2026年5月18日
労務・人事ニュース
2026年4月発表の実写コンテンツ戦略、2033年に海外輸出2,500億円と売上比率20%を目指す新方針
「実写コンテンツ展開力強化アクションプラン」の公開(総務省)
政府は2026年4月23日、放送や配信を軸とした映像分野の競争力向上を目的に、「実写コンテンツ展開力強化アクションプラン」を公表した。今回の取りまとめは、国内外で拡大する配信市場を背景に、日本の実写コンテンツの製作力向上と海外展開の強化を一体的に進める方針を明確にしたものとなる。
この計画は、2025年8月26日に公表された放送・配信分野の戦略検討結果を踏まえ、2026年1月30日に発足した官民の協議体において検討が進められてきた。協議体では、製作現場の課題や海外市場での競争状況などを分析し、実効性のある施策の方向性が議論され、今回の公表に至った。
近年、映像コンテンツを取り巻く環境は大きく変化しており、配信サービスの普及により市場規模は拡大する一方、従来の放送市場は縮小傾向にある。こうした中、日本の実写コンテンツは海外からの評価が高まり、輸出額も増加しているが、制作や流通の多くが国内中心にとどまっている現状が課題とされている。
アクションプランでは、コンテンツの企画段階から海外展開や配信を前提としたビジネスモデルへの転換を重視している。従来の広告収入に依存した構造から脱却し、国際市場を見据えた制作体制を構築することで、収益基盤の多様化と持続的な成長を目指す考えが示された。
具体的な目標として、2033年までに実写コンテンツの海外輸出額を2,500億円以上に引き上げる方針が掲げられている。また、海外売上比率についても20%を目指すとしており、国内市場依存からの転換を数値で示した点が特徴となっている。
制作体制の強化に向けては、外部資金の活用や国際共同制作の拡大が重要視されている。制作費の大規模化や制作期間の長期化に対応するため、資金調達手法の多様化や海外事業者との連携を進めることで、国際競争力のある作品づくりを後押しする狙いがある。
人材面では、専門性の高い人材の不足が大きな課題とされており、年間1,000人規模での育成が計画に盛り込まれた。プロデューサーや映像技術者に加え、権利処理やデータ分析など多様な分野の人材を対象に、実践的な研修や海外派遣を通じて能力向上を図るとしている。
さらに、2027年度からの5年間を集中取組期間と位置付け、人材育成や技術開発、調査研究を重点的に進める方針が示された。その後も2年から3年程度の継続支援と効果検証を行い、施策の実効性を高める仕組みを整えるとしている。
地域分野においては、地方で制作されるコンテンツの発信力強化も柱の一つとされた。配信を活用して地域内外へ情報を届けるだけでなく、関連イベントや商品化などを通じた多角的な展開を促し、安定的な収益確保と地域活性化の両立を目指す方向性が示されている。
また、既存コンテンツのアーカイブ活用やロケ誘致の支援なども進めることで、地域資源を活かした新たな価値創出につなげる考えが示された。これにより、地域における制作基盤の底上げと継続的なコンテンツ創出を実現する狙いがある。
今回のアクションプランは、政府による支援を呼び水として民間投資を促進し、持続的な成長を可能にするエコシステムの構築を目指す内容となっている。今後は、計画に基づく具体的な施策の実行と進捗管理が重要な課題となり、日本の実写コンテンツが国際市場でどこまで存在感を高められるかが注目される。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ


