2026年1月15日
労務・人事ニュース
診療報酬3.09%引き上げで令和8年度から始まる医療現場の賃上げと人材確保の現実
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最終更新: 2026年1月14日 09:35
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最終更新: 2026年1月14日 00:35
令和8年度診療報酬改定について(厚労省)
この記事の概要
令和8年度の診療報酬改定について、12月24日に示された方針をもとに、その全体像と具体的な数値をわかりやすく整理する。今回の改定は、医療現場の経営改善と従事者の処遇改善を同時に進めることを目的とし、賃上げや物価上昇への対応を重視した内容となっている。現役世代の保険料負担への配慮や制度の持続性も踏まえた改定の特徴を丁寧に解説する。
令和8年度の診療報酬改定は、12月24日に行われた予算編成の最終調整を踏まえて内容が整理された。今回の改定は、当初予算段階から必要な歳出と歳入を可能な限り織り込む運営へと転換する姿勢が明確にされており、制度を安定的に運営するための基盤づくりが意識されている。医療現場の実情に即した対応を行うことが強く意識された点が特徴である。
改定の背景には、令和7年6月に決定された経済運営の基本方針や、同年11月にまとめられた総合的な経済対策がある。これらの方針では、医療機関の経営状況や費用構造を踏まえた対応を進めることが示されており、今回の診療報酬改定もその流れに沿って位置付けられている。医療の質を維持しながら、現場で働く人の環境改善を図ることが大きな柱となっている。
診療報酬本体の改定率は、令和8年度と令和9年度の2年度平均でプラス3.09%とされた。内訳を見ると、令和8年度はプラス2.41%、令和9年度はプラス3.77%となっており、段階的に引き上げられる構成である。改定は令和8年6月から施行される予定で、医療機関の経営計画にも影響を与える内容となっている。
この改定率のうち、賃上げに充てられる部分は2年度平均でプラス1.70%とされている。医療現場での生産性向上の取り組みとあわせて、令和8年度と令和9年度の両年度において、実質的にプラス3.2%のベースアップを支援する措置が講じられる。特に看護補助者や事務職員については、他産業との人材確保競争を踏まえ、5.7%の引き上げを想定した対応が示されている。
物価上昇への対応も今回の改定の重要な要素となっている。物価対応分は2年度平均でプラス0.76%とされ、令和8年度以降の物価上昇に備えた措置として、特別な項目を設けて対応する方針が示された。施設の種類ごとに配分が異なり、病院ではプラス0.49%、診療所や薬局ではより小幅な配分となっている。医療機能の違いを考慮した調整が行われている点が特徴である。
さらに、食費や光熱水費の上昇への対応として、入院時の食費基準額が1食あたり40円引き上げられ、光熱水費についても1日あたり60円の引き上げが行われる。患者負担については一定の配慮がなされ、所得区分などに応じた調整が想定されている。医療機関側のコスト増を反映しつつ、制度全体のバランスを取る内容となっている。
一方で、後発医薬品への置き換えの進展や長期処方の推進などによる効率化も進められる。これらの取り組みによって、全体としてはマイナス0.15%相当の調整が行われる仕組みとなっており、医療費全体の適正化も同時に図られている。診療報酬改定は単なる引き上げではなく、メリハリを持たせた構成であることが読み取れる。
今回の改定では、今後の経済や物価の動向を踏まえた柔軟な調整も予定されている。令和9年度の予算編成時には、実際の経営状況に応じて追加的な調整を行う可能性が示されており、令和8年度中には医療機関の経営実態調査が実施される予定である。制度を固定化せず、実態に即して見直す姿勢が明確にされている。
このように令和8年度の診療報酬改定は、賃上げ、物価対応、経営改善、制度の持続性という複数の課題に同時に向き合う内容となっている。具体的な数字をもとに設計されている点からも、現場の実情を踏まえた現実的な改定であることがうかがえる。
この記事の要点
- 令和8年度と令和9年度平均で診療報酬は3.09%引き上げられる
- 賃上げ分として平均1.70%が確保されている
- 看護補助者や事務職員は5.7%の引き上げを想定している
- 物価対応として病院には0.49%が配分される
- 食費は1食40円、光熱水費は1日60円引き上げられる
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


