2025年11月5日
補助金・助成金, 労務・人事ニュース
桑折町が再エネ導入を支援、太陽光発電に最大12万円補助 申請は2026年3月31日まで
令和7年度桑折町住宅用再生可能エネルギーシステム設備等設置補助制度
福島県伊達郡桑折町では、「再生可能エネルギー推進の町」を掲げ、環境負荷の低減とエネルギーの地産地消を目指した取り組みとして、住宅用再生可能エネルギーシステムを導入する町民を対象にした補助制度を実施しています。令和7年度もこの制度が継続され、太陽光発電、蓄電池、バイオマス燃料ストーブ、そして電気自動車の充給電システム(V2Hシステム)の設置にかかる費用の一部が助成されます。持続可能なまちづくりと脱炭素社会の実現を目指す桑折町のこの施策は、個人の家庭から再生可能エネルギー導入を促す重要な取り組みとして注目されています。
補助制度の対象となるのは、町内の住宅に新たに再生可能エネルギー設備を設置する個人です。補助金額は機器の種類ごとに細かく設定されています。住宅用太陽光発電システムでは、1キロワットあたり3万円の補助が受けられ、最大で4キロワット分、つまり上限12万円までの助成が可能です。定置用リチウムイオン蓄電池システムの場合は、1キロワットアワーあたり2万円で、最大5キロワットアワー分、上限10万円が補助されます。また、再生可能な木質燃料を利用するバイオマス燃料ストーブの導入に対しては、設備費と設置費の合計金額の5分の1が助成され、上限額は5万円となっています。さらに、電気自動車の充給電機能を持つV2Hシステムについても、設置経費の5分の1が補助対象となり、同じく上限5万円まで支援されます。これらの支援により、家庭でのエネルギー自給や災害時の非常電源確保が容易になり、環境と防災の両面での効果が期待されています。
受付期間は令和7年5月9日から令和8年3月31日までとされており、土日祝日を除く平日の午前8時30分から午後5時15分まで申請を受け付けます。ただし、申請は先着順であり、予算額に達した時点で受付が終了するため、早めの申請が推奨されています。特に太陽光発電や蓄電池の導入は近年人気が高く、申請開始後すぐに定員に達するケースも少なくありません。桑折町が公表している受付予定件数は、太陽光発電システム19件、リチウムイオン蓄電池システム16件、バイオマス燃料ストーブ2件、V2Hシステム2件とされています。いずれも数量限定の支援であるため、導入を検討している家庭は早期の準備が重要です。
申請手続きは、工事がすべて完了し、受給契約が成立した後に行う必要があります。申請にあたっては、桑折町が定めた様式に基づいた申請書を提出し、添付書類チェックリストに沿って必要な書類を揃えることが求められます。特に、納税証明書に代わり「証明願(桑折町住宅用再生可能エネルギーシステム設備等設置費補助申請用)」を添付する必要があります。この証明願は申請者本人、建物所有者、共有者全員分が必要であり、桑折町税務住民課で発行手続きを行います。手数料がかかるほか、代理人が申請する場合は委任状と税証明交付申請書の提出も必要です。こうした手続きはやや複雑に見えますが、正確な書類を揃えることでスムーズに補助金を受け取ることができます。
今回の補助制度では、太陽光発電設備や蓄電池などを対象としていますが、いずれの設備も省エネ・防災・環境保全の観点から高い価値があります。特に太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムは、昼間に発電した電気を夜間に使用できるため、電気料金の削減だけでなく、災害時の停電対策としても有効です。また、バイオマスストーブは地域の間伐材などを燃料に活用することができ、地域資源の循環利用にもつながります。V2Hシステムは、電気自動車を単なる移動手段ではなく「家庭用電源」として活用できる先進的な取り組みとして注目されており、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する技術です。
さらに、この町の補助金制度は福島県が実施している「住宅用太陽光発電設備等補助制度」との併用が可能です。つまり、町の補助金と県の補助金を合わせて利用することで、より高額な補助を受けることができます。導入コストを大幅に削減できるこの併用制度は、再生可能エネルギー導入を検討している家庭にとって大きなチャンスといえます。桑折町はこのような多層的な支援策を通じて、家庭レベルからの脱炭素化を推進し、将来的なエネルギー自立の実現を目指しています。
再生可能エネルギーの導入は、環境に優しいだけでなく、家庭の経済的な負担軽減や災害時のリスク対策としても有効です。桑折町では、住民一人ひとりが地域のエネルギー転換に参加できるよう支援体制を整えており、今後も継続的な制度の充実を図る方針です。太陽光発電や蓄電池、V2Hシステムの導入を検討している方は、令和7年5月9日から受付が始まるこの機会を逃さず、早めに準備を進めることが重要です。地域の未来を守る一歩として、再生可能エネルギー設備の導入が期待されています。
⇒ 詳しくは桑折町のWEBサイトへ


