2026年9月24日
労務・人事ニュース
就活セクハラで40.0%が意欲減退 2026年10月から企業に相談体制整備を義務化
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最終更新: 2026年9月24日 01:30
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就活セクハラ被害で31.5%が不眠 2026年10月から企業の防止対策を強化
2026年10月1日から、採用面接やインターンシップなどに参加する求職者等へのセクシュアルハラスメントを防ぐため、事業主に新たな対策が義務づけられます。採用活動に関わる企業には、事前の体制整備が必要となります。
今回のルールは、2025年に行われた法改正を受けて導入されるものです。対象は採用面接への参加者だけではなく、就職説明会やインターンシップ、教育実習、看護実習などに参加する人にも広がっています。
対策強化の背景には、就職活動中にセクシュアルハラスメントを経験した人が少なくない実態があります。2020年度から2022年度に卒業して就職活動を行った男女737人のうち、31.9%が被害を受けたと回答しました。
被害の内容では「食事やデートへの執拗な誘い」が33.2%で最も多く、「性的な冗談やからかい」が28.9%、「性的な事実関係に関する質問」が26.0%、「不必要な身体への接触」が25.1%でした。
こうした行為は、求職活動そのものにも影響を与えています。被害を受けた人の40.0%が「就職活動に対する意欲が減退した」と答え、33.6%は怒りや不満、不安などを感じたと回答しています。
心身への影響も確認されており、「眠れなくなった」とした人は31.5%、「通院したり服薬をした」は22.6%でした。さらに7.2%は「入院した」と回答しており、採用活動中の行為が深刻な影響につながる場合があります。
新しいルールでいう「求職者等」には、求人へ応募する人だけでなく、就職説明会への参加者や実習を受ける人も含まれます。企業で働く人を訪問する、いわゆるOG・OB訪問を行う人も対象です。
また、対象となる求職活動は対面だけに限られません。SNSなどオンラインを介して行われるやり取りも含まれ、飲食店など通常の就業場所とは異なる場所で行われる交流も対象になります。
一方、授業の一環として行われる社会科見学など、専ら教育を目的とした活動に参加する人は今回の「求職者等」には含まれません。採用や職業選択につながる活動かどうかが重要な区分となります。
2026年10月1日以降、事業主は労働者による求職者等へのセクシュアルハラスメントを防止するため、雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。採用担当者だけではなく、求職者と接点を持つ従業員にも関係する対応です。
まず求められるのが、セクシュアルハラスメントを行ってはならないという方針と、違反した場合には厳正に対処する方針を明確にすることです。その内容を労働者へ周知し、行為を防ぐための啓発を行う必要があります。
採用活動そのもののルールも明確化が求められます。面談する時間や場所、実施体制、連絡に利用するSNSの種類などをあらかじめ定め、労働者だけでなく求職者等にも知らせなければなりません。
企業には相談体制の整備も義務づけられます。求職者等が利用できる相談窓口をあらかじめ設け、その存在を対象者へ周知するとともに、相談を受ける担当者が適切に対応できる体制を整えることが必要です。
相談が寄せられた場合には、事実関係を迅速かつ正確に確認することも求められます。ハラスメントの事実が確認されたときは、被害を受けた求職者への配慮と行為者への適切な措置を行わなければなりません。
対応は個別の事案を処理して終わりではありません。同様の問題を繰り返さないための再発防止措置も必要になります。採用の現場でどのような接点が生じるのかを整理し、事前にリスクを減らすことが重要となります。
相談者などのプライバシーを守る措置も必要です。その内容を労働者と求職者等へ周知するほか、事実確認に協力した労働者が、その協力を理由として不利益な取り扱いを受けないことも明確にする必要があります。
対象となり得る行為には、インターンシップ中の性的な冗談やからかいのほか、求職者へ性的な関係を求めたり、私的な食事へ執拗に誘ったりするケースがあります。相手の求職活動を阻害する性的な言動が問題となります。
求職者側は、企業が設けた相談窓口だけでなく、教育機関に設置されている相談窓口などへ相談することもできます。状況に応じて相談先を選択でき、企業側には外部から情報提供があった場合の適切な対応も望まれています。
今回の義務化は、採用活動を行う企業にとって人事制度だけの問題ではありません。面接担当者や現場社員が求職者と接する場面、SNSでの連絡、インターンシップの運営など、採用プロセス全体を見直す契機となります。
2026年10月1日の施行までに、方針、採用時のルール、相談窓口、事実確認の手順、プライバシー保護などを整理しておく必要があります。求職者が安心して参加できる採用環境を整えることが、企業に求められる新たな責任です。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


