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2025年1月29日

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グリーン鉄市場の拡大に向けたGX推進策の全貌と鉄鋼業の未来に向けた取り組みとは?

「GX推進のためのグリーン鉄研究会」のとりまとめを行いました(経産省)

2025年1月23日、経済産業省は「GX推進のためのグリーン鉄研究会」における議論のとりまとめを公表しました。本研究会では、鉄鋼業界の脱炭素化を目指し、グリーン鉄市場の拡大とGX(グリーントランスフォーメーション)の実現を目標とした具体的な行動計画の策定が進められてきました。

日本の鉄鋼業は、国内の温室効果ガス排出量の約10%を占め、特に産業部門ではその約4割を占めています。脱炭素社会を実現するためには、GXの推進を通じてこれらの排出量を大幅に削減することが不可欠です。しかし、脱炭素化された製鉄プロセスによる製品の製造コストは当初高額となる可能性があり、グリーン鉄市場の拡大を支える仕組みが必要とされています。

昨年10月に設立されたこの研究会では、国内外の動向を踏まえ、5回にわたる議論を実施。その結果、今後の重要な取り組みを次のようにまとめました。

まず、グリーン鉄のGX価値を国際的に認識させるため、国内外の理解促進と国際標準への反映を進めます。これには、国際的な鉄鋼業界団体やイニシアティブとの連携を強化し、製品ごとのカーボン・フットプリント(CFP)を評価する手法を国内外で議論することが含まれます。また、CFPに基づく製品別算定ルールの策定や、建築物のライフサイクルアセスメント(LCA)への採用検討も視野に入れています。

さらに、需要家におけるCFPの活用促進を目指し、低環境負荷鋼材の利用拡大を図ります。具体的には、CFPデータの整備や公開、非化石証書利用の方向性を整理することで、鋼材の環境価値を高める取り組みを推進します。

需要側への支援では、政府による初期段階でのグリーン鉄の優先調達や購入を通じた重点的な支援が提案されています。また、クリーンエネルギー車(CEV)補助金制度を活用し、自動車製造業者へのインセンティブを付与することで、需要拡大を図る方針です。

供給側には、技術開発や設備投資への支援、税制優遇措置が提供される予定です。特に、鉄スクラップの有効活用を進めるために、関係事業者間の連携強化が求められています。

今回のとりまとめを受けて、経済産業省は、グリーン鉄市場のさらなる成長を支える政策や支援策を具体化していく見通しです。この取り組みが、国内外での鉄鋼業の脱炭素化を加速させ、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。

関連資料や詳細は、経済産業省の公式サイトから閲覧可能で、研究会の概要や具体的な計画についても確認できます。政策の進捗状況に注目が集まる中、鉄鋼業界のGX推進に向けた実行が鍵となりそうです。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ

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