2026年4月8日
労務・人事ニュース
南米でも流行確認、チクングニア熱の感染拡大と日本での輸入症例増加リスク
チクングニア熱について(厚労省)
2026年3月23日、厚生労働省は蚊が媒介する感染症であるチクングニア熱について、国内外の発生状況を踏まえたリスク評価を公表した。近年、世界各地で感染報告が増加しており、感染症対策の重要性が改めて認識されている。
チクングニア熱は、ウイルスを保有する蚊に刺されることで感染し、発熱や関節痛、発疹といった症状が現れる感染症である。重症化するケースは多くないとされるが、急性症状が治まった後も関節痛が数週間から数か月続くことがあり、日常生活に影響を及ぼす可能性がある。
近年の動向としては、前年に複数の国で再流行が確認され、特に欧州やアジアの一部地域で国内感染が報告されたほか、2026年に入ってからは南米でも流行が確認されている。世界的に報告数が増加傾向にあることから、渡航者や現地居住者の感染リスクが高まっている状況にある。
日本国内ではこれまで輸入症例のみが報告されており、国内での感染事例は確認されていない。しかし、媒介となる蚊の一種は本州以南に広く分布していることから、夏季には海外から持ち込まれたウイルスをきっかけに感染が広がる可能性があると指摘されている。
また、温帯地域においては冬季に蚊の活動が停止するため、仮に国内で感染が広がった場合でも、多くの地域では流行が単年で収束する可能性があるとされている。このような特性を踏まえた上で、感染拡大の抑制に向けた対策が重要となる。
厚生労働省では、国内での発生に備えた体制整備を進めており、特定感染症予防指針の策定に加え、診療ガイドラインや対応マニュアルを整備し、自治体への周知を行っている。さらに、検疫所を通じて海外渡航者への注意喚起を行うなど、水際対策の強化にも取り組んでいる。
今回のリスク評価は、感染症の拡大防止に向けた科学的根拠に基づく情報として重要な意味を持つ。国際的な人の移動が活発化する中で、正確な情報に基づく対策と早期対応が、国内での感染拡大を防ぐ鍵となる。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


