2026年1月6日
労務・人事ニュース
正社員割合80.4%と50%の差、若年者7,994人調査が示すキャリア形成
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若年者の初職離職後のキャリア形成 ―第3回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査―(JILPT)
この記事の概要
2025年12月12日に公表された調査では、若年者が初職を離職した後、どのようにキャリアを形成しているのかを詳細に分析している。正社員から正社員への転職や、非正社員から正社員への移行の実態を性別や学歴別に整理し、賃金や働き方、能力開発との関係を明らかにした。特に女性や非大卒者が直面する課題と、安定したキャリア形成に向けた示唆が示されている。
本調査は、若年者が初職を離職した後の就業状況を把握し、どのような条件や経験が安定したキャリア形成につながるのかを明らかにすることを目的として実施された。調査時点までの雇用形態の変化を追うことで、転職や能力開発の実態を立体的に捉えている。
調査は2023年11月に実施され、対象は20歳から34歳までの高校卒から修士修了の非在学者である。回収目標数は8,072件、有効回答は7,994件となり、大規模なデータに基づく分析が行われた点が特徴となっている。
初職が正社員だった若者についてみると、離職後の正社員割合は男性では時間の経過とともに増加し、調査時点で80.4%に達した。一方、女性では50%を超えた水準で横ばいとなり、男女間で大きな差が確認された。
調査時点で非典型雇用や非就労にとどまる割合は、男性や大学・大学院卒に比べ、女性や非大卒者で高い傾向がみられた。特に学歴と性別が重なることで、雇用の不安定さが強まる状況が示されている。
転職理由に着目すると、非大卒男性では仕事がうまくできず自信を失ったことをきっかけに、異なる産業や職業へ移る傾向がみられた。非大卒女性では、学校で学んだ内容や自身の技能を活かせなかったことが転職の背景となるケースが多い。
転職によって雇用の質が向上した女性や非大卒男性には、公的な訓練制度の利用や、職業に関連する資格や免許を取得した経験が多くみられた。非大卒女性では、公共職業訓練や求職者支援制度の活用が産業間移動につながる傾向が確認されている。
賃金や労働時間、休日を理由に転職した若者の6割から7割では、賃金上昇や労働時間の短縮が実現していた。一方で、人間関係や健康面の問題、ノルマや責任の重さ、自信喪失を理由とした転職では、月給額が減少する傾向が示された。
全体としては、労働負荷の重い仕事から比較的負荷の軽い仕事へ移行する傾向がみられた。ただし、キャリアアップを目的に転職した若者の中には、負荷の重い仕事を受け入れた結果、賃金上昇や職務遂行能力、職業生活満足度が高まる例もあり、主に大学・大学院卒で顕著であった。
非大卒、特に女性については、専門技術職の資格を取得し医療や福祉分野へ移動することが雇用の質向上に有効と考えられるが、実際には能力開発を通じて異産業へ転職した場合でも、医療や福祉以外の分野で事務職に就くケースが多い実態が示されている。
初職が正社員以外だった若者の正社員移行を見ると、男性では正社員割合が22.2%から42.6%へと段階的に上昇したのに対し、女性では次職時点で28.5%に達した後、27.9%と伸び悩んだ。正社員に移行した後の勤続率も女性は29.0%と、男性の50.0%を大きく下回っている。
初職が正社員以外であっても、在職中に業務量や責任が増加するなど業務の発展性が高い場合、次職で正社員に移行しやすいことが示された。特に女性では、業務裁量の拡大や指導経験が正社員化に寄与している。
産業別にみると、男性では製造業が正社員化の主な受け皿となっているのに対し、女性では医療や福祉分野が中心となっている。小売業や宿泊、飲食サービス業では、男女ともに正社員化が進みにくい傾向が確認された。
正社員に移行した場合、昇進や配置転換の機会が生まれる一方で、残業などの負担が増える傾向もみられた。男性では正社員化によって賃金や雇用の安定性への満足度が高まるが、女性では労働時間や休日への不満が残りやすい状況が示唆されている。
今回の調査は、若年者のキャリア形成において、能力開発や業務経験の積み重ねが重要である一方、性別や学歴によって機会や成果に差が生じている現状を明らかにしている。長期的な視点での支援の必要性が浮き彫りとなった。
この記事の要点
- 初職正社員男性の正社員割合は調査時点で80.4%
- 女性の正社員割合は50%超で横ばい
- 2025年調査は7,994件の有効回答を分析
- 正社員移行後の勤続率は女性29.0%、男性50.0%
- 能力開発や資格取得が雇用の質向上に寄与
⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ


