2026年5月7日
労務・人事ニュース
2026年4月制度改正まとめ、年金70,608円や保険料17,920円など生活に直結する変更点を解説
厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年4月)について(厚労省)
令和8年4月、医療や年金、雇用、福祉など幅広い分野において、国民生活に影響を与える制度変更が実施される予定となっている。今回の見直しは、物価や賃金の動向、少子高齢化の進展、労働環境の変化などを踏まえ、各制度の持続性や公平性を確保することを目的として行われる。
医療分野では、令和8年度の診療報酬改定と薬価改定が実施される。医療機関を取り巻く人手不足やコスト上昇への対応に加え、将来の医療提供体制を見据えた機能分化や地域連携の強化が進められる。薬価は令和8年4月1日から適用され、診療報酬本体などは同年6月1日から施行される予定で、医療サービスの質と効率の両立が求められる状況となる。
健康・衛生分野では、RSウイルス感染症に対する母子免疫ワクチンが令和8年4月1日から定期接種の対象となる。対象は妊娠28週から37週の期間にある人とされ、乳児への感染予防を目的とした新たな公衆衛生施策として位置付けられる。また、消費者物価指数が前年比3.2%上昇したことを踏まえ、各種手当の見直しも行われ、例えば健康管理手当は39,130円へ引き上げられる。
さらに、特定の支援制度においても給付額の改定が進められる。非入所者向けの給与金については、市町村民税非課税の場合で75,670円、それ以外で56,890円となり、扶養加算額は15,830円へ見直される。支給停止に関する所得基準も1,453,000円へ引き上げられ、生活状況に応じた支援の調整が図られている。
雇用・労働分野では、女性活躍推進に関する情報公表義務が拡大される。これまで301人以上の事業主に求められていた男女間賃金差異の公表が、101人以上の事業主へと対象拡大されるほか、新たに女性管理職比率の公表も義務付けられる。加えて、雇用保険料率は0.1%引き下げられ、全体で13.5/1,000となり、労働者と事業主双方の負担構造が見直される。
福祉分野では、生活保護制度に関連する手続の簡素化が進められる。介護保険に関する変更があった場合、生活保護制度側でも同様の変更があったものとして扱う仕組みが導入され、行政手続の効率化が図られる。また、特別児童扶養手当は1級が58,450円、2級が38,930円となり、特別障害者手当も30,450円へ引き上げられるなど、物価上昇を踏まえた支援強化が行われる。
年金分野では、国民年金保険料が17,920円に設定されるとともに、老齢基礎年金の満額は70,408円または70,608円となる。前年度から1.9%の引き上げとなり、厚生年金も2.0%の増額が見込まれている。さらに、低所得の年金受給者を支える給付金は月額5,620円へと改定され、支援の充実が図られる。
加えて、在職中の年金受給に関する制度も見直され、支給停止基準額が51万円から65万円へ引き上げられる。これにより、就労を継続する高齢者の収入環境に配慮した仕組みへと調整される形となる。
このほか、医薬品に関する副作用救済制度の給付額引き上げや、戦傷病者の配偶者への給付金支給なども実施される予定となっている。これらの変更は、物価上昇や社会構造の変化に対応しながら、各制度の安定運営と利用者への支援強化を目的としたものといえる。
今回の制度改正は、多くの分野にまたがり、日常生活や企業活動に広く影響を及ぼす内容となっている。今後は、それぞれの制度変更が現場でどのように運用されるかが重要となり、利用者や事業者にとっても理解と対応が求められる状況にある。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


