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2026年4月4日

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2017年から2024年の分析で明らかになった65歳から69歳雇用の増加傾向

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2020年高年齢者雇用安定法改正は60歳代後半の雇用を増やしたのか
―「高年齢者雇用状況等報告」業務データを用いた分析―(JILPT)

2026年3月13日、2020年に改正された高年齢者雇用安定法が60歳代後半の雇用に与えた影響について、業務データを用いた分析結果が公表された。本研究は、70歳までの就業機会確保を努力義務とした法改正が、企業における65歳から69歳の雇用にどのような変化をもたらしたのかを検証したものであり、政策効果を定量的に把握する試みとして位置づけられている。

分析には、2017年から2024年までの「高年齢者雇用状況等報告」の業務データが用いられ、差の差の手法により推定が行われた。特に、法改正以前に66歳以降の就労制度を導入していなかった企業と、すでに導入していた企業を比較し、制度導入の有無による影響の違いに焦点が当てられた。

その結果、65歳から69歳の常用労働者数については、制度を導入していなかった企業において、より大きな増加が確認された。2019年を基準とした場合、2020年には0.14から0.16人、2021年には0.18から0.2人程度、制度未導入企業の方が増加幅が大きい結果となった。このことは、法改正が新たな制度導入を促し、雇用拡大につながった可能性を示している。

一方で、2020年を基準とした分析では、制度未導入企業と導入済み企業の間に明確な差は確認されなかった。この背景として、法改正が成立した時点ですでに一部の企業が制度改訂や雇用拡大を進めていたことや、2021年には外部環境の影響により雇用拡大に慎重な姿勢が見られたことが指摘されている。

さらに、全従業員に占める65歳から69歳の割合についても分析が行われた。2019年基準および2020年基準のいずれにおいても、制度未導入企業の方が割合の増加幅が大きい傾向が確認された。ただし、全期間のトレンドを考慮した分析では、この効果はほぼ消失しており、結果の一部はもともとの傾向に依存している可能性も示唆された。

これらの結果から、2020年の法改正は、特に制度未導入企業において65歳から69歳の雇用者数や割合を押し上げる効果を持っていたと考えられる一方で、その効果の一部は既存の雇用トレンドにも影響されていると解釈されている。政策の効果を評価するうえでは、こうした前提条件や外部環境を踏まえた分析が重要であることが示された。

本研究の成果は、高齢者雇用に関する政策立案の基礎資料として活用されることが想定されており、今後の施策検討においても重要な知見となる。データに基づく検証を通じて、制度改正が現場に与える影響を多角的に把握する取り組みが進められている。

⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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