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2025年11月30日

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夏季賞与2.9%増、過去5年で最大の伸び—厚労省が2025年特別集計を発表

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毎月勤労統計調査 2025(令和7)年9月分結果速報等 ≪特別集計≫2025(令和7)年夏季賞与(一人平均)(厚労省)

この記事の概要

厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」2025(令和7)年9月分結果速報に含まれる特別集計によると、事業所規模5人以上の労働者を対象とした夏季賞与(一人平均)は前年より2.9%増加しました。製造業などを中心にボーナス支給額が上昇しており、企業収益の改善とともに労働者への還元が進んでいます。


厚生労働省が公表した2025(令和7)年夏季賞与の特別集計によると、全国の事業所規模5人以上の労働者一人当たり平均賞与額は、前年に比べて2.9%増加したことが分かった。前年2024年の伸び率は2.3%であり、今回の結果はそれを上回る増加となった。夏季賞与の増加率が2.9%台に達するのは近年でも顕著であり、企業の業績回復や物価上昇に対応する賃金改善の動きが反映された形となっている。

調査によれば、製造業を中心に支給額が前年を上回り、業績好調な企業ではボーナスの上乗せが進んだ。特に自動車関連、機械、化学分野など輸出を中心とした製造業では、海外需要の回復と円安の影響により利益が増加しており、その一部が従業員への還元として支給されたケースが多い。一方で、内需中心の業種では伸び率が比較的緩やかで、産業ごとの格差も見られる結果となった。

また、事業所規模30人以上の企業に限定した場合でも、夏季賞与は前年より3.8%増加しており、大企業・中堅企業の双方で支給額の改善が確認された。前年2024年の同集計では4.2%増であったため、今年は伸び率がそれなりであった。賞与支給の背景には、企業収益の回復に加え、人材確保を目的とした報酬引き上げがあるとみられる。人手不足が深刻化する中で、優秀な人材の定着を図るために賞与を拡充する動きが顕著になっている。

一方、コロナ禍後の経済正常化が進む中で、非製造業では賞与支給額が回復傾向にあるものの、依然として一部業種では伸び悩みが続いている。特に小売業や宿泊・飲食業では、コスト増加や価格転嫁の難しさが課題となっており、全産業平均を押し上げるまでには至っていない。しかし全体としては、過去5年間で最も高い増加率を記録しており、賃上げの波が定着しつつあることを示す結果となった。

過去の推移をみると、2021年は-0.8%、2022年は2.4%、2023年は2.0%、2024年は2.3%の増加と推移しており、2025年の2.9%は大きな伸び幅であるといっても良い。特に2022年以降は賞与水準の回復基調が続いており、企業の業績改善がボーナス支給額の増加につながっていることが明確となった。

この結果は、企業の賃金政策にも影響を与えるとみられている。今回の夏季賞与の増加は、物価上昇を上回る水準の賃上げとして一定の成果がある可能性があるかもしれないが、中小企業を中心に依然として格差が残るといってもいいだろう。特に中小事業所では、原材料価格や人件費の上昇分を価格に転嫁できず、賞与支給の引き上げに踏み切れないケースも多い。

今回のデータが示すように、賃金上昇の中心が「賞与や一時金」に偏っている点に注目する必要もあるかもしれない。企業が持続的な人材確保を実現するためには、基本給の底上げを伴う総合的な賃金改革が求められるだろう。

総じて、2025年の夏季賞与は、名目・実質ともに上昇傾向を示す明るい結果となりつつある。物価高騰の影響を踏まえても、労働者一人当たりの実感としての「手取り増加」は明確であり、消費拡大にも一定の効果が期待される。

2025年夏季賞与の一人平均支給額は426,337円

厚生労働省が2025年11月に公表した「毎月勤労統計調査」特別集計によると、2025(令和7)年の夏季賞与における労働者一人当たりの平均支給額(事業所規模5人以上)は426,337円となり、前年の414,515円を上回った。増加率は2.9%であった。これは、企業の業績回復や物価上昇を背景とした賃金改定の動きが加速していることを示しており、企業の報酬水準にも変化が現れている。

産業別に見ると、製造業の平均賞与額は588,660円で前年比7.4%の増加、建設業は594,412円で9.3%増、電気・ガス業は923,096円で4.7%の上昇となった。特に製造業では、円安の影響や輸出需要の回復によって企業収益が改善し、その成果を従業員へ還元する動きが広がっている可能性がある。電気・ガス業では高水準の支給額を維持しており、安定した収益構造のもとでの人材還元が進んでいる。一方、運輸業・郵便業は385,978円で前年比2.5%減、卸売業・小売業は379,774円で0.7%減と、依然として業種間の格差が存在している。

支給事業所の割合をみると、全体で73.4%(前年73.0%)と0.4ポイント上昇しており、賞与を支給する企業の割合が増加したことがわかる。また、賞与を支給した事業所に雇用される労働者の割合は84.6%(前年84.3%)で、前年を0.3ポイント上回った。これは、景気回復の動きとともにボーナス支給対象が広がっていることを意味しており、従業員への還元姿勢が全体的に強まっていることがうかがえる。

さらに、「きまって支給する給与」に対する支給割合(支給月数)は1.02か月分(前年1.05 か月分)と減少し、基本給が上がった分、前年よりも多くの報酬が夏季賞与として支払われた。特に金融業・保険業では1.58か月分(前年1.61か月分)と依然として高い水準を維持している一方、飲食サービス業では0.40か月分(前年0.39か月分)と依然として低い水準にとどまった。こうした数字は、業種ごとの経営体力や雇用形態の違いを反映している。

医療・福祉分野の平均賞与は282,108円で前年比0.3%の減少となった。コロナ禍以降、医療現場の人手不足と業務負担が続く中、処遇改善を目的とした賞与引き上げの動きが進んでおり、全体的な底上げになっているはずだか施設ごとの差が大きいのではないかと思われる。教育・学習支援業は557,673円で前年比1.8%減と減少傾向を示し、学校法人や学習事業者による生徒集めに苦戦している様子がうかがえる。

全産業を通じて、2025年の夏季賞与は前年よりも明確に増加傾向を示し、特に民間企業の積極的な賃上げの姿勢が浮き彫りとなった。これは、企業が労働力不足に対応し、優秀な人材を確保・維持するために待遇を改善している証左でもある。

企業の採用担当者にとって、この結果は報酬制度や採用条件を見直す上で重要な指標となる。平均支給額が42万円を超えたことで、今後は同業他社との比較に基づいた給与交渉や人材確保の競争がさらに激しくなることが予想される。賞与支給の拡大は、企業ブランドの強化や従業員のエンゲージメント向上にもつながるため、持続的な人材戦略の中核として位置付けられる可能性が高い。

この記事の要点

  • 2025年夏季賞与の一人平均支給額は426,337円で前年より2.9%増加
  • 製造業は588,660円で前年比7.4%増、建設業は594,412円で9.3%増加
  • 電気・ガス業は923,096円で前年比4.7%増と高水準を維持
  • 運輸業・郵便業は385,978円で前年比2.5%減、卸売・小売業も0.7%減少
  • 支給事業所割合は73.4%で前年より0.4ポイント上昇
  • 賞与支給事業所に雇用される労働者の割合は84.6%で前年より0.3ポイント増
  • 「きまって支給する給与」に対する支給割合は1.02か月分で前年の1.05か月分から減少
  • 金融・保険業は1.58か月分で依然として高い支給水準を維持
  • 飲食サービス業は0.40か月分で低水準が続く
  • 医療・福祉分野は282,108円で前年比0.3%減、教育・学習支援業は557,673円で1.8%減
  • 全産業での平均賞与が増加し、賃上げと人材確保の動きが加速
  • 企業の賞与支給拡大は採用競争や従業員定着の強化につながる傾向
  • 人材戦略における賞与制度の重要性が一段と高まっている

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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