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2025年9月12日

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2025年7月の小企業売上DIがマイナス6.5へ 改善も製造業は依然厳しい状況

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全国小企業月次動向調査(2025年7月実績、8月見通し)(日本公庫)


この記事の概要

日本政策金融公庫が発表した2025年7月の全国小企業月次動向調査では、売上や採算、価格に関するDI(Diffusion Index)の変動が注目されました。特に製造業と非製造業の売上DIにおけるマイナス幅の差異、さらには販売価格や仕入価格の動きが業種別に明確に示されています。


2025年8月26日に発表された全国小企業月次動向調査は、同年7月時点の実績と8月の見通しをもとに、小規模企業の売上、採算、価格動向を明らかにしています。調査は日本政策金融公庫が実施し、全国の1,500社を対象に、実際に回答のあった1,281社(回答率85.4%)のデータが基にされています。まず売上に関しては、7月の全体DI(前年同月比で増加企業の割合から減少企業の割合を引いた値)がマイナス6.5と、6月のマイナス7.6からマイナス幅が1.1ポイント縮小しました。一方で、8月はマイナス6.8と見通され、わずかながらマイナス幅が再び拡大する予測が立てられています。特に業種別に見ると、製造業は7月にマイナス12.3、8月はさらに悪化してマイナス22.7と見られ、大幅な悪化が懸念されます。これに対し、非製造業は7月にマイナス5.8、8月にはマイナス4.9とマイナス幅が縮小する見通しであり、業種間での差異が際立っています。

非製造業の中では、特にサービス業、建設業、運輸業において売上DIが上昇傾向にあり、8月もこの傾向が継続する可能性があります。具体的には、サービス業は6月がマイナス0.1だったのに対して、7月にはプラス3.6、8月はさらに上昇してプラス4.9と見込まれています。建設業では、7月の売上DIはマイナス13.8、8月はマイナス16.1と見通されていますが、非製造業全体では他の業種の好調がマイナス幅の縮小を支えています。卸売業では6月のマイナス3.2から7月にはマイナス14.6へと悪化しましたが、8月にはマイナス6.5とやや持ち直す見通しです。

採算DIに目を向けると、7月はマイナス0.3と、6月のマイナス2.6からマイナス幅が2.3ポイント縮小しました。さらに8月の見通しはプラス4.0とされており、採算面では企業の経営状態が回復基調にあることがうかがえます。これは全業種において共通している傾向であり、コスト削減や効率化が功を奏している可能性があります。また、採算DIが黒字企業の割合から赤字企業の割合を引いた値であることを踏まえると、多くの小企業が収支のバランスを取り戻しつつある状況が読み取れます。

価格に関する動向では、販売価格DIが6月の12.7から7月には11.5へと1.2ポイント低下しました。業種別に見ると、飲食店と運輸業を除くすべての業種で販売価格DIが低下しており、価格転嫁の難しさや消費者需要の鈍化が影響していると考えられます。仕入価格DIも同様に、6月の31.6から7月は29.1へと2.5ポイント低下しています。特に卸売業と運輸業以外では仕入価格の低下が確認されており、原材料費の下落や調達コストの減少が背景にあると見られます。価格面でのDIの動きは、経済全体のインフレ傾向の落ち着きを示す重要なシグナルとも言え、価格政策の見直しが求められる局面であるとも考えられます。

調査の結果からは、製造業の苦境が顕著である一方、非製造業では徐々に回復の兆しが見られるなど、業種ごとの明暗が分かれる構図となっています。また、採算面での改善や仕入価格の安定が全体としての経営環境を支えている点も注目されます。特に今後の展開として、価格設定や資材調達における戦略の見直し、ならびに各業種の収益構造の多角的な分析と再構築が求められる時期に来ていると言えるでしょう。加えて、今回のデータが示すように、DIが改善している項目も多いことから、マクロ経済の安定や政策支援の効果も一定程度現れていると評価できます。

こうした経済指標を正しく読み解く力は、企業の経営戦略の立案にとって極めて重要です。日本政策金融公庫の動向調査は、今後の景気動向を占う上でも有効な指標であり、特に中小企業の経営者や企業の採用担当者にとっては、経済環境に即した柔軟な対応力が求められることを示しています。経済の細かな変化に目を配り、自社のポジションを見極めることこそが、持続可能な経営と人材確保の要となるでしょう。

この記事の要点

  • 2025年7月の売上DIはマイナス6.5で、6月から改善
  • 8月の売上DIはマイナス6.8と再び悪化見込み
  • 製造業は7月マイナス12.3、8月はマイナス22.7と大幅悪化
  • 非製造業は7月マイナス5.8、8月マイナス4.9と回復傾向
  • 採算DIは7月にマイナス0.3、8月はプラス4.0と大きく改善
  • 販売価格DIと仕入価格DIはいずれも7月に低下
  • 卸売業と運輸業以外では仕入価格の低下が顕著
  • 価格転嫁の難しさや需要減が影響

⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ

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