2025年12月27日
労務・人事ニュース
令和7年10月の香川県有効求人倍率1.41倍が示す採用戦略の重要性
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最終更新: 2025年12月26日 07:01
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香川県の雇用情勢について(令和7年10月分)(香川労働局)
この記事の概要
令和7年10月の香川県の有効求人倍率は1.41倍となり、前月より0.03ポイント低下しました。新規求人・新規求職ともに3か月連続で減少し、企業の採用活動に慎重さが広がっています。求人が求職を上回る状態は続くものの、物価上昇の影響で雇用環境には不透明感が増しています。本記事では、このデータから中小企業の採用担当者が取るべき戦略を詳しく解説します。
令和7年10月に公表された香川県の雇用情勢によると、有効求人倍率(季節調整値)は1.41倍となりました。前月比で0.03ポイント低下し、微減が見られた点は、県内の採用環境に慎重な雰囲気が漂い始めていることを示しています。県内の有効求人倍率は171か月連続で1倍を超えており、依然として求人が求職者を大きく上回る状況が続いているものの、その差はゆっくりと縮まりつつあります。全国平均は1.18倍であり、香川県は全国第5位という高い水準を維持していますが、その内実を丁寧に見ていくと、人材確保の難しさと採用競争の激しさがより明確になります。
正社員の有効求人倍率は1.22倍で、前年同月から0.05ポイント下がりました。前年よりも正社員求人の充足が進みつつあることを示す数値でもありますが、同時に求職者の動きが鈍っている可能性もあり、中小企業にとっては採用活動の見直しが求められるタイミングに入っていると言えます。求職者が正社員を望む割合は高まっている一方、企業側が求めるスキルや経験とのミスマッチが発生している場面も見られ、採用活動を工夫しないと応募がなかなか集まらない状況が続いています。
新規求人を見ると、10月の新規求人は8,458人で前年同月比1.5%減となり、3か月連続で減少しました。産業別では、運輸業・郵便業、複合サービス事業、製造業などが増加した一方で、卸売・小売業、医療・福祉、生活関連サービス業、娯楽業などが減少しました。この傾向は、消費の動きや人手不足が続く業界で採用を絞り込む動きがあることを示しており、企業が採用計画を慎重に調整していることが読み取れます。
求職者側の動向では、新規求職者は3,598人で前年同月比0.1%減とわずかに減少しました。3か月連続で減少している点を踏まえると、求職者が積極的に転職活動を行わなくなっている可能性が考えられます。物価上昇による生活コストの増加が影響し、安定した現職にとどまる傾向が強まっているとの見方も可能です。転職に伴うリスクを避け、現状維持を選ぶ人が増えると、中小企業の採用活動には直接的な影響が生じ、応募数の減少につながりやすくなります。
香川県の雇用情勢全体についての判断としては、求人が求職を上回っているため雇用環境は緩やかに持ち直しているとされています。しかし同時に、物価上昇が雇用に与える影響に注意が必要であり、企業活動への負担感が採用を停滞させるリスクを抱えています。採用活動が活発な業種と控えめな業種が分かれており、各企業が自社の採用力をどのように高めていくかが問われています。
ここから、中小企業の採用担当者がとるべき戦略を考える際、もっとも重要なのは「倍率の高さをそのまま採用のしやすさと捉えないこと」です。有効求人倍率が1.41倍という数字は、求人が求職者よりも大幅に多いことを示しています。この状態では、求職者は複数企業を比較した上で応募先を決める傾向が強いため、企業側はその選択肢の中で自社を選んでもらえる魅力を丁寧に伝えなければなりません。
求人票に掲載する情報の質が採用結果を大きく左右します。昇給・賞与の仕組み、職場の雰囲気、働き方の柔軟性、キャリアステップの提示など、求職者が安心して応募できる材料を揃えることで応募数は確実に増加します。また、香川県では新規求人が減少傾向にあるため、求職者の目に留まるための工夫が欠かせません。求人票の表現を見直し、写真や具体的事例など視覚的な情報を追加することで、求人内容がより伝わりやすくなります。
さらに、求職者層に合わせたターゲティングも重要です。香川県は地方都市として高齢化の進行が早く、働く意欲を持つミドルシニア層の存在は想像以上に大きいものです。この層を積極的に採用する企業は即戦力を確保しやすく、安定した人材確保が可能になります。経験豊富な人材に対しては、過去の経験を活かせる業務の提示や、無理なく働ける勤務形態の調整を提案することで応募意欲を引き出せます。
採用スピードも競争力に直結します。倍率が高い地域ほど、求職者は複数の企業から声がかかるため、選考が遅い企業は自然と応募者を逃してしまいます。応募から面接設定までの時間を短縮し、問い合わせへの返信を迅速に行うことで、求職者からの信頼を得やすくなります。採用管理のデジタル化を進めることも、選考スピード向上に有効な手段です。
業種ごとの採用難易度にも注目する必要があります。香川県では製造業や運輸業の新規求人が増加している一方で、医療・福祉や小売業では求人が減少しています。このように業界によって採用状況が異なるため、自社の属する業界の倍率をしっかり把握し、他社との差別化をどのように図るかが求められます。特に競争が激しい業界では、給与以外の条件や職場環境の充実が鍵となります。
また、新規求職者数が減っていることは、採用対象を限定しすぎない方が良いことを示しています。フルタイムのみならずパートタイムや扶養範囲内で働きたい人など、働き方が多様化している現状に対応した募集の幅を広げることで、企業と求職者のマッチング機会が大きくなります。香川県の労働市場が長期間にわたり人手不足基調にある以上、柔軟な採用姿勢が今後ますます重要になります。
最終的に、中小企業の採用成功に必要なのは、データに基づいた戦略的な判断と、求職者の視点に立った丁寧な情報発信です。有効求人倍率がどれだけ高くても、企業の認知度や求人の魅力がなければ人材を確保することはできません。逆に言えば、魅力を伝える工夫を続け、応募者との接点を増やすことで、採用環境が厳しい中でも望む人材を獲得する可能性は十分に広がります。
この記事の要点
- 香川県の令和7年10月の有効求人倍率は1.41倍
- 新規求人と新規求職は3か月連続の減少
- 求人が求職を上回るが採用活動は慎重化
- 製造業や運輸業の求人は増加、医療福祉や小売は減少
- 正社員有効求人倍率は1.22倍で前年より低下
- 求人票の質と情報量が応募数を左右
- ミドルシニア層の採用が有効
- 選考スピードの向上が採用競争に直結
- 働き方の多様化に合わせた募集が必要
⇒ 詳しくは香川労働局のWEBサイトへ


