2025年11月3日
労務・人事ニュース
休眠会社・休眠一般法人の整理作業が令和7年度も実施
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休眠会社・休眠一般法人の整理作業について(法務省)
この記事の概要
法務省は、令和7年度も全国で「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」を実施する。登記が長期間行われていない会社や一般法人を対象に、公告日である令和7年10月10日から2か月以内に必要な登記や届出をしない場合、事業継続中であっても「みなし解散」として職権登記される。過去には最大で9万件超の会社が解散扱いとなった年度もあり、登記放置の注意喚起が求められている。
法務省は、登記が長期間更新されていない「休眠会社」および「休眠一般法人」を整理するため、令和7年度の「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」を全国で実施することを発表した。この作業は、商業登記制度の信頼性を維持し、実体のない法人が登記上残ることで生じるトラブルや犯罪悪用を防ぐことを目的として行われる。
商業登記制度は、会社や法人の名称・所在地・代表者などの基本情報を登記簿に記載し、社会的信用の確保と取引の安全を担保する仕組みである。会社法および一般法人法では、登記事項に変更があった場合、2週間以内に変更登記を行う義務が定められている。しかし、登記の放置が続くと、実体がない法人が登記簿上に残り、詐欺や資金洗浄などに悪用されるリスクが生じる。このため、法務省では1974年(昭和49年)以降、定期的に「休眠会社整理作業」を行っており、平成26年度以降は毎年実施している。
休眠会社とは、最後の登記から12年以上が経過している株式会社を指す。一方、休眠一般法人とは、最後の登記から5年以上経過している一般社団法人または一般財団法人をいう。これらが令和7年10月10日時点で該当する場合、12月10日までに「役員変更などの必要な登記」または「まだ事業を廃止していない旨の届出」を行わなければ、12月11日付で解散したものとみなされ、登記官が職権で「解散登記」を行う。これは、実際に事業を継続している場合でも例外なく適用される。
「みなし解散」により登記上は会社が消滅するが、もし誤って整理対象となった場合でも、3年以内であれば再開が可能である。株式会社は株主総会の特別決議、一般社団法人や一般財団法人は社員総会または評議員会の特別決議によって継続を決定し、2週間以内に継続登記を申請することで法人格を回復できる。
法務省が公表した統計によると、直近の令和6年度には、全国で26,885社の株式会社と1,994法人の一般法人がみなし解散となった。これは、整理作業を再開した平成26年度以降で16回目の実施であり、これまでに累計で約70万社以上の休眠会社が解散扱いとなっている。中でも第3回(昭和59年)は過去最多の93,018社が対象となり、登記放置の深刻さが明らかになった。
なお、公告は毎年10月に官報で行われ、同時に対象法人に通知書が送付される。通知書が届かない場合でも、公告後2か月以内に対応がなければ自動的に解散登記が進むため、法務省は注意を呼びかけている。届出を行う場合は、登記所からの通知書に添付された「届出書」を利用し、必要事項(商号・本店所在地・代表者名など)を記入のうえ提出する。代理人を通じて提出する場合は委任状の添付が必要となる。
また、届出や登記を行わない場合には、会社法第976条や一般法人法第342条に基づき、代表者が裁判所から100万円以下の過料を科される可能性もある。特に、役員の任期満了後に再任登記を行っていないケースが多く見られ、法務省は「再任であっても登記は必要」として、企業や団体に注意を促している。
この整理作業の目的は、登記簿の正確性を保ち、企業情報を信頼できる形で社会に公開することにある。放置された登記情報は、第三者が誤認して取引を行うなどのリスクを高めるだけでなく、実体のない会社が犯罪の温床となる可能性がある。登記を定期的に更新することは、企業の信用を守る基本的な義務であり、結果的に健全な経済活動を支えることにもつながる。
法務省では、登記懈怠の防止に向けて、わかりやすく解説したリーフレット「会社・法人の登記、放置していませんか?」を公開し、全国の法務局でも相談窓口を設けている。今回の整理作業に該当する可能性のある企業や法人は、早めに所在地を管轄する法務局へ確認し、必要な登記手続きを進めることが強く推奨されている。
この記事の要点
- 休眠会社・休眠一般法人の整理作業が令和7年度も実施
- 公告日は令和7年10月10日、対応期限は12月10日まで
- 対応がない場合、12月11日付で自動的にみなし解散登記
- 直近の令和6年度は26,885社・1,994法人が対象
- 登記放置で代表者は最大100万円の過料を科される可能性
- みなし解散後3年以内であれば特別決議により法人継続が可能
- 昭和49年から継続実施、令和6年度で第16回目
⇒ 詳しくは法務省のWEBサイトへ


