2026年8月17日
労務・人事ニュース
令和8年6月 大分県の有効求人倍率1.13倍 14か月ぶり上昇で採用市場の変化を分析
令和8年6月 大分県の有効求人倍率1.13倍から見る最新雇用情勢
令和8年7月31日、大分労働局は令和8年6月分の大分県の雇用情勢を公表しました。今回の発表では、受理地別の有効求人倍率(季節調整値)は1.13倍となり、前月から0.03ポイント上昇しました。前月の1.10倍から改善し、14か月ぶりの上昇となっています。また、就業地別の有効求人倍率は1.27倍となり、前月から0.02ポイント上昇しました。こちらは2か月ぶりの上昇となり、勤務地ベースでも求人が求職を上回る状況が続いています。
大分労働局では、県内の雇用情勢について「求人が求職を上回って推移しているものの、持ち直しの動きに足踏みがみられている。引き続き、物価上昇・中東情勢等が雇用に与える影響について注視が必要である」と判断しています。有効求人倍率は改善したものの、企業を取り巻く経済環境には慎重な見方も残されており、今後の雇用動向を継続して確認していく必要があります。
有効求人倍率は、ハローワークに登録されている有効求人数を有効求職者数で割って算出される代表的な雇用指標です。令和8年6月は有効求人数が21,657人となり、前月比2.1%増加しました。一方、有効求職者数は19,248人で前月比0.4%減少しています。求人が増え、求職者が減少したことによって、有効求人倍率は改善しました。なお、受理地別の有効求人倍率は平成27年2月から137か月連続で1倍を超えており、大分県では求人が求職を上回る状況が長期間続いています。
新規求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.83倍となり、前月から0.01ポイント上昇しました。新規求人数は7,226人で前年同月比0.5%増となり、わずかながら前年を上回りました。一方、新規求職申込件数は3,915人で前年同月比1.1%増加しています。求人、求職ともに前年を上回っていますが、企業の採用意欲は引き続き維持されていることが数字から読み取れます。
産業別の新規求人を見ると、製造業は前年同月比20.7%増となりました。情報通信業は69.5%増、卸売業・小売業は14.6%増となり、情報サービス業では75.7%増と高い伸びを示しています。また、不動産業・物品賃貸業は76.1%増、金融業・保険業は70.0%増となるなど、一部の業種では積極的な採用活動が続いています。製造業の内訳では、電気機械器具製造業が204.5%増、生産用機械器具製造業が138.5%増、はん用機械器具製造業が107.4%増となるなど、生産関連分野で求人の増加が目立ちました。
一方で、すべての産業で求人が増えているわけではありません。建設業は4.2%減、運輸業・郵便業は0.5%減、宿泊業・飲食サービス業は15.3%減、生活関連サービス業・娯楽業は23.4%減、医療・福祉は6.9%減、サービス業は2.9%減となりました。医療・福祉は求人件数そのものは2,142人と最も多いものの、前年と比較すると減少しています。このように業界によって採用状況は大きく異なっており、自社が属する業界の動向を把握したうえで採用計画を立てることが重要です。
求職者側では、新規求職申込件数は3,915人となりました。このうち常用フルタイム新規求職者数は2,320人で前年同月比1.2%減少しています。内訳を見ると、在職者は860人で前年同月比7.6%増となりました。一方、離職者は1,333人で4.6%減、無業者は127人で15.9%減となっています。離職理由別では、事業主都合離職が226人で7.4%減、自己都合離職は1,061人で4.0%減となり、離職者全体は前年を下回る結果となりました。
正社員有効求人倍率は1.07倍となりました。前年同月より0.08ポイント低下したものの、60か月連続で1倍台を維持しています。正社員求人は依然として求職者数を上回る状況が続いており、企業は正社員採用でも人材確保に向けた工夫が必要な状況です。
ハローワーク別の有効求人倍率では、大分所が1.21倍で県内最高となりました。一方、中津所は0.85倍で最も低い結果となっています。このほか、日田所は1.00倍、佐伯所は1.00倍、宇佐所は0.86倍、別府所は0.86倍、豊後大野所は0.99倍となっており、地域によって採用環境には違いがあります。同じ県内でも求人倍率には差があるため、地域特性を踏まえた採用活動が求められます。
中小企業の採用担当者にとって、有効求人倍率1.13倍という数字は、人材確保が依然として容易ではないことを示しています。求人倍率が1倍を超える状況では、求職者は複数の企業を比較して応募先を選ぶことができます。そのため、求人票へ募集要項を掲載するだけでは十分とは言えません。仕事内容や職場環境、教育制度、キャリアアップ支援、福利厚生などを具体的に伝え、応募者が安心して働く姿をイメージできる情報発信が重要になります。
また、採用活動では応募後の対応スピードも採用成功を左右する要素です。応募受付から面接、採用決定までの期間が長くなると、その間に応募者が他社へ決定してしまうケースもあります。採用担当者は選考フローを見直し、迅速な連絡や面接日程の調整を行うことで、採用機会を逃さない体制づくりが必要です。
さらに、自社ホームページや採用サイトを活用し、社員インタビューや職場風景、1日の仕事の流れ、教育体制などを積極的に発信することも有効です。近年は応募前に企業情報を詳しく調べる求職者が増えており、企業の情報発信力が応募数や採用成果に影響する場面も少なくありません。求人倍率が改善したからといって採用が容易になるわけではなく、企業が選ばれるための取り組みを継続することが重要です。
令和8年6月の大分県の雇用情勢は、有効求人倍率が1.13倍へ上昇し、新規求人も前年同月を上回るなど改善が見られました。しかし、業種によっては求人が減少している分野もあり、雇用環境は一様ではありません。採用担当者は毎月公表される雇用統計を参考にしながら、自社の業界や地域の動向を把握し、採用活動を柔軟に見直していくことが、人材確保につながる重要な取り組みになるでしょう。
有効求人倍率の推移は、地域の雇用環境や企業の採用活動を考えるうえで重要な指標です。求人募集を検討している企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社へご相談ください。
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