2026年3月14日
労務・人事ニュース
2025年10~12月期調査、従業員不足30.6%とホテル・旅館業59.2%の現状
非正社員の賃金水準について「上昇」と回答した企業の割合が5年連続で上昇(日本公庫)
2026年2月26日、生活衛生関係営業を対象とした雇用動向に関するアンケート調査結果が公表された。本調査は2025年10月から12月期を対象とする特別調査で、2025年12月中旬に郵送方式で実施されている。調査対象は3,290企業、有効回答は3,102企業で、回答率は94.2%に達した 。
調査は常時雇用の従業員がおおむね20人以内の生活衛生関係営業者を対象としており、飲食業や理容業、美容業、ホテル・旅館業など幅広い業種が含まれている。2016年4月から6月期調査以降は沖縄県も対象に加えられており、継続的なデータの蓄積が行われている 。
1年前と比べた従業員数の増減については、「減少」と回答した企業の割合が10.6%となり、2024年調査を0.4ポイント下回った。業種別では、ホテル・旅館業が14.1%と最も高く、映画館が13.2%、飲食業が13.1%と続いている 。
従業員の過不足感では、「不足」と回答した企業の割合が30.6%となり、前年を2.8ポイント下回った。業種別ではホテル・旅館業が59.2%と突出して高く、映画館が43.4%、食肉・食鳥肉販売業が36.7%となっている 。
不足への対応としては、「従業員の新規採用」が40.9%で最も多く、次いで「営業時間の短縮」が33.9%、「従業員の多能化・兼任化」が24.7%となった。人材確保と同時に、業務体制の見直しを進める動きがうかがえる 。
採用活動で効果的とされた取組では、「身内や知人等への紹介依頼」が39.9%と最多で、「求人サイトの活用」が28.2%、「ハローワークへの求人」が18.4%と続いた。地域や人的ネットワークを活用した採用が依然として重要な役割を果たしている 。
定着対策では、「賃金の引き上げ」が53.4%で最も高く、「休日・休暇の増加」が37.4%、「勤務時間の削減」が28.6%となった。待遇改善や働き方の見直しが人材確保の鍵となっている実態が示されている 。
正社員の賃金水準については、「上昇」と回答した企業の割合が46.5%となり、2024年を1.0ポイント下回ったものの、2023年と比較すると4.8ポイント上回った。今後1年間の見通しでは「引き上げ予定」が45.2%と、前年を3.4ポイント上回っている 。
非正社員の賃金水準では、「上昇」と回答した企業が61.4%となり、前年を1.4ポイント上回り、調査開始以来で最も高い割合となった。「上昇(5%以上)」も36.0%にのぼる。今後1年間の「引き上げ予定」は53.0%で、前年より6.1ポイント高い 。
外国人材の雇用状況では、「雇用している」と回答した企業は7.3%となった。業種別ではホテル・旅館業が33.7%と最も高く、食肉・食鳥肉販売業が20.9%、飲食業が8.0%である。雇用していない企業の83.3%は「雇用するつもりはない」と回答している 。
一方で、条件が合えば雇用したいとする企業における課題では、「コミュニケーションがとりにくい」が39.5%で最も高く、「文化や価値観の違いによるトラブル」が31.5%、「採用や人事管理のノウハウがない」が25.6%と続いた 。
本調査は3,102企業の回答に基づくものであり、生活衛生関係営業の雇用環境を多角的に示している。人手不足が続く中で、賃金引き上げや働き方改革、外国人材活用の検討など、各企業が直面する課題と対応の方向性が具体的な数値として明らかになった。
⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ


