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2026年6月21日

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令和8年4月長崎県の有効求人倍率1.02倍と求人減少が示す採用課題

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長崎県の有効求人倍率1.02倍と新規求人8,656人の動向【令和8年4月

長崎労働局が公表した令和8年4月の雇用失業情勢によると、長崎県の有効求人倍率(季節調整値)は1.02倍となり、前月の1.06倍から0.04ポイント低下しました。有効求人倍率が1倍を超える状況は維持されているものの、前月から低下したことで県内の雇用市場には変化の兆しが見え始めています。また、有効求人倍率は62か月連続で1倍台を維持しており、求人数が求職者数を上回る状況が長期にわたって続いています。しかし、今回の統計を詳しく分析すると、企業側の採用意欲と求職者の動向に変化が生じており、採用担当者にとっては従来の採用手法を見直す重要なタイミングに差しかかっていることが分かります。

有効求人倍率1.02倍という数値は、求職者1人に対して1.02件の求人がある状態を示しています。わずかに求人が上回る状況ではありますが、過去の高水準と比較すると需給バランスは徐々に変化しています。特に前月から0.04ポイント低下した背景には、有効求人数の減少と有効求職者数の増加があります。有効求人数は前月比0.7%減少した一方で、有効求職者数は前月比2.4%増加しました。つまり企業側の求人は減少し、仕事を探す人は増えている状況です。

企業の採用担当者にとって注目すべきなのは、この変化が単なる一時的な数字の動きではなく、採用市場の流れそのものが変化し始めている可能性がある点です。これまで長崎県では人材不足を背景として求人が求職を大きく上回る状況が続いてきました。しかし現在は、求人を出せば自然に応募が集まる時代ではなくなりつつあります。求職者は企業を慎重に比較し、自分に合った職場を選ぶ傾向を強めています。そのため、企業側にはこれまで以上に採用力が求められる時代になっています。

4月の新規求人数は8,656人となり、前年同月比で542人減少しました。減少率は5.9%となり、15か月連続で前年同月を下回っています。この数字は企業の採用活動が全体として慎重になっていることを示しています。人件費の上昇や原材料価格の高騰、エネルギーコストの増加など、企業経営を取り巻く環境が厳しくなっていることも背景にあると考えられます。

新規求人を雇用形態別に見ると、フルタイム求人は前年同月比8.1%減少し、パート求人も2.0%減少しました。特にフルタイム求人の減少幅が大きく、企業が正社員採用に対して慎重姿勢を強めていることが読み取れます。一方でパート求人の減少幅は比較的小さく、企業が柔軟な雇用形態を活用しながら人材確保を進めようとしている可能性もあります。

月間有効求人数は23,907人となり、前年同月比7.2%減少しました。これで30か月連続の減少となります。フルタイム求人は21か月連続減少、パート求人は30か月連続減少となっており、長期的に求人総数が減少している状況が続いています。採用担当者にとっては、自社だけが採用活動を見直しているわけではなく、多くの企業が採用計画の調整を行っていることを意味します。

一方で求職者の動きは活発化しています。新規求職者数は7,417人となり、前年同月比4.4%増加しました。2か月連続の増加です。フルタイム求職者は2.9%増加し、パート求職者は6.0%増加しました。特にパート求職者の増加が目立っており、物価上昇による家計負担増加や働き方の多様化などが背景にある可能性があります。

月間有効求職者数も25,019人となり、前年同月比3.5%増加しました。これで5か月連続の増加です。フルタイム求職者は1.4%増加し、パート求職者は6.2%増加しています。求職者が増加していることは企業にとって応募機会が広がることを意味しますが、必ずしも採用成功につながるわけではありません。求職者は企業選びに慎重になっており、自分の希望条件に合う企業を厳選する傾向が強まっています。

産業別の新規求人動向を見ると、業界ごとに大きな違いが見られます。運輸業は前年同月比5.9%増加しました。物流需要の継続や人手不足の深刻化を背景として、積極的な採用活動が続いていると考えられます。建設業も3.6%増加しました。公共工事や民間投資の継続に加え、高齢化による技能者不足への対応が求人増加につながっているとみられます。製造業も1.6%増加しており、地域経済を支える産業として一定の採用需要を維持しています。

その一方で、サービス業は23.4%減少しました。減少率としては最も大きく、採用市場の変化が鮮明に表れています。卸売・小売業も3.5%減少し、医療・福祉も1.8%減少しました。医療・福祉分野は依然として人材需要が高い業界ですが、人件費や経営環境の変化によって採用計画を見直している事業者も増えている可能性があります。

紹介件数は4,957件となり、前年同月比3.7%増加しました。求職活動そのものは活発化していることが分かります。しかし就職件数は1,807件となり、前年同月比6.9%減少しました。紹介件数が増えているにもかかわらず就職件数が減少しているという状況は、企業と求職者のマッチングが難しくなっていることを示しています。

この状況は中小企業の採用担当者にとって非常に重要な示唆を含んでいます。求職者数が増加しているからといって、採用が容易になるわけではありません。むしろ求職者は複数の企業を比較しながら応募先を選んでいるため、企業側の情報発信力や魅力の伝え方がこれまで以上に重要になっています。

私自身が採用市場の動向を分析する中で感じるのは、有効求人倍率1.02倍という数字は採用市場の転換点を示している可能性があるということです。これまでのように「人がいないから採れない」という時代から、「企業が選ばれるために何をするか」が問われる時代へと移行しつつあります。

中小企業の採用担当者は、まず求人票の内容を見直すべきでしょう。仕事内容や求める人物像を具体的に示し、入社後のキャリアパスや教育体制についても分かりやすく伝える必要があります。給与や待遇だけでなく、どのような成長機会があるのか、どのような職場環境なのかを明確に発信することが重要です。

また、企業ホームページや採用サイトの充実も欠かせません。求職者は応募前に企業情報を調べることが当たり前になっています。社員インタビューや職場風景、実際の業務内容などを公開することで、応募前の不安を軽減できます。特に若年層は企業文化や働き方を重視する傾向が強いため、企業の価値観や働く人の姿を積極的に発信することが求められます。

さらに、採用活動と定着支援を一体で考える必要があります。採用できても早期離職が発生すれば人材不足は解消しません。教育制度の整備やコミュニケーション環境の改善、柔軟な働き方の導入などを通じて、長く働ける職場づくりを進めることが重要になります。

令和8年4月の長崎県の有効求人倍率1.02倍は、依然として求人が求職を上回る状況を示しています。しかし求人減少と求職者増加という流れを踏まえると、採用市場は新たな段階に入りつつあります。中小企業の採用担当者は倍率の数字だけを見て判断するのではなく、その背景にある求職者の意識変化や市場構造の変化を理解しなければなりません。今後は採用広報力、職場環境の改善、定着支援の充実が企業の採用成果を左右する重要な要素となるでしょう。人材獲得競争が続く中で、自社の魅力を明確に伝えられる企業こそが、これからの採用市場で優位性を確立していくことになるはずです。

⇒ 詳しくは長崎労働局のWEBサイトへ

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