2024年7月8日
労務・人事ニュース
2023年度の食生活調査で明らかになった日本人の食意識の変化

「食生活・ライフスタイル調査~令和5年度~」の結果公表について(農水省)
2023年度の「食生活・ライフスタイル調査」では、日本国民の食事に対する意識や行動を明らかにすることを目的に実施されました。調査は、農業・農村への理解を深めるための「ニッポンフードシフト」運動の一環として行われ、消費者の日常の消費行動、食や農に対する意識、普段の食事の実態を把握することが主な目的でした。調査は全国の9エリア(北海道、東北、関東、北陸、東海・東山、近畿、中国、四国、九州・沖縄)で実施され、15歳から74歳までの男女を対象にインターネット調査の形で行われました。
調査手法としては、定量調査と写真調査の2つが用いられました。定量調査では、年代、性別、居住エリア別に、消費者がどのように情報を入手し、どのような意識で食品等を購入しているか、また食や農に対する意識について調査されました。写真調査では、対象者に7日間の食事の写真を撮影してもらい、食事時間やメニュー、食料自給率の予測値等について回答してもらいました。Z世代(15歳から24歳)を対象にした調査も実施され、4日間の食事の写真を収集しました。
調査結果の要約によると、食や農に対する情報入手経路としては、全体で「食や農に関するテレビ番組を見た」が約2割で最も高く、次いで「食や農に関する新聞記事を読んだ」、「WEBサイトやSNSで食や農に関する情報を入手した」が続きました。年代別では、男女ともに65-74歳が最も高く、若年層の割合が低かったことが分かりました。また、食や農に対する意識の変化としては、「食品ロスが減るように食材を使い切るようになった」が最も高く、次いで「適正な価格の食材を購入するようになった」、「生産者をこれまでより応援するようになった」が続きました。
さらに、調査対象者のプロフィールによると、性別、年代、居住エリアは全国の人口構成比に合わせて回収されました。職業では「会社員・団体職員(フルタイム)」の割合が最も高く、次いで「専業主婦(主夫)」、「無職・リタイヤ」の順でした。未既婚の割合は「既婚」が約半数を占め、同居家族としては「配偶者・パートナー」が最も多く、「父親・母親(義父母を含む)」と「子供(義理の子供を含む)」が続きました。
食料自給率や食料安全保障に対する意識についても調査が行われ、全体で「食料自給率を高めることの重要度」は6割強が重要と回答しました。食の未来に対して「国」に期待することとしては、「農業従事者確保のための支援」が最も高く、「生産・食品関連事業者」に対しては「安定的な供給」が、消費者に対しては「食品ロス削減」が最も高い期待項目でした。
また、地域の農産物・特産品に関する認知度についても調査され、自身の住んでいる地域の農作物や特産品を「たくさん知っている」と回答した人は10.8%、「数品目なら知っている」は53.0%、「まったく知らない」は36.2%でした。年代別では高齢層の認知度が高く、居住エリア別では北海道エリアでの認知度が他のエリアよりも高い結果となりました。
この調査結果を通じて、消費者がどのような情報を基に食料を選んでいるのか、また食や農に対する意識がどのように変化しているのかを明らかにすることができました。これにより、今後の食や農に関する施策やプロジェクトの方向性を見極める重要な資料となることが期待されています。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ