2026年1月17日
労務・人事ニュース
令和7年11月の熊本県有効求人倍率1.12倍から考える中小企業採用戦略
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一般職業紹介状況 (令和7年11月分)(熊本労働局)
この記事の概要
令和7年11月の熊本県における有効求人倍率は1.12倍となり、前月から0.01ポイント低下しました。求人・求職ともに増加する中で倍率がわずかに下がった背景には、求職者の増加ペースが求人を上回った現実があります。本記事では、この熊本県の最新雇用データをもとに、有効求人倍率が示す採用環境の変化を丁寧に読み解きながら、中小企業の採用担当者がどのような考え方で採用活動を進めるべきかを、実務目線で詳しく解説します。
令和7年11月の熊本県の一般職業紹介状況によると、有効求人数は32,409人と前月比0.2%増加し、有効求職者数も29,018人と前月比1.3%増加しました。この結果、有効求人倍率は1.12倍となり、前月の1.13倍から0.01ポイント低下しています。数字だけを見ると大きな変化ではないものの、求職者の増加幅が求人の増加幅を上回っている点は、中小企業の採用担当者にとって見過ごせない重要なサインです。採用市場は引き続き売り手市場である一方、求職者側の動きが活発化し、企業選別の目がより厳しくなっている状況がうかがえます。
新規求人の動向を見ると、令和7年11月の新規求人数は11,201人で、前年同月比3.7%減少しました。これは7か月連続の前年割れであり、企業側が新たな採用に慎重になっている傾向が続いていることを示しています。一方で、建設業は前年同月比7.8%増、製造業も13.9%増と、一部の産業では求人が増加しており、業種間で採用環境の差が広がっていることが分かります。卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、サービス業では求人が減少しており、人手不足が続く業界であっても、無条件で採用を増やす局面ではなくなっています。
正社員の有効求人倍率は1.15倍となり、前年同月を0.01ポイント下回りました。正社員求人は依然として求職者を上回っているものの、倍率は徐々に低下傾向にあり、企業側の採用姿勢が量から質へと移行していることが読み取れます。中小企業の採用担当者にとって重要なのは、この1.12倍という数字を「人手不足が少し緩んだ」と単純に解釈しないことです。実際には、応募者が増えたとしても、自社が求める人材像と合致する人が増えるとは限りません。
求職の動向を見ると、新規求職申込件数は4,254件で前年同月比4.6%減少していますが、月間有効求職者数は増加しています。これは、仕事を探し始める人は減っているものの、転職活動が長期化している求職者が増えている可能性を示しています。つまり、求職者はより慎重に企業を選び、納得できる条件や将来像を重視する傾向が強まっていると考えられます。このような状況では、採用条件の表面的な改善だけでは差別化が難しくなります。
中小企業の採用担当者が有効求人倍率から読み取るべき最も重要なポイントは、「倍率が1倍を超えている状態が当たり前になっている」という現実です。令和7年11月時点で熊本県の有効求人倍率は1.12倍ですが、これは一時的な数値ではなく、数年にわたって続いてきた構造的な人手不足の結果です。この環境下では、求人を出せば人が集まるという発想は通用しません。採用活動は営業活動に近いものと捉え、自社の魅力をどう伝えるかを戦略的に考える必要があります。
具体的には、求人票や採用ページにおいて、仕事内容や期待役割を曖昧にせず、入社後のイメージが具体的に描ける情報発信が重要になります。また、給与や休日といった条件面だけでなく、職場の雰囲気や育成体制、働き方の柔軟性など、求職者が不安を感じやすい点を先回りして説明することが、応募の質を高めることにつながります。有効求人倍率が1.12倍という数字は、求職者が選ぶ側に立っていることを明確に示しており、情報の透明性が採用成否を左右します。
さらに、就職件数は1,363件と前年同月比9.7%減少しており、採用決定までに時間がかかっている現状も見逃せません。選考プロセスが長引くことで、他社に先を越されるケースも増えています。中小企業においては、面接回数や選考期間を見直し、スピード感のある対応を心がけることが、今後の採用活動において大きな差となります。
有効求人倍率は単なる統計ではなく、採用市場の空気感を映し出す指標です。令和7年11月の熊本県の1.12倍という数値は、採用環境が厳しさを保ちながらも、次の段階に入っていることを示しています。中小企業の採用担当者は、この数字を冷静に受け止め、自社の採用活動を見直す材料として活用することで、限られた人材獲得の機会を確実な成果につなげることができるでしょう。
この記事の要点
- 令和7年11月の熊本県の有効求人倍率は1.12倍で前月から低下
- 求人と求職はともに増加し求職者の増加幅が上回った
- 新規求人は前年同月比3.7%減で採用慎重姿勢が続いている
- 建設業と製造業では求人増加が見られ業種差が拡大
- 正社員有効求人倍率は1.15倍で売り手市場は継続
- 採用活動では情報の具体性と選考スピードが重要
- 有効求人倍率は採用戦略を見直すための判断材料となる
⇒ 詳しくは熊本労働局のWEBサイトへ


