の中堅層も7%減少しました。これに対して60歳以上は11.6%増加しており、高齢者層の就業意欲が引き続き高まっています。採用担当者にとっては、若年層の減少を補うためにシニア人材を積極的に戦力化する視点が求められます。
就業地別の有効求人倍率を見ると、富山県は全国で2位となる1.67倍を記録しました。全国平均の1.20倍を大きく上回る水準であり、地域の労働需要の強さを示しています。特に製造業が集中する地域や医療福祉施設の多い地域で倍率が高く、地域特性に応じた採用戦略が必要です。
E-E-A-Tの観点から考えると、経験(Experience)として採用現場で感じられる課題は「応募が集まらない業種の偏り」です。製造業や宿泊業は求人を出しても人材確保が難しく、これを補うために職場環境改善や柔軟な働き方の導入が有効です。専門性(Expertise)の面では、業界ごとの求人動向を分析し、例えば医療福祉業界では資格取得支援制度を打ち出すなどの工夫が必要です。権威性(Authoritativeness)については、労働局や厚生労働省のデータに基づく戦略を提示することで、経営層を納得させやすくなります。信頼性(Trustworthiness)に関しては、求職者に誠実かつ具体的な職場情報を提供し、安心して応募してもらう姿勢が企業ブランドの向上につながります。
採用担当者はこの数字を単なる倍率として捉えるのではなく、背景にある産業構造や人口動態の変化に注目すべきです。若年層の減少やシニア層の増加といった労働力構成の変化を踏まえ、採用ターゲットを柔軟に広げると同時に、採用後の定着を重視する施策が重要です。教育・研修制度を充実させ、キャリア形成を支援する取り組みは、ミスマッチを減らし長期的な雇用安定につながります。
この記事の要点
- 令和7年8月の富山県の有効求人倍率は1.50倍で前月から0.02ポイント低下
- 新規求人倍率は2.40倍でやや減少、求職者数は微増
- 医療・福祉やサービス業では求人増加、製造業や宿泊業では求人減少
- 正社員有効求人倍率は1.48倍で10か月連続上昇
- 若年層の新規求職者は減少、高齢層は増加し労働力構成が変化
- 就業地別有効求人倍率は1.67倍で全国2位の高さを維持
⇒ 詳しくは富山労働局のWEBサイトへ


