2026年6月23日
労務・人事ニュース
福井県の有効求人倍率1.73倍【2026年4月】建設業と運輸業の採用需要を分析
- アイリスト/福間駅/社員募集/6月22日更新
最終更新: 2026年6月22日 05:10
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最終更新: 2026年6月22日 07:06
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最終更新: 2026年6月22日 10:08
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最終更新: 2026年6月22日 10:08
2026年4月福井県の有効求人倍率1.73倍が示す雇用市場の現状
福井労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月の雇用失業情勢によると、福井県の有効求人倍率は就業地別・季節調整値で1.73倍となり、前月から0.01ポイント低下した。それでも全国平均の1.18倍を大きく上回っており、都道府県別では全国で最も高い水準を維持している。福井県は97か月連続で全国トップの有効求人倍率を記録しており、全国有数の人材不足県であることが改めて明らかになった。
今回の統計では、有効求人数が19,241人となり前月比0.8%増加した一方、有効求職者数は11,131人で前月比1.8%増加した。求人も求職も増加したが、求職者の増加幅がやや大きかったことから有効求人倍率はわずかに低下した。しかし1人の求職者に対して1.73件の求人が存在する状況に変わりはなく、企業にとって人材確保が依然として難しい環境が続いている。
福井県の雇用情勢については「求人が求職を大きく上回って推移している」と判断されている。ただし、物価上昇や中東情勢など外部環境が雇用へ与える影響には引き続き注意が必要とされている。企業経営においては賃上げ圧力や原材料価格の上昇が続く中、人材確保と収益確保の両立が重要な課題となっている。
有効求人倍率だけを見ると福井県は非常に強い雇用市場に見えるが、その内側では求人側と求職側の変化が進んでいる。原数値で見ると有効求人数は19,110人となり前年同月比2.9%減少した。これで36か月連続の減少となる。一方、有効求職者数は12,111人となり前年同月比5.3%増加しており、8か月連続の増加となった。求人は減少し、求職者は増加しているため、需給バランスは少しずつ変化している。
新規求人の動向も注目される。2026年4月の新規求人数は6,875人で前年同月比4.0%減少した。これで6か月連続の減少である。一方、新規求職者数は3,666人で前年同月比2.3%増加し、5か月連続の増加となった。企業側は採用活動を継続しているものの、景気や経営環境の先行き不透明感から求人を慎重に出している様子がうかがえる。
産業別に見ると、業界ごとの差が非常に大きい。建設業の新規求人数は807人となり前年同月比6.9%増加した。運輸業・郵便業も371人で12.1%増加している。生活関連サービス業・娯楽業は17.9%増、教育・学習支援業は36.5%増となり、一部業種では人材需要が拡大している。
一方で製造業は1,078人で前年同月比3.3%減少した。卸売業・小売業は14.2%減の1,133人、宿泊業・飲食サービス業は19.1%減の433人、医療・福祉は5.1%減の1,244人となった。特に小売業や飲食業では慢性的な人手不足が続いているものの、人件費上昇への対応や採算性の見直しにより求人抑制が進んでいる可能性が考えられる。
福井県の特徴として注目したいのは製造業の存在である。地場産業である繊維工業は前年同月比10.7%減、眼鏡等製造業は12.8%減となった。福井県経済を支える主要産業においても採用需要の変化がみられ、企業は従来型の採用活動だけではなく、生産性向上や人材育成も含めた経営戦略を求められている。
求職者側の動きを見ると、雇用市場には新たな変化が表れている。有効求職者数は前年同月比5.3%増加したが、年齢別では35歳から44歳が11.8%増、55歳から64歳が6.4%増、65歳以上が7.1%増となった。特にミドル層やシニア層の求職活動が活発化していることが分かる。
新規求職者の求職理由を見ると、在職者は前年同月比6.3%増加した。現在働いている人がより良い条件を求めて転職活動を行うケースが増えていることになる。離職者も2.1%増加しており、定年退職者は8.4%増、事業主都合離職者は2.8%増となった。人材流動性が高まる中で、企業には応募者を引き付ける魅力づくりがこれまで以上に求められている。
ここで中小企業の採用担当者が特に注目すべきなのは、有効求人倍率1.73倍という数字の意味である。全国トップの倍率という事実は、単純に人材が不足しているというだけではない。求職者が企業を選ぶ時代が続いていることを意味している。
多くの中小企業では求人票を掲載すれば応募が集まると考えがちだが、現在の福井県ではその発想だけでは採用成功は難しい。求職者は給与だけでなく、職場環境、休日数、教育制度、キャリア形成支援、福利厚生、地域への貢献度など多面的な観点から企業を比較している。
特に建設業や運輸業のように求人需要が高い業種では、同業他社との人材獲得競争が激化している。採用担当者は募集要項の見直しだけでなく、自社で働く価値を明確に伝える必要がある。例えば未経験者向け研修制度や資格取得支援制度、若手社員の成長事例などを積極的に発信することで応募率向上につながる可能性がある。
また求職者増加というデータは中小企業にとって追い風にもなり得る。求職者数が増えている今だからこそ、経験者採用だけに固執するのではなく、ポテンシャル採用や異業種人材の受け入れを強化することが重要である。特に35歳から44歳の求職者増加は即戦力採用の機会拡大につながる可能性がある。
さらに65歳以上の求職者も増加している点は見逃せない。少子高齢化が進む中、シニア人材の活用は今後の重要な経営課題となる。豊富な経験を持つ人材を短時間勤務や専門業務で活用することで、人材不足解消と技術継承の両立が期待できる。
地域別に見ると受理地別有効求人倍率は福井県全体で1.57倍となっている。ハローワーク別では三国が1.99倍と最も高く、福井と敦賀がともに1.45倍、大野が1.39倍、小浜が1.31倍、武生が1.24倍となった。同じ福井県内でも地域によって採用難易度に差があり、地域特性に応じた採用戦略が必要となる。
今後の採用活動では求人媒体への掲載だけでは不十分になる可能性が高い。企業ホームページや採用サイトの充実、SNSを活用した情報発信、社員インタビューの公開、職場見学会の開催など、求職者との接点を増やす取り組みが重要になる。特に若年層は応募前に企業情報をインターネットで調査する傾向が強く、採用広報の質が応募数を左右する時代になっている。
福井県の2026年4月有効求人倍率1.73倍という数字は、単なる統計データではない。企業が選ぶ時代から求職者に選ばれる時代へ移行していることを示す重要な経営指標である。中小企業の採用担当者は倍率の高さだけを見るのではなく、求職者増加や業種別の変化、年齢別の動向まで読み解きながら採用戦略を構築することが求められる。求人を出して待つ採用から、自社の魅力を発信し続ける採用へ転換できる企業こそが、今後の人材獲得競争を勝ち抜いていくことになるだろう。
⇒ 詳しくは福井労働局のWEBサイトへ


