2025年10月30日
労務・人事ニュース
令和7年8月 和歌山県の有効求人倍率1.07倍 採用市場の変化と今後の戦略
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最終更新: 2025年10月30日 01:01
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最終更新: 2025年10月29日 21:00
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最終更新: 2025年10月30日 01:01
一般職業紹介状況(令和7年8月分)(和歌山労働局)
この記事の概要
令和7年8月、和歌山県の有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍となり、前月に比べて0.05ポイント低下しました。求人数が減少し、求職者が増加するという動きが確認され、雇用の持ち直し傾向に弱さが見られました。求人が求職を上回る状況は続いているものの、企業の採用活動には慎重さが必要な局面に入っています。本稿では、和歌山労働局が発表した最新データを基に、企業の採用担当者がどのように求人倍率を読み解き、今後の採用戦略を立てるべきかを詳しく解説します。
令和7年8月の和歌山県の有効求人倍率は1.07倍で、前月比0.05ポイント低下しました。前月まで続いていた持ち直し傾向が一服し、求人側の動きにやや鈍化が見られます。これは有効求人数が15,803人と前月比2.5%減少した一方で、有効求職者数が14,790人と2.0%増加したことが背景にあります。新規求人倍率も1.81倍(前月比0.14ポイント低下)と2か月ぶりの減少となり、採用市場の勢いに陰りが見られました。
和歌山労働局の分析によれば、雇用情勢は「求人が求職を上回る状況が続いているが、持ち直しの動きに弱さがみられる」とされています。つまり、全体としては依然として求人超過の状態が続いているものの、企業の採用意欲はやや慎重になりつつあり、今後の経済情勢によっては求人減少が続く可能性があります。
新規求人(原数値)は5,165人で、前年同月比5.5%減少しました。3か月連続の減少であり、特にパートタイム求人が9.3%減と大きく落ち込みました。常用求人も2.2%減となっており、全体的に採用の手控えが見られます。こうした背景には、原材料価格の上昇や人件費の増加が影響しており、中小企業を中心に採用コストの最適化を図る動きが進んでいることが考えられます。
一方、有効求職者数(原数値)は14,642人で前年同月比1.7%増、新規求職者数は2,688人で6.0%増となり、求職活動がやや活発化しています。特に離職者数が前年同月比9.2%増の1,755人となり、転職希望や職場環境の見直しを求める動きが強まっています。物価上昇に伴う生活コスト増加により、より高待遇の職場を求める層が増えていることも影響しているとみられます。
産業別に見ると、増加が見られたのは学術研究・専門・技術サービス業(前年同月比54.4%増)と運輸業・郵便業(同13.4%増)でした。特に専門職分野では企業のデジタル化推進や新技術導入を背景に、高度人材の需要が拡大しています。一方で、医療・福祉(同▲8.4%)、卸売・小売業(同▲12.0%)、生活関連サービス・娯楽業(同▲28.0%)などでは求人が減少しました。医療・介護分野では慢性的な人手不足が続く一方で、現場の人員確保が難しく、採用の長期化が進んでいます。
職種別の傾向としては、製造業と建設業の求人がやや持ち直しているものの、依然として不安定な状況です。建設業の新規求人は400人(前年同月比▲21人)で微減にとどまりましたが、季節要因に左右されやすい業種であることから、今後の動向を慎重に見極める必要があります。製造業は626人(前年同月比▲44人)で、機械や部品製造の求人が減少しましたが、電気・電子分野では堅調な需要が続いています。
また、宿泊業・飲食サービス業の求人は395人で前年同月比▲67人(▲14.5%)と減少しました。観光需要は一定の回復を見せているものの、物価上昇による消費マインドの低下が影響しており、サービス業全体では採用活動の抑制が続いています。医療・福祉分野では1,456人の求人があり、全体の28.2%を占める最大の雇用分野となっていますが、求人の多さとは裏腹に、採用の難易度が高い構造的課題が続いています。
正社員の有効求人倍率(原数値)は0.90倍で、前年同月比0.04ポイント上昇しました。正社員求人は7,109人で前年同月比1.3%増加し、求職者数は7,909人で3.1%減少しました。企業の中には非正規雇用中心の採用から正社員雇用へのシフトを進める動きも見られ、安定した労働力確保を重視する傾向が強まっています。
採用担当者にとって、この「1.07倍」という数字は単なる指標ではなく、労働市場の変化を示す重要なメッセージと捉えるべきです。有効求人倍率が1倍を上回っているということは、依然として「求人が多く求職者が少ない」構造が続いていることを意味しますが、数値の低下が示すのは、採用競争の「質的変化」です。単に募集をかけるだけでは人が集まりにくくなっており、企業は自社の魅力を明確に打ち出し、応募者に選ばれる戦略を取ることが求められます。
採用担当者が注視すべきは、求人倍率の変化と同時に求職者の動向です。離職者の増加は、労働者が働き方や職場環境に敏感になっていることを示しています。これを裏返せば、企業が柔軟な勤務形態や明確なキャリア形成支援を提示することで、優秀な人材を惹きつけるチャンスでもあります。特に、若年層や中堅層ではワークライフバランスを重視する傾向が強まっており、採用活動では給与水準だけでなく、職場文化や働き方の多様性を訴求することが効果的です。
さらに、和歌山県のような地方圏では、地域密着型の採用が重要です。都市部への人材流出を防ぐためには、地域社会との結びつきを前面に出し、「地元で働く意義」を伝えることが欠かせません。地元企業が地域経済を支える存在としての自負を持ち、地域活性化や社会貢献に取り組む姿勢を明確に発信することが、採用ブランディングの要となります。
今後の採用活動においては、オンライン活用の拡充も鍵となります。ハローワークインターネットサービスの利用者が増加しており、求職者は来所せずとも求人を検索・応募できる時代になりました。採用担当者は、求人票の記載内容や情報更新の頻度、応募後のレスポンス速度など、デジタル上の“体験価値”を磨く必要があります。これにより、応募者の信頼を高め、採用成功率を向上させることができます。
総じて、令和7年8月の和歌山県の有効求人倍率1.07倍という数字は、企業にとって採用活動を見直す転機を示しています。採用担当者は、数値の変動を単なる景気指標として捉えるのではなく、求職者の心理と市場構造の変化を踏まえた「戦略的採用」を行うことが求められます。採用の目的は人員確保にとどまらず、長期的な企業価値を高める人材投資へと進化していくべき時代に来ているのです。
この記事の要点
- 令和7年8月の和歌山県有効求人倍率は1.07倍で前月比0.05ポイント低下
- 有効求人数は15,803人で減少、有効求職者数は14,790人で増加
- 新規求人倍率1.81倍で採用意欲の鈍化が明確に
- 医療・福祉分野が最大の求人割合28.2%を占める
- 離職者の増加と転職活動の活発化が目立つ
- 採用戦略は量から質へ、企業ブランディングと柔軟な働き方が鍵
⇒ 詳しくは和歌山労働局のWEBサイトへ


