2026年5月19日
労務・人事ニュース
売上DI4.8ポイント悪化と設備投資15.0%回復見通し、小企業景況調査2026年4月最新動向とは
全国小企業月次動向調査(2026年3月実績、4月見通し)(日本公庫)
2026年4月24日、小企業の景況感を示す月次動向調査の2026年3月実績と4月見通しが公表され、売上動向に弱さが広がっていることが明らかになりました。全業種計の売上DIは3月にマイナス11.6となり、2月のマイナス6.8から4.8ポイント悪化しました。4月はさらにマイナス12.7となる見通しで、小企業の売上環境に慎重な見方が強まっています。
今回の調査は4月1日から9日に実施され、1,500企業を対象に1,307企業から回答を得て、回答率は87.1%となりました。売上DIは前年同月比で売上が増加した企業割合から減少した企業割合を差し引いた指標で、景況感を映す重要な先行材料とされています。3月の結果では、売上悪化の動きが再び広がったことが示されました。
業種別では製造業に改善がみられた一方、非製造業の落ち込みが全体を押し下げました。製造業は2月のマイナス17.0から3月はマイナス1.9へと大きく改善しましたが、4月はマイナス18.2と再び悪化する見通しです。一方、非製造業は2月のマイナス5.5から3月マイナス12.9へ低下し、幅広い業種で弱さがみられました。
小売業では3月の売上DIがマイナス18.2となり、4月はマイナス19.1へ悪化見通しとなっています。飲食店は3月マイナス11.3、4月はマイナス20.5まで低下する見通しで、落ち込み幅が大きい分野として注目されます。サービス業も2月6.4から3月マイナス13.9へ大きく低下し、4月はマイナス4.4への改善見通しながら、厳しさが残る状況です。
採算面では一時改善もみられました。3月の採算DIは7.1となり、2月の3.2から3.9ポイント上昇しました。黒字企業割合が赤字企業割合を上回る形となりましたが、4月はマイナス0.4へ低下見通しとなっており、採算環境も慎重な見方が示されています。売上の弱さが今後の収益環境へ波及するかが焦点になりそうです。
設備投資動向では慎重さと前向きな動きが交錯しています。2025年度下半期に設備投資を実施した企業割合は17.8%となり、前年度下半期の19.6%から1.8ポイント低下しました。一方、2026年度上半期に設備投資を予定する企業割合は15.0%となり、前年同期の12.4%から2.6ポイント上昇しており、先行きに一定の投資意欲もうかがえます。
設備投資の目的では「更新、補修・維持」が76.1%で最も高く、老朽化対応や維持投資が中心となっています。次いで「新製品生産・販売」が11.2%、「省力化・合理化」が9.8%となりました。成長投資よりも既存設備維持の比重が高い点は、小企業の慎重な投資姿勢を映す結果とも受け止められています。
全業種計の売上DI推移では、2026年1月2.5から2月マイナス6.8、3月マイナス11.6と悪化傾向が続いています。4月見通しマイナス12.7は、3月からさらに1.1ポイント低下する予測です。小企業の景況感は春先に弱含んでおり、需要動向やコスト環境への警戒感がにじむ内容となりました。調査結果は地域経済や小規模事業者の動向をみる上でも重要な材料となりそうです。
今回の調査では、製造業と非製造業で明暗もみられました。製造業は3月に一時改善した一方、4月見通しでは再び悪化予測となり、不安定さが残っています。非製造業では卸売、小売、飲食など幅広く弱さが広がり、個人消費や取引環境の影響も意識されます。小企業を取り巻く環境には依然として慎重な見通しが続いていることが示された形です。
2026年4月24日に公表された今回の月次動向調査は、売上DIマイナス11.6、4月見通しマイナス12.7、採算DI7.1、設備投資予定15.0%という具体的な数字を通じ、小企業景況の現状を映し出しました。売上悪化と採算下振れ懸念がみられる一方、設備投資意欲に持ち直しもみられ、小企業景況の先行きを占ううえで重要な内容となっています。
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