2026年4月11日
労務・人事ニュース
2025年賃金統計で男性373,400円女性285,900円となり格差76.6に縮小
令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚労省)
令和8年3月24日、最新の賃金実態を明らかにする調査結果が公表され、日本の労働市場における収入動向が具体的な数値とともに示された。今回の集計は、全国の主要産業に属する事業所のうち、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所を対象に行われ、59,836事業所から得られた有効回答を基に分析されている。
この調査は毎年6月分の給与を対象に7月に実施されるもので、雇用形態や職種、年齢、勤続年数など多角的な観点から賃金構造を把握する重要な統計である。長期的な変化を継続的に追跡できる点において、政策立案や企業の人事戦略、求職者の判断材料として高い信頼性を持つデータと位置付けられている。
今回の結果によると、一般労働者の平均月額賃金は340,600円となり、前年と比べて3.1%の増加となった。男性は373,400円で2.8%の上昇、女性は285,900円で3.9%の上昇となり、いずれも賃上げの傾向が続いている。平均年齢は44.4歳、勤続年数は12.7年であり、長期雇用の傾向も引き続き確認された。
男女間の賃金差については、男性を100とした場合の女性の水準は76.6となり、前年差で0.8ポイント改善した。この数値は比較可能な1976年以降で最も差が縮小した水準とされ、格差是正に向けた一定の進展が見られる。ただし依然として20ポイント以上の差が残っており、今後の継続的な改善が課題といえる。
短時間労働者の賃金にも上昇が見られ、平均時給は1,518円で前年比2.8%増となった。男性は1,769円で4.1%の増加、女性は1,418円で2.2%の増加となっている。平均年齢は46.2歳、勤続年数は6.5年とされ、多様な働き方が広がる中で、非正規雇用の待遇改善も徐々に進んでいる状況がうかがえる。
今回の調査結果からは、全体として賃金が緩やかに上昇している一方で、男女差や雇用形態による差異が依然として存在している実態が明確になった。特に女性の賃金上昇率が男性を上回っている点は注目されるが、絶対額ではなお差があるため、構造的な課題の解消にはさらなる取り組みが求められる。
また、調査対象が10人以上の事業所に限定されていることから、小規模事業所の動向が含まれていない点にも留意が必要である。労働市場全体の実態を把握するためには、こうした統計の特性を理解した上で活用する姿勢が重要となる。
賃金は消費や生活水準に直結する指標であり、その変動は経済全体にも大きな影響を及ぼす。今回の結果は、企業の賃上げの動きや労働環境の変化を示す一つの指標として、今後の政策議論や企業活動においても注視されることになりそうだ。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


