2026年8月10日
労務・人事ニュース
2024年の農作業中熱中症死亡事故は59人に急増、2021年比約2.5倍で求められる新たな暑さ対策とは
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最終更新: 2026年9月14日 08:15
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最終更新: 2026年9月14日 00:44
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最終更新: 2026年9月13日 15:56
「自分は大丈夫」は危険…農作業中の熱中症死亡事故が急増!今日からできる対策は?(政府広報オンライン)
農作業中の熱中症による死亡事故が深刻さを増しています。近年は気温の上昇が続き、これまでの経験や体力への自信だけでは暑さによる危険を避けることが難しくなっています。長年農業に携わってきた人であっても、「今まで問題なかったから大丈夫」という考えは通用しない状況となっており、日頃から熱中症対策を徹底することが重要です。
農作業は屋外だけでなく、高温多湿になりやすいビニールハウス内でも行われるため、暑さによる身体への負担が大きい作業です。さらに、1人で作業をする機会が多いことから、体調の異変に気付きにくく、発見が遅れて重症化するケースも少なくありません。重い症状では意識障害や命に関わる状態へ進行する恐れがあるため、早めの対応が欠かせません。
2024年に発生した農作業中の熱中症による死亡事故は59人となり、2021年の23人と比べて約2.5倍へ増加しました。2022年は29人、2023年は37人と年々増加傾向が続いており、2024年には大幅な増加が確認されています。この結果は、気候の変化に合わせて従来以上の熱中症対策が必要になっていることを示しています。
実際の事故では、5月に60代の男性がビニールハウス内で作業中に心肺停止の状態で見つかり、その後死亡しました。この男性は農業経験が50年に及ぶベテランでした。また、70代の男性が最高気温34.4度の日に朝から草刈り作業を続け、意識不明となって搬送後に亡くなった事例も確認されています。さらに、70代の男性がコンバインによる稲刈り中、自身の体温上昇に気付かないまま作業を続けた結果、危険な状態に陥ったケースも報告されています。
このような事故を防ぐためには、暑さから身体を守るための装備を積極的に活用することが効果的です。衣服内へ風を送り込んで汗の気化を促すファン付きウェアは体温上昇を抑える助けとなります。保冷材を利用して身体を直接冷やす冷却ベストは、ファン付きウェアと組み合わせることでより高い効果が期待されています。首元を冷やすネッククーラーも効率よく体温の上昇を抑えられるため、暑い日の作業では有効な対策の1つです。
帽子やヘルメットについても、遮熱性能や通気性を高めた製品を選ぶことで暑さによる負担を軽減できます。また、手首などに装着するウェアラブル端末では、深部体温や水分バランスなどを把握しながら、休憩や水分補給のタイミングを知らせる機能を備えた製品もあり、自身の体調管理を支援する手段として活用が進んでいます。
装備だけに頼るのではなく、作業方法を工夫することも重要です。屋外での作業は朝や夕方など比較的気温が低い時間帯へ変更し、日中の強い暑さを避けることが推奨されています。また、作業は「区切りの良いところまで」ではなく、時間を決めて休憩する意識を持つことが大切です。休憩場所となる日陰や休憩所を事前に確認し、冷たい水や経口補水液、冷却用品を準備しておくことで、体調の変化にも素早く対応できます。
農作業中の死亡事故は1人で作業している際に多く発生しています。そのため、できる限り複数人で作業を行い、やむを得ず1人になる場合には30分に1回程度、家族へ連絡するなど事前にルールを決めておくことが望まれます。近隣同士で声を掛け合い、お互いの様子を確認することも事故防止につながります。
作業計画を立てる際には、暑さ指数であるWBGTを確認することも欠かせません。WBGTは暑さによる危険度を示す指標で、数値が高くなるほど熱中症のリスクが高まります。危険度が高い日は重い作業を軽い作業へ変更したり、朝夕へ時間帯をずらしたりするほか、水分補給や休憩の回数を増やすなど柔軟な対応が求められます。
水分補給では、普段は水や麦茶などカフェインを含まない飲み物が適しています。大量に汗をかいた場合には、塩分や糖分を含むスポーツドリンクも有効です。一方で、経口補水液は脱水症状が現れた際に高い効果が期待できますが、500ミリリットル当たり1.1~1.8グラムの食塩相当量を含むため、日常的な飲み物として継続して飲むことは避ける必要があります。
万が一、めまいや立ちくらみ、手足のけいれんなどの症状が現れた場合は、直ちに涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給して安静にすることが重要です。頭痛や嘔吐、強い倦怠感、集中力や判断力の低下などが見られる場合は重症化している可能性があるため、ためらわず119番へ通報し、救急車を要請する必要があります。救急隊が到着するまでの間は衣服を緩めるなどして全身を速やかに冷やすことが大切です。救急車を呼ぶべきか判断に迷った場合は、「#7119」を利用して相談することもできます。
毎年7月から9月までは「夏の熱中症等対策声かけ期間」として、家族や地域、職場などで声を掛け合いながら熱中症を防ぐ取り組みが進められています。「飲み物は持ったか」「休憩しよう」「今日は熱中症警戒アラートが出ている」といった一言が重大な事故を防ぐきっかけになります。また、この取り組みの一環として活動する「熱中症対策声かけ隊」は8月末まで参加を募集しており、地域全体で見守りを進めることが期待されています。
熱中症警戒アラートが発表される日が増え続ける中、これまでの経験だけを頼りに作業を続けることは大きな危険を伴います。気温の上昇に合わせて装備や作業方法を見直し、こまめな休憩や水分補給、周囲との声掛けを習慣化することが、農作業中の命を守るために欠かせない対策となります。
⇒ 詳しくは政府広報オンラインのWEBサイトへ


