労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和8年2月 滋賀県1.04倍の有効求人倍率で変わる採用市場

2026年4月22日

労務・人事ニュース

令和8年2月 滋賀県1.04倍の有効求人倍率で変わる採用市場

Sponsored by 求人ボックス
広告

令和8年2月滋賀県1.04倍に見る求人減少と求職者増加

令和8年3月31日、滋賀労働局が公表した最新の雇用統計により、令和8年2月時点における県内の有効求人倍率は1.04倍となり、前月から0.02ポイント低下したことが明らかになった。これにより有効求人倍率は2か月連続で下落している状況であり、雇用環境は緩やかな持ち直しの兆しを見せつつも、依然として慎重な見極めが必要な局面にあるといえる。

今回のデータでは、有効求人数は22,256人と前月比でわずかに減少し、4か月ぶりの減少に転じた。一方で有効求職者数は21,372人となり、前月比で2.1%増加している。この動きから読み取れるのは、求人の勢いがやや鈍化する中で求職者が増加しているという構図であり、企業側にとっては「採用が容易になる局面」と短絡的に捉えるべきではない。むしろ、求人倍率が1倍前後にある現状は、企業と求職者の力関係が拮抗している状態を示しており、採用戦略の巧拙が結果に直結するフェーズに入っていると考えられる。

新規求人の動きに目を向けると、令和8年2月の新規求人数は7,866人で前月比2.7%減少し、2か月連続の減少となった。産業別では、学術研究や専門・技術サービス業が前年同月比58.9%増、サービス業も27.0%増と堅調に推移している。一方で、製造業は9.8%減、情報通信業は58.8%減、宿泊・飲食サービス業は21.4%減と、幅広い業種で求人減少が見られる。こうした産業ごとのばらつきは、中小企業の採用担当者にとって重要な示唆を含んでいる。すなわち、自社の属する業界が「採用競争が激しいのか」「人材が流入しやすいのか」を見極めた上で戦略を調整する必要がある。

さらに注目すべきは正社員の有効求人倍率である。原数値では0.82倍となり、前年同月より0.03ポイント上昇し、16か月連続で改善している。これは正社員人材の不足が依然として続いていることを示しており、特に安定雇用を求める求職者に対する企業のアプローチが重要になることを意味する。単に求人を出すだけでは応募が集まりにくく、企業の魅力や働きやすさを具体的に伝える必要がある局面といえる。

中小企業の採用担当者がこの状況から導くべき最も重要な視点は、「求人倍率の数値そのもの」ではなく「その内訳と変化」である。例えば、有効求人倍率が1.04倍という数字だけを見ると、需給バランスはほぼ均衡しているように見える。しかし実際には、求人数は減少傾向にあり、求職者は増加しているため、採用環境は静かに変化している。この変化に気づかず従来通りの採用手法を続ける企業は、結果として採用の遅れやミスマッチを招く可能性が高い。

具体的には、これまで人手不足を前提に「待ちの採用」を行ってきた企業ほど、今後は「攻めの採用」へ転換することが求められる。求人票の内容を見直し、賃金や労働条件だけでなく、キャリア形成や職場環境といった定性的な魅力を言語化することが不可欠である。また、オンライン応募の増加など採用チャネルの変化にも対応し、ハローワークだけでなく複数の媒体を組み合わせた採用活動が重要性を増している。

一方で、求職者側の動向にも注視する必要がある。新規求職者数は4,747人と前月比で減少しているものの、有効求職者数は増加していることから、転職市場には一定数の人材が滞留している状況がうかがえる。このような状況では、企業が求める人材像を過度に限定すると、採用機会を逃すリスクがある。ポテンシャル採用や未経験者採用を視野に入れることで、人材確保の幅を広げることができる。

また、地域特性も無視できない要素である。滋賀県の有効求人倍率は全国平均1.19倍、近畿平均1.09倍と比較するとやや低い水準にあるが、就業地別では1.30倍と高い水準を維持している。この差は、勤務地ベースでは人材不足が続いている一方で、求職者の登録ベースではバランスが取れていることを示している。つまり、勤務地や通勤条件の工夫によっては、採用成功の可能性を高める余地があるといえる。

加えて、物価上昇が雇用に与える影響にも注意が必要とされている。実質賃金の低下が続く中で、求職者はより条件の良い企業へと流れやすくなっている。中小企業にとっては賃上げ余力に限界があるケースも多いが、その分、柔軟な働き方や福利厚生の充実といった非金銭的価値を訴求することが有効となる。

総じて、令和8年2月時点の滋賀県の雇用情勢は、一見すると安定しているように見えながらも、内部では構造的な変化が進行している段階にある。中小企業の採用担当者は、有効求人倍率という単一指標に依存するのではなく、求人数や求職者数、産業別動向、雇用形態別の変化といった複合的なデータを踏まえた意思決定が求められる。採用市場は静かに競争の質を変えており、その変化に適応できる企業こそが持続的な人材確保を実現できるだろう。

⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム