2026年3月5日
労務・人事ニュース
2,848事案分析で中央値24.50日と平均314.17時間が示す脳・心臓疾患労災
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脳・心臓疾患の労災認定事案における連続勤務、深夜勤務、不規則勤務の分析(JILPT)
この記事の概要
2026年2月6日、脳・心臓疾患の労災認定事案を対象に、連続勤務、深夜勤務、不規則勤務の実態を分析した資料シリーズNo.297が公表された。平成22年度から令和4年度までの2,848事案を分析し、長時間労働だけでなく、勤務日数や拘束時間、深夜勤務の頻度など多角的な要因が健康悪化に関係している実態が示された。
2026年2月6日に公表された資料シリーズNo.297では、脳・心臓疾患の労災認定事案における勤務実態を詳細に分析している。本研究は、時間外労働の長さだけでなく、連続勤務や深夜勤務、不規則勤務といった休息時間の確保に関わる勤務状況に着目し、健康悪化をもたらした過重負荷の実態を多角的に検討することを目的としている。
分析対象は、平成22年度から令和4年度までの脳・心臓疾患の労災認定事案のうち、「長期間の過重業務」が過重負荷として認定された事案である。具体的には、「調査復命書」に付属する「労働時間集計表」の記録と、過労死等データベースの属性情報を接続したデータを用い、労働時間集計表に欠損のない2,848事案が対象とされた。
まず、1か月あたりの勤務日数に着目すると、中央値は24.50日であった。さらに、1か月あたりの勤務日数が26日を超える事案が19.9%を占めている。図表1ではその分布が示されており、休日が十分に確保されていない実態が読み取れる。
業種別に中央値を比較すると、農林業、漁業、宿泊業・飲食サービス業、複合サービス事業などで勤務日数が多い傾向がみられた。職種別では、農林漁業従事者、建設・採掘従事者、サービス職業従事者などで勤務日数が多く、休日を取得しにくい状況がうかがえる。
最大連続勤務日数については、評価期間内に14日以上の連続勤務があった事案が26.4%を占めた。特に農林業では14日以上の連続勤務があった割合が71.4%と突出して高く、漁業では52.9%、複合サービス事業では50.0%となっている。長期連続勤務が一定割合で存在していることが明らかとなった。
1か月あたりの拘束時間は平均314.17時間であり、320時間以上の事案が33.0%を占めた。業種別では農林業、漁業、運輸業・郵便業、宿泊業・飲食サービス業で拘束時間が特に長い傾向がみられる。職種別では農林漁業従事者、輸送・機械運転従事者、保安職業従事者、サービス職業従事者などで拘束時間が長い。
深夜勤務については、22時から5時の時間帯に2時間以上勤務が含まれる日を深夜勤務と定義し、勤務日に占める深夜勤務日の割合を算出している。図表2の箱ひげ図からは、漁業および運輸業・郵便業において深夜勤務が常態化していた事案が際立っていることが示されている。
職種別に見ると、保安職業従事者、輸送・機械運転従事者、農林漁業従事者などで深夜勤務の頻度が高い。これらの職種では、夜間帯の業務が構造的に組み込まれている可能性があり、健康確保の観点からの配慮が重要であることが示唆される。
さらに、交替制勤務や不規則勤務については、始業時刻の標準偏差を指標として分析している。その中央値を見ると、漁業、運輸業・郵便業、金融業・保険業、医療・福祉などでばらつきが大きい。職種では保安職業従事者、輸送・機械運転従事者、農林漁業従事者で始業時刻が一定でない事案が多く観察された。
本研究は、労働者の健康確保のためには単に長時間労働を是正するだけでなく、連続勤務の抑制や深夜勤務、不規則勤務の見直しが重要であることを示している。過労死等防止対策の検討における基礎資料として活用が期待される内容であり、勤務形態の在り方を再考するうえで重要な示唆を与えている。
この記事の要点
- 2026年2月6日に資料シリーズNo.297が公表された
- 平成22年度から令和4年度までの2,848事案を分析対象とした
- 1か月あたり勤務日数の中央値は24.50日で26日超が19.9%を占めた
- 14日以上の連続勤務があった事案は26.4%で農林業は71.4%と高い
- 平均拘束時間は314.17時間で320時間以上が33.0%を占めた
⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ


