2026年4月26日
労務・人事ニュース
令和7年災害分析、霧島山や大船渡市など特徴的事例を含む578件
令和7年の土砂災害発生件数を公表 ~令和7年は多様な現象の影響による土砂災害が発生~(国交省)
令和8年3月31日、国土交通省は令和7年に全国で発生した土砂災害の状況を公表した。発表によると、令和7年は37の都道県で合計578件の土砂災害が確認され、死者2名、人家被害は241戸に及んだ。
年間の発生件数は、統計が開始された昭和57年から令和6年までの平均である1,116件を下回る水準となった。その背景には、梅雨期における降水量が少なかったことが影響しているとされる。一方で、発生件数が抑えられた中でも、災害の発生要因は多様化しており、従来とは異なる形でのリスクが顕在化している点が特徴となっている。
特に8月6日からの大雨では各地で被害が確認されており、短期間に集中する降雨が土砂災害を引き起こす典型的な事例となった。これに加え、火山活動や林野火災といった自然現象が重なり、土砂流出を伴う災害が発生したことが報告されている。こうした複合的な要因による災害は、従来の降雨中心のリスク評価だけでは捉えきれない側面を示している。
具体的には、6月に7年ぶりに噴火した霧島山の新燃岳において、噴火後の7月10日に鹿児島県霧島市の河川で土砂災害が発生した。このように火山噴火後の荒廃した流域から同年中に土砂流出による被害が確認された事例は、平成12年の東京都三宅村以来となる。火山活動と降雨の組み合わせによる影響が改めて注目される結果となった。
また、3月に昭和39年以降で最大規模とされる林野火災が発生した岩手県大船渡市では、11月1日の大雨により土砂災害が発生した。森林が焼失した後の流域では地盤の保持力が低下するため、降雨時の土砂流出リスクが高まることが知られており、同年内に被害が確認された事例としては平成5年の高知県における事例以来とされる。
今回の公表からは、発生件数だけでなく災害の質的変化に注目する必要性が浮き彫りとなった。降雨量の多少にかかわらず、火山活動や火災など複数の要因が重なることで被害が拡大する可能性があり、今後の防災対策においてはこうした複合リスクへの対応が求められる。
国土交通省は、詳細な情報を公表資料として提供しており、今後の防災施策や地域の備えに活用されることが期待される。気候や自然環境の変化に伴い災害の様相が変わる中で、最新のデータに基づいた対策の重要性が一層高まっている。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


