2026年6月24日
労務・人事ニュース
2026年4月宮崎県の有効求人倍率1.18倍で変わる中小企業の採用活動
- 精神科訪問看護の正看護師/未経験OK/服装自由
最終更新: 2026年7月13日 09:36
- 保育士/学歴不問/週3日から勤務相談ができ、ライフスタイルに合わせて働ける保育園です/未経験やブランクのある方も安心してスタートできる環境が整っています/少人数制保育で子ども一人
最終更新: 2026年7月13日 20:17
- 「土日祝休み」医療機関での治験コーディネーターのお仕事/看護師
最終更新: 2026年7月13日 09:36
- 仕分け・梱包・ピッキング/未経験OK/日払い・週払いOK/寮完備/日勤/20・30・40代活躍中
最終更新: 2026年7月13日 15:36
2026年4月宮崎県の有効求人倍率1.18倍と産業別求人動向
宮崎労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月の一般職業紹介状況によると、宮崎県の有効求人倍率は季節調整値で1.18倍となり、前月の1.14倍から0.04ポイント上昇した。有効求人倍率が1倍を上回る状態は130か月連続となっており、県内では依然として求人数が求職者数を上回る状況が続いている。ただし、その内容を詳しく見ていくと、単純に雇用環境が改善していると判断できる状況ではなく、企業の採用活動においてはより戦略的な対応が求められる局面に入っていることがわかる。
有効求人倍率1.18倍という数字は、求職者1人に対して1.18件の求人が存在することを意味する。全国平均も同じく1.18倍であり、宮崎県は全国平均と同水準となった。しかし前年同月の1.28倍と比較すると0.10ポイント低下している。つまり前月との比較では改善しているものの、長期的な視点で見ると求人市場はやや縮小傾向にある。
実際に有効求人数を見ると、その傾向はより明確になる。2026年4月の有効求人数は24,060人で前年同月比6.7%減少した。有効求人数の季節調整値も24,072人となり前年同月比6.5%減少している。有効求人数の減少は33か月連続となっており、企業側が求人を見直す動きが長期間続いていることが確認できる。一方で有効求職者数は21,785人となり前年同月比1.2%増加した。求職者数が増加し、求人数が減少していることから、求人倍率の低下につながっている。
宮崎労働局も今回の雇用情勢について、求人が求職を上回る状況は継続しているものの、求人の見直しなどにより求人が緩やかに減少していると分析している。また物価上昇や中東情勢など外部環境が雇用へ与える影響についても注視が必要としている。企業経営を取り巻くコスト上昇が採用計画に影響を及ぼしている可能性も考えられる。
新規求人の動向を見ると、さらに採用市場の現実が見えてくる。2026年4月の新規求人数は8,665人で前年同月比6.1%減少した。一方で新規求職申込件数は6,384件となり前年同月比2.7%増加している。企業が新たに募集する求人は減少しているが、仕事を探す人は増えている状況である。
ただし、だからといって企業が採用しやすくなったと考えるのは早計だ。実際には就職件数は1,644件で前年同月比4.5%減少している。就職率も25.8%となり前年同月の27.7%から1.9ポイント低下した。求職者が増えているにもかかわらず採用成立件数が減少していることは、企業と求職者の間で条件面や価値観のミスマッチが発生している可能性を示している。
中小企業の採用担当者にとって重要なのは、このミスマッチの存在を正しく理解することである。有効求人倍率が1倍を超えているから人材不足、有効求人倍率が低下したから採用しやすいという単純な見方では、現在の採用市場を正確に把握できない。求職者は企業選びにおいて給与だけでなく、働き方、福利厚生、成長環境、職場の人間関係、キャリア形成などを総合的に比較する時代になっている。
正社員市場の動向も注目に値する。2026年4月の正社員有効求人倍率は1.02倍となり、前年同月の1.07倍から0.05ポイント低下した。正社員有効求人数は12,594人であるのに対し、常用フルタイム有効求職者数は12,314人となっている。倍率としては依然として1倍を超えているが、前年より採用競争力は弱まっている。
しかし企業側にとって安心材料とは言えない。正社員求人が減少している背景には、企業が採用そのものを控えているケースや、採用しても定着しないため慎重になっているケースも考えられる。採用難の時代においては、新規採用だけでなく定着率向上が経営課題となっている。
求職者の内訳を見ると興味深い傾向も見られる。新規求職申込件数6,384件のうち、離職者は4,735人で前年同月比5.7%増加した。さらに事業主都合離職者は1,499人となり前年同月比23.0%増加している。この数字は企業の業績悪化や組織再編などに伴う離職が一定数発生していることを示唆している。
中小企業の採用担当者は、このような離職者市場に注目する必要がある。即戦力人材を確保したい場合には、離職理由を丁寧に分析し、自社でどのようなキャリア機会を提供できるかを明確に発信することが重要になる。単なる求人募集ではなく、転職後の将来像を具体的に示せる企業が選ばれる時代になっている。
産業別の求人動向を見ると、業界によって状況が大きく異なることもわかる。医療・福祉は2,664人で県内最多の求人を維持しているが、前年同月比では0.1%減少している。卸売業・小売業は1,017人で1.5%減少、建設業は731人で10.7%減少、製造業は681人で19.3%減少となった。
特に製造業の落ち込みは大きく、食料品製造業では38.3%減少している。一方で情報通信業は365人で8.3%増加し、サービス業は1,472人で4.1%増加した。複合サービス事業も38.0%増加している。今後の採用市場では成長分野と縮小分野の差がさらに広がる可能性がある。
中小企業の採用担当者は、自社業界だけを見て採用計画を立てるべきではない。同じ地域内で競合する他業界の採用状況も確認する必要がある。例えば情報通信業やサービス業が採用を強化している地域では、人材の獲得競争が激しくなりやすい。結果として給与だけでなく働く魅力そのものが比較されることになる。
企業規模別の求人状況にも注目したい。29人以下の事業所による新規求人は5,659人で前年同月比5.6%減少した。30人から99人規模の企業は9.0%減少している。一方で100人から299人規模の企業は5.4%増加している。中堅企業の採用意欲が比較的高い状況の中で、小規模事業者はより厳しい採用競争に直面している。
だからこそ中小企業には大企業と同じ採用手法ではなく、自社独自の魅力を打ち出す戦略が必要になる。例えば経営者との距離が近いこと、意思決定が速いこと、若手でも責任ある仕事を任されること、地域密着型の事業展開ができることなどは中小企業ならではの魅力である。これらを具体的な事例とともに発信することが応募者の関心を高める。
地域別の有効求人倍率を見ると、宮崎所は1.20倍、小林所は1.23倍と比較的高い水準である。一方で延岡所は0.95倍、日向所は0.89倍、日南所は0.92倍、高鍋所は0.89倍となっている。同じ宮崎県内でも採用環境には差があるため、自社が所在する地域の労働市場を正確に把握することが重要になる。
さらに就業地別有効求人倍率は1.25倍となり、受理地別の1.18倍を0.07ポイント上回った。実際に働く場所ベースで見ると、宮崎県内の人材需要はさらに高いことになる。これは県内企業が想定以上に人材確保競争にさらされている可能性を示している。
現在の宮崎県の採用市場は、有効求人倍率が1倍を超えている一方で、求人そのものは減少し、就職件数も減少しているという複雑な状況にある。企業が採用活動で成果を上げるためには、求人広告を出すだけでは不十分である。求職者が何を重視しているのかを理解し、自社の強みを明確に言語化し、入社後の成長機会や働く環境を丁寧に伝えることが必要だ。また採用後の定着支援まで含めた一貫した人材戦略を構築することが、今後の中小企業経営において重要なテーマになる。宮崎県の2026年4月の有効求人倍率1.18倍という数字は、単なる雇用統計ではなく、企業の採用活動そのものを見直すべき時期が来ていることを示す重要なシグナルといえるだろう。
⇒ 詳しくは宮崎労働局のWEBサイトへ


