2026年6月16日
労務・人事ニュース
2025年の職場熱中症死傷者1,803人で過去最多、2026年5月公表データで見えた猛暑と労働災害の深刻化
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最終更新: 2026年6月18日 07:53
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最終更新: 2026年6月18日 08:00
令和7年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します(厚労省)
厚生労働省は2026年5月27日、2025年に発生した「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」の確定値を公表しました。2025年に職場で発生した熱中症による死傷者数は1,803人となり、前年より546人増加しました。増加率は約43%に達しており、統計を開始した2005年以降で最多となっています。一方、死亡者数は19人で、前年より12人減少しました。減少率は約39%となっています。
今回の集計は、2025年1月1日から12月31日までに発生した熱中症による労働災害を対象に取りまとめられました。死亡や4日以上の休業を伴うケースが対象となっており、猛暑による労働環境への影響が改めて浮き彫りになっています。
2025年の夏は全国的に厳しい暑さとなりました。気象庁によると、2025年6月から8月までの平均気温偏差はプラス2.36℃となり、統計開始以来で最高を記録しています。こうした異例の高温が、職場での熱中症被害増加につながったとみられています。
業種別に見ると、死傷者数が最も多かったのは製造業で365人でした。次いで建設業が292人、商業が237人、運送業が220人、警備業が199人となっています。2021年から2025年までの5年間累計では、製造業が1,063人、建設業が1,038人となっており、この2業種で全体の約4割を占めました。
死亡者数では、2025年は建設業が5人で最も多く、警備業が3人、製造業や商業などが続きました。5年間累計で見ると、建設業は52人に達しており、全死亡者131人のうち約4割を占めています。警備業も18人となっており、屋外作業を伴う業種で重篤化リスクが高い傾向が確認されました。
月別では、2025年の死傷者1,803人のうち約72%が7月と8月に集中しました。死亡者19人のうち約79%もこの2か月間に発生しています。特に7月は718人、8月は583人となっており、真夏の時期に被害が急増している実態が明らかになりました。
時間帯別では、午前中から午後3時前後にかけて多く発生していました。2025年は15時台の死傷者数が233人で最も多く、14時台が226人、9時台以前が229人となっています。死亡災害は午後に集中する傾向がみられ、17時台や18時以降に体調が急変して死亡に至るケースも確認されました。日中に重い症状が見られなかった場合でも、作業後に急激に悪化する危険性があることが分かっています。
年齢別では、50歳代以上が全体の約52%を占めました。2025年は65歳以上が278人で最も多く、50歳から54歳が241人、55歳から59歳が229人となっています。死亡者についても40歳代以上に集中しており、50歳代以上で約84%を占めました。加齢による身体機能の低下や暑さへの感覚の変化が、重症化リスクに影響しているとみられています。
死亡災害の事例では、屋外作業中に倒れ、その後死亡したケースが多く確認されました。警備業では、道路工事現場で交通誘導中の70歳代男性が、休憩後に倒れて死亡しています。また、建設現場や農業、運送業などでも、作業後に体調が悪化し、救急搬送後に死亡した事例が報告されました。死亡した19人は全員男性で、屋外作業中の発症が15件を占めています。
さらに、発症時や緊急時の報告体制の整備が確認できなかった事例が2件あり、措置手順の作成や周知が確認できなかった事例も3件ありました。熱中症予防のための労働衛生教育が実施されていなかったケースは9件確認されています。また、糖尿病や高血圧症など、熱中症リスクを高める疾病を抱えていた事例も9件ありました。
厚生労働省は、2025年6月1日から施行された労働安全衛生規則に基づき、熱中症のおそれがある作業者を早期に発見する体制整備や、重篤化防止のための措置手順の作成、関係作業者への周知を徹底するよう呼びかけています。加えて、WBGT値を把握したうえでの作業管理や、持病のある労働者への適切な配慮を重点的に進める必要があるとしています。
近年は猛暑日が増加傾向にあり、職場での熱中症対策は企業にとって重要な安全管理の課題となっています。特に建設現場や製造現場、物流現場などでは、暑熱環境への対応が人材確保や労働災害防止にも直結しており、現場ごとの実効性ある対策が求められています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


