2026年9月21日
労務・人事ニュース
建設業の若手は約12%、2027年度予算概算要求で73億円の人材確保・育成支援を拡充へ
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最終更新: 2026年9月24日 05:57
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建設業の人材確保・育成に向けた取組を進めていきます ~厚生労働省・国土交通省の令和9年度予算概算要求の概要~(厚労省)
2027年度予算の概算要求で、建設業の人材確保や育成、職場環境の改善を支える施策が示されました。建設技能者は60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は約12%にとどまり、若い担い手の確保が急務となっています。
今回の施策では、若者や女性の入職と定着を促しながら、技能者の処遇改善、働き方改革、生産性向上を一体的に進める方針です。人を採用するだけでなく、育成して長く働ける環境を整えることまで人材対策の対象となっています。
人材確保では、建設事業者などに対する助成金として73億円が要求されました。2026年度当初予算の71億円から2億円増え、雇用管理の改善や人材育成に取り組む中小事業者などへ経費や賃金の一部を助成する内容です。
技能者の能力や経験を蓄積する仕組みを活用した雇用管理改善も支援対象となります。登録手数料に関する助成は2027年度末まで延長される予定で、技能や経験に応じた処遇につなげる取り組みが継続されます。
採用担当者にとって重要なのは、募集時の賃金だけで人材確保を考えないことです。技能や経験を適切に評価し、採用後の処遇やキャリア形成まで説明できる仕組みを整えることが、定着を意識した採用活動につながります。
人手不足分野へのマッチング支援には68億円が要求され、2026年度当初予算の56億円から12億円増えました。建設のほか医療・福祉、警備、運輸などを対象に、求人者と求職者双方への支援を強化する計画です。
求人企業に対しては、求人充足に向けた助言や指導を行い、求職者には担当者制による職業相談や職業紹介を実施します。セミナー、事業所見学会、就職面接会などを通じ、企業と求職者の接点を増やす取り組みも予定されています。
採用担当者は求人を掲載して応募を待つだけでなく、こうしたマッチング支援や面接会、事業所見学の活用を検討することが重要です。仕事内容や働き方を直接伝える機会を増やし、入社前の認識のずれを減らす視点が求められます。
若年層への働きかけも強化されます。高校や高等専門学校の教員、生徒と建設業界をつなぎ、出前授業や現場見学会を実施する事業には33百万円が要求され、2026年度当初予算の29百万円から増額となっています。
高校生が地元の仕事を理解するための支援にも20百万円が盛り込まれました。若手採用を進める企業にとっては、卒業直前の求人活動だけでなく、早い段階から仕事の内容や職場を知ってもらう取り組みが重要になります。
人材育成では、中小建設事業者などへの支援に4.9億円、建設分野の職業訓練に1.1億円が要求されています。離転職者、新卒者、学卒未就職者などを対象に、訓練から就職支援までを組み合わせる方針です。
若年技能者への実技指導には28億円が要求され、2026年度の26億円から2億円増えました。建設機械などの運転技能だけでなく、パソコンスキルを組み合わせた職業訓練も継続する計画となっています。
また、技能実習に関する助成では、技能情報を登録したカード保有者について賃金助成額を1.1倍とする措置が2027年度末まで延長されます。一部資格試験の受験費用も、新たに経費助成の対象とする内容です。
採用担当者は経験者だけに対象を絞るのではなく、未経験者を採用して資格取得や技能習得を支援する方法も検討できます。採用と育成を別々に考えず、入社後の教育計画まで含めて募集条件を設計する視点が重要です。
働き方改革に対する支援も続きます。労働時間短縮などに取り組む中小企業向けの助成には101億円が要求され、時間外労働の上限規制が適用されている建設業についても専用コースによる支援が予定されています。
全国47都道府県で働き方改革を支援する取り組みには41億円が要求されました。2026年度当初予算の30億円から11億円増え、労務管理の相談や企業訪問、オンラインによる支援などを行う計画です。
雇用管理を担う人材への研修には1.1億円が要求されています。若年者の定着や技能習得を円滑に進めるため、指導する立場の人と若い労働者が円滑に意思疎通できる職場づくりを学ぶ内容も盛り込まれました。
採用担当者には、採用人数だけを目標にするのではなく、離職を防ぐ職場づくりまで採用戦略に含めることが求められます。若手社員を受け入れる上司や現場責任者のコミュニケーション環境も確認したいポイントです。
安全面では、個人事業者などへの安全衛生支援に1.7億円、中小専門工事業者の安全衛生活動支援に96百万円、墜落・転落災害の防止対策には78百万円が要求され、現場の安全確保も継続して進められます。
建設業は仕事内容そのものに加え、労働時間や安全性、将来のキャリアが応募先を考える際の重要な情報になります。採用担当者は求人票でも、処遇、教育制度、勤務環境、安全対策を具体的に説明できる状態を整える必要があります。
建設産業の供給力強化に関する施策では29.8億円の内数が要求されました。適正な工期設定、技能者の処遇改善、入職促進に向けた魅力発信、リスキリングや生産性向上などを組み合わせて人材基盤を強化する方針です。
60歳以上が約4分の1、29歳以下が約12%という年齢構成を踏まえると、今後は退職者の補充だけでは担い手確保が難しくなります。採用担当者には、若手採用、女性の定着、未経験者育成を中長期の計画として進める視点が必要です。
今回示された金額は2027年度予算の概算要求段階であり、確定した予算額ではありません。それでも、人材確保、育成、処遇改善、働き方改革を一体的に進める方向性は、建設企業の採用計画を考える重要な材料となります。
採用担当者は今後、73億円の事業者向け支援や68億円のマッチング支援などについて対象要件を確認し、自社の採用・育成施策に活用できるか整理することが重要です。制度と自社の人材計画を早めに照らし合わせる必要があります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


