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2024年8月12日

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2024年6月の北海道雇用情勢:有効求人倍率0.88倍に低下

令和6年6月の雇用失業情勢について(北海道労働局)

北海道労働局が発表した令和6年6月の雇用失業情勢は、前年同月と比較して全体的に厳しい状況が続いていることが明らかになりました。6月の有効求人倍率は0.88倍となり、前年同月の0.97倍から0.09ポイント低下しました。この数値は、求職者1人に対して0.88件の求人があることを意味し、前年同月よりも雇用の機会が減少していることを示しています。

6月の新規求人数は、前年同月比で15.8%の減少となり、16ヶ月連続で前年同月を下回りました。これは、景気回復の遅れや、企業が新たな人材を採用する余裕が減少していることを反映しています。月間有効求人数も7.8%減少し、15ヶ月連続で前年同月を下回る結果となりました。これらの数字は、北海道の労働市場が依然として回復途上にあり、多くの企業が人員の増加に慎重であることを示しています。

特に正社員の有効求人倍率は0.77倍と、前年同月の0.80倍から0.03ポイントの低下を見せました。正社員の新規求人数も全体的に減少しており、特に専門職や技術職、サービス業などの分野で求人が大幅に減少しています。例えば、専門的・技術的職業の求人は前年同月比で5.6%減少し、特に開発や製造技術者、医療技術者、保育士などの職種で顕著な減少が見られます。

求職者の側では、新規求職申込件数が7.8%減少し、3ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。これは、求職活動に対する意欲が減少している可能性や、労働市場の不透明感が影響していると考えられます。一方で、月間有効求職者数は1.5%増加し、3ヶ月連続で前年同月を上回る結果となっています。求職者が増加している一方で、求人が減少している状況は、労働市場における供給と需要の不均衡を示しています。

地域別に見ると、札幌市や旭川市、函館市などの主要都市でも新規求人数が減少しており、特に札幌市では4,995件と前年同月比で18.4%の減少が見られました。また、釧路市や帯広市でも新規求人数が減少し、それぞれ前年同月比で13.2%、14.5%の減少となりました。これらの都市では、建設業や製造業、サービス業といった主要産業での求人が減少しており、地域経済への影響が懸念されます。

産業別に見ても、全体的に求人が減少傾向にあります。医療・福祉業界では求人数が前年同月比で12.2%減少し、特に介護サービスや福祉関連の求人が減少しています。サービス業全般でも21.6%減少し、特に職業紹介や労働者派遣業、卸売業、小売業での求人数が大幅に減少しています。例えば、卸売業では求人数が前年同月比で19.3%減少し、小売業でも17.3%減少しています。飲食業や宿泊業などの観光関連産業でも求人が減少し、地域経済の回復が遅れていることが伺えます。

このように、北海道の労働市場は全体的に厳しい状況が続いており、特に新規求人の減少が顕著です。これに対して、北海道労働局は、引き続き物価上昇や企業活動の停滞が雇用に与える影響に注視し、雇用情勢の回復に向けた対策を講じる必要があるとしています。企業や労働者にとっては、今後の経済状況を見極めつつ、雇用の機会を確保するための柔軟な対応が求められるでしょう。

北海道の労働市場に暗雲:求人減少が地域経済に与える影響とは?

北海道の労働市場に与える影響については、複数の要因が複合的に作用していると考えられます。まず、有効求人倍率の低下は、求職者数に対する求人の減少を反映しており、企業が新規採用を控える傾向が強まっていることを示しています。これは、企業が景気の不透明感やコスト上昇の影響を受けて、採用計画を見直している可能性があります。特に、正社員の有効求人倍率が下がっていることは、安定した雇用が確保しにくい状況が続いていることを意味しており、求職者にとっては厳しい環境です。

さらに、新規求人数の減少は、特に地域経済に大きな影響を与えると考えられます。札幌市や旭川市、函館市といった主要都市での求人減少は、地元経済の停滞や、観光業やサービス業といった主要産業の回復が遅れていることを示しています。これにより、地域の消費活動が低迷し、さらに雇用情勢の悪化を招くという悪循環が生じる可能性があります。

また、特定の産業での求人減少が続いていることは、労働市場のセクター間での不均衡をもたらしています。医療・福祉業界やサービス業などでの求人減少は、これらの分野での人材不足を引き起こし、企業の業務運営に支障をきたすリスクがあります。一方で、労働者側も求人数の減少により、希望する職種や業種での就職が難しくなる可能性が高まります。

このような状況下で、北海道の労働市場が回復するためには、地域の経済活動を活性化させるとともに、雇用創出を支援する政策が求められます。企業側も、短期的な採用計画の見直しだけでなく、長期的な視点での人材確保戦略を検討する必要があります。地域の特性に合わせた雇用対策や、労働市場の需給バランスを改善するための支援が不可欠です。

⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ

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