2025年6月9日
労務・人事ニュース
全国20地域で試行開始!農業遺産支援に企業が参画できる新制度で地域貢献と採用ブランディングを両立
- 「高給与」/正看護師/病院/うれしい土日祝休み
最終更新: 2025年6月8日 22:32
- 「時短勤務可」/准看護師/病院/駅から近くて通いやすい
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- 「駅チカ」/准看護師・正看護師/クリニック/夜勤なし
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- 「土日祝休み」/准看護師・正看護師/介護施設/夜勤なし
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「農業遺産オフィシャルサポーター制度」試行が始まります!(農水省)
令和7年5月28日、農林水産省は新たな制度「農業遺産オフィシャルサポーター制度」の試行を開始すると発表しました。この制度は、地域に根ざした伝統的な農林水産業が営まれている世界農業遺産および日本農業遺産に認定された地域の保全・継承を、地域だけでなく企業や団体などの多様な主体と協働で推進していくことを目的とした取り組みです。日本が誇る農業遺産を将来世代に引き継いでいくためには、地域住民の努力だけでは限界があります。そこで、地域の外からの支援や共感を得て、持続可能なかたちで価値を守るための仕組みとして、この制度が創設されました。
この制度では、農業遺産の保全や情報発信、関連商品の開発などに積極的に取り組む企業や団体を「農業遺産オフィシャルサポーター」として登録し、その活動を国が後押しすることで、地域との協働を加速させる狙いがあります。登録された企業や団体には、農林水産省から登録証が発行され、公式なサポーターとしてその取組が農林水産省のホームページなどを通じて広く紹介されることになります。
さらに、この制度には「サポーターバンク」という新しい枠組みも設けられました。これは、現在は農業遺産地域に関する具体的な活動実績がないものの、将来的に取り組む意向を持つ企業や団体が情報交換の場に参加できるようにするための仕組みです。サポーターバンクへの登録によって、農業遺産地域とのつながりを持ちやすくなり、今後の具体的な協力へとつなげていくことが期待されています。
制度の試行はまず20地域を対象にスタートします。これには、愛媛県南予地域、岐阜県長良川上中流域、和歌山県みなべ・田辺地域、島根県奥出雲地域、宮崎県高千穂郷・椎葉山地域、兵庫県朝来地域、山形県最上川流域、新潟県中越地域、新潟県佐渡市、山梨県峡東地域、宮城県大崎地域、岩手県束稲山麓地域、三重県鳥羽・志摩地域、滋賀県琵琶湖地域、三重県尾鷲市・紀北町、熊本県阿蘇地域、石川県能登地域、静岡県掛川地域、兵庫県丹波篠山地域、兵庫県北播磨・六甲山北部地域が含まれています。これらの地域は、それぞれ独自の伝統的農業システムや自然との調和を大切にする文化を持ち、日本の農業や地域社会の多様性を象徴する存在です。
この制度に登録できるのは、農業遺産に関する継続的な取り組みを実施している、あるいは実施する意向のある企業や団体です。例えば、自社のWebページやSNS、広報誌やポスターなどを通じた農業遺産の情報発信、パンフレットの配布、イベントやセミナーでの紹介活動、保全活動への参加、教育・体験活動の提供、さらには地域の農業遺産を活かした商品の開発といった取り組みが該当します。これらの活動が農業遺産地域の振興に資すると農林水産省が認めた場合、正式にサポーターとして登録されます。
申請は、農林水産省の公式サイトに掲載されている制度のコンセプトや実施規約を確認したうえで、所定の申請書に必要事項を記入し、メールで提出することで行えます。今回の試行期間中は、制度の対象地域が限定されていますが、今後の展開に応じて対象地域や制度の枠組みが拡充されていくことが見込まれます。
この制度が企業にとってどのような意味を持つのかを考えると、それは単なるCSR(企業の社会的責任)の枠を超えたブランディングや地域との信頼関係の構築、さらには新しいビジネスチャンスとしての価値があるといえるでしょう。農業遺産地域との協働を通じて、企業は地域資源の魅力を最大限に引き出し、それを製品開発や人材育成、社員の社会貢献活動など多様な形で活用することが可能です。さらに、登録企業として農林水産省のホームページで紹介されることで、社会的な信頼度も高まり、リクルーティングや社外との連携にも良い影響をもたらすことが期待されます。
企業の採用担当者にとっては、この制度がもたらす社会的意義だけでなく、社員のモチベーション向上や企業イメージの向上といった側面も無視できません。特に若年層を中心に「社会貢献」や「地域とのつながり」を重視する価値観が広がる中、農業遺産との協働活動は、企業の理念やミッションに共感する人材の確保・定着にもつながる重要な要素となるでしょう。持続可能な社会の構築に貢献しながら、自社の存在意義をより明確に示すことができる制度として、この「農業遺産オフィシャルサポーター制度」は、今後多くの企業にとって関心の的となるに違いありません。
この制度を通じて、企業と地域、そして社会全体が一体となって日本の大切な農業文化を未来へと継承していく姿が期待されます。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ